マスクド
2024/12/07 00:04
少林サッカー
スポーツで能力バトルをする作品。実際は拳法ですが、あくまでフィクションとして空を飛んだり腹部にボールを吸着させたりと拳法を大袈裟にしており、敵は敵でドーピングにより拳法と同じことをしたり選手に直接攻撃するラフプレーも容認されたりなど、能力バトルといって差し支えないと思います。ですが、頭を空っぽにするなら、それでいい。むしろそれがいいとすら思います。
元選手だった監督の足の怪我と引退の原因を作った男のチームを倒すという、師匠の仇討ちをする(監督は別に死んでませんが)カンフー映画の定番的なストーリーであり、話の根幹にはシリアスなものがあるのに基本的に何もかもが大袈裟でそれをギャグにしています。でもやっぱり登場人物は全員大真面目にやっているので、シリアスなシーンなのにどういう感情になればいいのか分からなくなってしまうこともあります。ネタバレを含むと主人公が惚れた女性が助っ人として男のふりをしてやってくるシーンとかシリアスなはずなのに男装のために頭を丸坊主にしている為、シュールな絵面になってしまっています。
難しいこと考えずに笑ったり熱くなったりしたいぜ!っていう人にオススメの映画です。
ちなみに外伝もあるそうですが……そちらは評判がよろしくなかった為、観ていません。
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投稿を表示こんばんは、マスクドさん。「少林サッカー」は、一言で言って、とにかく観て大爆笑する、そんな理屈抜きに面白くて楽しい作品ですね。監督・主演は、ドニー・イェンと共に、世界中でブルース・リー(李小龍)を最も愛する男チャウ・シンチー。カンフーを自由自在に操り、超人的なスピードで展開されるプレーの数々。一昔前のスポ魂ドラマを思わせるストーリー展開に、シュールな即興ギャグのつるべ打ち。とにかく、面白すぎます!!! この映画は、”ノスタルジー”というツボに弾丸シュートを決めてくれるのです。それも懐かしいヒーロー漫画へのノスタルジーなのです。とにかく試合のシーンが凄い、凄すぎます。ボールは火を噴き、人は宙を舞う。「そんなアホな!!」と思わず突っ込みたくなるような超人プレーのオンパレード。これは、まさしく漫画「キャプテン翼」の世界そのものですね。どうせ映画、フィクションなんだからと、”開き直ったような潔さ”が、この映画に比類なきパワーを与えているのだと思います。そう、ヒーローは何だってやり遂げてしまうのです。香港映画伝統のワイヤー・アクションや最新のCG技術も、この漫画的な世界感を映像化するための単なるツールに過ぎず、リアリズムの価値をはき違えた最近の映画には、このフィクションが生み出す途方もなく、底なしの興奮が希薄になっているので、そういう意味からもこの映画の価値があるように思います。
おおよそカンフーの使い手には似つかわしくない肥満の男やおっさんに、ブルース・リー気取りのキーパーなどなど。ブルー・リーおたくのチャウ・シンチー、やっぱり、ブルース・リーへのオマージュをしっかり映画の中で描いていますね。対するは、コテコテの悪役。ダメ人間が巨悪を討つ。このカタルシスも、ヒーロー漫画へのトリビュートになっていると思います。そして、このようなおバカなキャラクターを照れる事もなく堂々と演じきった面々に拍手を贈りたいと思います。