カッツ
2025/11/14 08:36
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』は、スティーグ・ラーソンによる推理小説「ミレニアム」三部作の第1作を映画化した作品である。2010年にスウェーデン語版が製作され、その後英語版としてリメイクされた。物語の骨格はほぼ同じだが、監督も俳優もまったく異なるため、それぞれに独自の雰囲気がある。
この作品との出会いは、10年以上前に久米宏氏がラジオで「絶対面白いから読んでみて」と紹介していたことがきっかけだった。その言葉に惹かれて原作を読んだが、アガサ・クリスティー作品を彷彿とさせる緻密な構成と謎解きの面白さに夢中になった記憶がある。
今回、スウェーデン版と英語版の映画を続けて鑑賞した。スウェーデン版は原作の空気感や人物描写により忠実で、物語の本質を丁寧に掘り下げている印象を受けた。一方、英語版は映像や演出がより過激で、サスペンス性を強調したスタイリッシュな仕上がりになっている。
どちらも見応えはあるが、個人的にはスウェーデン版の方が原作への理解と敬意が感じられ、より好みだった。リスベットというキャラクターの複雑さや、社会的テーマの重みが、スウェーデン版ではより深く伝わってきたように思う。
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