『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』だけではない!第81回 ベネチア国際映画祭コンペティション部門注目作品5選!
つい先日、第81回 ベネチア国際映画祭のコンペティション部門が発表された。
注目は何といってもホアキン・フェニックス主演、トッド・フィリップス監督作品『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』でしょう。日本でも今年10月11日公開予定。
その前にベネチア国際映画祭のコンペティション部門でのワールドプレミア上映となる。いわば、来年春の米アカデミー賞の前哨戦になるが、注目作品は『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』だけではない。ということで、ボク個人の独断ではあるが、注目作品を5つピックアップ!
『The Room Next Door』
監督:ペドロ・アルモドバル
【キャスト】
ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ、アレッサンドロ・ニボラ、ファン・ディエゴ・ボト、ラウル・アレバロ、ビクトリア・ルエンゴ、アレックス・ホイ・アンデルセン、エスター・マクレガー、アルビーゼ・リゴ、メリーナ・マシューズ
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まずは、というか一番の注目は『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』を手掛けたスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の初の長編映画作品『The Room Next Door 』。主演がジュリアン・ムーアとティルダ・スウィントンの1960年生まれの女優コンビというだけでもかなり楽しみ。ストーリーはティルダ・スウィントンが演じる戦場ジャーナリストのマーサとマーサの母親をジュリアン・ムーアが演じる小説家の友人イングリッドの視点で展開する母娘のストーリー、とペドロ・アルモドバル監督らしい女性だらけの作品になりそう。
『Queer 』
監督:ルカ・グァダニーノ
【キャスト】
ダニエル・クレイグ、ドリュー・スターキー、ジェイソン・シュワルツマン、レスリー・マンビル、デビッド・ロウリー
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お次は『君の名前で僕を呼んで』のダニエル・クレイグ主演、イタリアの名匠ルカ・グァダニーノ監督の『Queer』。「裸のランチ」の原作者としても有名なウィリアム・S・バロウズの代表作の映画化で、LGBTに特化した映画を手掛けることが多いルカ・グァダニーノが監督らしい作品になるかな。それに麻薬絡みが多いバロウズらしくやはり麻薬が絡む。これは楽しみだ。
『The Order 』
監督:ジャスティン・カーゼル
【キャスト】
ジュード・ロウ、ニコラス・ホルト、ジャーニー・スモレット、タイ・シェリダン、マーク・マロン
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続いては『マクベス』や『ニトラム』を手掛けたジャスティン・カーゼル監督作品『The Order』。ジュード・ロウを主演で、「KKK以来最も危険」な白人至上主義者集団を描く実録作品ということで、『ブラック・クランズマン』や『ソフト/クワイエット』が好きな方は期待大。
『Maria』
監督:パブロ・ラライン
【キャスト】
アンジェリーナ・ジョリー、ピエルフランチェスコ・ファビーノ、アルバ・ロルバケル、ハルク・ビルギナー、コディ・スミット=マクフィー
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そして『No』や『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』を手掛けたチリの名匠パブロ・ラライン監督最新作『Maria』。なんと、1970年代の晩年のマリア・カラスを描いた作品で、アンジョリーナ・ジョリーがマリア・カラスを演じる。マリア・カラスの映画はこれまでにもいくつかあったが、久しぶりの印象。
『Babygirl 』
監督:ハリナ・ライン
【キャスト】
ニコール・キッドマン、ハリス・ディキンソン、アントニオ・バンデラス、ソフィー・ワイルド、エスター・マクレガー
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A24制作で、女優のハリナ・ラインの初監督作品。女性CEOと年下のインターンとの不倫関係を描くエロティック・スリラーらしいけど、女性CEOがニコール・キッドマンで年下のインターンがハリス・ディキンソンで、アントニオ・バンデラスが女性CEOの旦那さん役かな。で、ユアン・マクレガーの娘(次女)のエスター・マクレガーがニコール・キッドマンとアントニオ・バンデラスの娘役になるのかな。これは楽しみだ。
ちなみに、去年のベネチア国際映画祭のコンペティション部門では、リュック・ベッソン監督作品『DOGMAN ドッグマン 』、ブラッドリー・クーパー主演兼監督作品『マエストロ その音楽と愛と』、ソフィア・コッポラ監督作品『プリシラ 』、エドアルド・デ・アンジェリスルボ 監督作品『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』、デビッド・フィンチャー監督作品『ザ・キラー 』、濱口竜介監督作品『悪は存在しない 』、アグニエシュカ・ホランド監督作品『人間の境界 』、ヨルゴス・ランティモス監督作品『哀れなるものたち 』、マイケル・マン監督作品『フェラーリ 』といった感じのラインナップだった。昨年後半から今年前半の傑作や話題作揃いのラインナップに今更ながら驚かされるし、『マエストロ その音楽と愛と』と『哀れなるものたち 』はしっかりと今年のオスカー戦線に絡んでいるから、今回のコンペティション部門からも『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』以外にも来年のオスカー戦線に絡む映画がいくつ出るか?楽しみである!