ハリウッドよ!これも映画だ!! 怒涛のZ級ムービー『悪魔がはらわたでいけにえで私』
皆さんこんにちは
椿ですっ。
ようやく春めいてきましたね。
花粉症で眼球と鼻腔が破壊される中、観てきましたよ!まるで花粉症の苦しみをあざ笑うかのような、とんでも無い映画を・・・。
『悪魔がはらわたでいけにえで私』!!

いやっ
なんか、すごい!!
自信をもってお勧めすると、人間性を疑われてしまうような作品!正直、とりとめもない、何をどう、おススメしてよいのやら、私にもわからない!!
なのに人におススメしたくなってしまう、かなりヤバめな映画。それが本作です。

【あらすじ】
男女3人が、バンド仲間で連絡の取れなくなった男性のもとへ。その家はボロ家で窓という窓が新聞紙で塞がれている。メンツの一人が、何かを封印しているお守りをはがすと突然、そのメンバーに悪魔が憑りつき仲間を襲う・・。
数か月後、音楽プロデューサーのコウスケが目を覚ますと、謎の部屋でロープで亀甲縛りで縛られている。なんとか抜け出そうとすると、そこにはもう一人倒れている男が・・。しかし、その男は悪魔に憑りつかれていた。逃げ惑うコウスケ。と、そこへ、バンド仲間を訪れた男女のうちの一人の女性が両腕にチェーンソーをはめ、助けに現れる・・。
と、あらすじを書いたものの、これはほんの序盤。序盤だけ見ると、うん、確かに『死霊のはらわた』(1981)の系統を引き継ぐ、悪魔に憑りつかれた人間との対決を描くホラームービー!!と思えますが、ここから物語はとんでもない方向へとジャンピング!!軽くK点越え!!観客を呆然とさせ、置いてきぼりをくらわすのです。

これはなに?
ホラー?スプラッター??SF???それともナンセンスコメディ??

とにかく作り手の好きなジャンル映画のオマージュとリスペクトを詰めに詰め込んだら、こんな映画になってしまった!!という作品。
映画の作品自体には、これ?何か意味がある映画なの??
この作品の存在意義は??
と、と問いたくなるような映画なのだけど、いや、これはれっきとした映画だ!と、椿は申し上げたいのであります。
作り手の創作意欲、大好きなジャンル系映画の美味しい所を、雑なパッチワークで紡いでしまったらこんなにマズ旨な定食ができてしまったような映画です。
つまり、映画への愛が溢れている。クレイジーなほどあふれている。それを作り手、出演者が皆理解している、というか、ベクトルが同じ方向を向いている。その方向が非常にどっか逝っている!
すべての人に理解してくれとは思っていない!この思いを共有できる人が一緒にクレイジーに楽しもう!!と、確信犯的に観客を導いている映画。
そう、これぞ
Z級テイスティ!!
この振り切れちゃってるZ級テイスティな作品は映画の歴史の中で沢山存在しています。もうどうしようもないトホホ映画なのだけど、作り手の、映画に対する愛情(人はそれを厨二病映画とも呼ぶ)が詰まっていて、それを共有する人々の中で、「カルト映画」などという、一瞬まともな映画?と思わせてしまうようなカテゴリーに分類されてしまうのだけど、Z級映画は「悪魔で」、いや「飽くまで」孤高にカテゴライズされるのであります!
日本映画にも、どうしようもないクズ映画と呼ばれる作品はこれまで沢山ありました。低予算、安直な絵作り、やる気のないスタッフと役者・・。でも「映画への愛」があれば許せてしまうのですが、これまでの邦画では、この「愛」が満たされず、Z級映画ではなく、安っぽいアダルトビデオを見せられているような感覚に陥る作品が多かったのも事実です。
しかし、本作は違う。低予算なのは観ての通りなのだけど、見せ場のポイントを押さえ、創意工夫でしっかりと作りこまれた絵作り。役者もスタッフも、嬉々として現場作業に入り、演じている。これこそZ級映画にふさわしいと言えるでしょう。
最近の日本映画で、この手のZ級な優秀作品が多くなっているような気がします。
本当に喜ばしいことです!
Z級映画の神様!ロイド・カウフマン降臨!!

(c)『悪魔がはらわたでいけにえで私』製作委員会
本作で、悪魔バスターズが千葉の悪魔を退治する(ということは本作の舞台は千葉だったのか!)という英語のニュースシーンが出てくるのですが、このキャスター役。この方ロイド・カウフマンという、その手の世界では「神様」と崇められているほどの?存在の映画監督・プロデューサーです。代表作は『悪魔の毒々モンスター』。自身が作り上げた映画製作会社「トロマピクチャーズ」総裁として、数々のトンデモおバカ映画を監督。また、映画製作を目指す若手に手を差し伸べ、様々な作品をプロデュースしたり、世界各国から、とてつもなくヤバい映画や、低予算だけど面白いのに、紹介されない作品を発掘し配給して発表する、まさにZ級映画界を代表する御仁であります。
彼の出演がどのようにして叶ったのかは存じ上げないのですが、おそらく宇賀那健一監督の諸作を気に入られてのご出演ではないかと推察します。きっと本作はカウフマンも大好きなはず。世界的な展開もありうる!?
そんなわけで、ただただ、すごい!と言っただけの紹介になりましたが、多少のグロさに耐性があったら、是非、「映画芸術」の裏面を覗いていただきたくご紹介いたしました。
最近の、説明過多、情報量過多に陥るあまり長時間に及ぶ上映時間になってしまったハリウッド作品へのアンチテーゼな意味合いも込めて(なにせ上映時間61分!なのにお腹一杯になる高カロリー映画!!)
『ハリウッドよ!これも映画だ!!』
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投稿を表示『悪魔がはらわたでいけにえで私』ってタイトルの映画が存在したんですね、てっきり椿さんがこの記事に付けたタイトルだと思ってました(笑)
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投稿を表示Z 級テイスティな映画に飢えてたのでめちゃみたくなりました🧟