「TBSレトロスペクティブ映画祭」第2回実相寺昭雄特集
実相寺昭雄のTBS時代
こんな企画あったのに!
見逃してしまいました・・・

TBSに入社し、演出家となった早熟期掛の作品が見れます。
民放で内部で演出家を育てていたのはTBSくらいで
自社制作力が高い放送局でした。
しかし、その破天荒な作風が災いし、
円谷プロに出向となります。
そこからご存知のように
初期のウルトラシリーズに携わり、
伝説的な作品を発表し、一部信者に崇められていきました。
一回目はたしか、寺山修司作品だったと思います。
今回、第二回で実相寺作品が選ばれました。
プログラムをみてみると

「あなたを呼ぶ声」
25歳でドラマ演出を手掛けています。
脚本が大島渚!
出演が池内淳子に大島ファミリーの戸浦六宏

「あつまり」
鳴り響くジャズと躍動的な映像で時代を切り取った、
和製ヌーヴェル・ヴァーグとの紹介で、
実相寺ワールド=斬新な映像が想像されます。
出演は円谷プロ作品でおなじみの斉藤チヤ子に田村正和です。
これらドラマは「おかあさん」
という母親を主題にした1話完結のスタジオドラマのシリーズ。
番組が若手ディレクターの登竜門だったのでした。
20代の実相寺が演出した全6作品を上映されたのでした…
『現代の主役』「ウルトラQのおやじ」
ドキュメンタリー枠の作品で、
特撮の神様・円谷英二に迫った伝説のドキュメンタリーです。
これはビデオで「ウルトラマン前夜祭」とのカップリングで収録され、
視聴しておりました。
金城哲夫がホスト役で登場しています。
音楽は冬木透が担当。
この方もTBSの社員でいわゆる音効さんでした。
番組の音楽も社員でつくっていたとはNHKへの対抗意識を感じます。
チェンバロのメロディが印象的でした。
『7時にあいまショー』「坂本九ショー」
音楽番組も演出もしております。
当時の人気作家、永六輔が構成して、
ナレーターがのちにご婦人になる原知佐子
この番組かわかりませんが、美空ひばりの演出で露骨なクローズアップをしたため、
お嬢の逆鱗に触れてしまいます。
※TBSドラマで実相寺の自伝ドラマ
『ウルトラマンをつくった男たち 星の林に月の舟』で再現されております。
ふたたびドラマに戻ります
「さらばルイジアナ」
主演が奥様の原知佐子に
ザ・ガードマンの川津祐介
脚本が
田村孟と、なんともATG的な雰囲気。音楽が八木正生と、サザンの音楽監督です。
実相寺昭雄保存会
っていうのがあるんです。正式名ではないかもしれませんけど、その会のイベントがあり、
実相寺昭雄のドキュメントとウルトマランよりジャミラとガヴァドンのエピソードの上映に、
実相寺昭雄、唯一の親友・寺田農と撮影監督・中堀正夫のトークショーがありました。
寺田農、天才について語る
実相寺昭雄は俳優に評判が悪かったそうです。
唯一、実相寺監督とともにした俳優は寺田氏だけだったと~
突然、うちにやって来て「みのりちゃん、熱海へ行こうよ~」と連れ出されのですが、
それがウルトマランの撮影でガマクジラが登場するエピソードでした。
トラックを運転して、ガマクジラに襲われる役で出演。
俳優のことを全く知らない(興味がなく)、そのため寺田氏がキャスティングをしてたのでした。
ウルトラシリーズを終えたあと、フリーとなり劇場映画に進出していきます。
ATG作品中心の活動で商業性のないものでした。
寺田氏のトークで初めて知るのですが、
映画、ドラマだけでなくオペラ、クラシックやCMの演出をしていたのでした。
CMで凄いのは資生堂の薬師丸ひろ子をつかった3分にわたる作品、これはカンヌで金賞に輝き、
その筋のひとたちにはほとんど知られています。
さらにディーバ、K・バトルをつかったニッカウヰスキー、これは見事な作品でした。
観客はひとりでいい、おれが観たい映画をつくるんだ!
これが実相寺昭雄という演出家だと。
誰がどう言おうと、俺が満足すればそれでいいのだ!
一方で実相寺昭雄はカラヤン、山田一雄、朝比奈隆、小澤征爾などと仕事をしていて、
寺田氏はそのたび、ナレーターなどで参加していたそうです。
「俳優業では出会うことのない芸術家たちと仕事ができた」と感謝の弁を語っていました。
実相寺アングル
これは庵野秀明や岩井俊二などに影響を与えてますが、
別の機会に触れることとします。
ジャミラの慰霊碑
フランス語で書かれています。実相寺昭雄によるものです。

「故郷は地球」
ジャミラ登場の台本です

ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」より
製作費がないため、ついに怪獣も星人も出てこなかった回
こんな悪条件のなかで実相寺アングルができていったのでした。
なにで使ってたのか、よくわかりませんでした…
