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2024/06/30 01:54

椿的 身の毛もよだつホラー映画【洋画編15選🎃】

皆さんこんばんは!

Discover us ホラー映画大好きっこ倶楽部
会員ナンバーマイナスワン(自称)
椿ですっ
 


こ~んなに嬉しいお題がやってくるとはっ!
まさに夢のよう!!

 

『暑い時には・・ 身の毛もよだつホラー映画』

 

すでに、シネマニストの皆さんの投稿が上がってきていて、皆さんの記事のどれもが面白く、ワクワクしながら拝読しております。

シネマニストさんそれぞれのこわさの視点の違いやホラー映画への愛がひしひしと伝わってきて、何度も読み返してしまいました(;^_^A

 

よし!では私も書くぞ!!とパソコンの前に座った時、キーボードを打つ手が止まりました・・。

さて?何の映画を紹介したらよいか??

自分が愛しているホラー映画と言えば『オーメン』だ『ゾンビ』だ『死霊のはらわた』だ・・
なのですが、、


自分のホラー映画が好き、という感情は、どちらかというと、「怖いから」好き!というより、映画として「面白い」から好き!!なんですよね。この違いが分かっていただけるか分からないのですが、このシーンはどうやって撮ってるんだろう?とか、うわっ、その展開最高!!とか、そんな感じで見てしまう。
なので、正直言っちゃうと「身の毛もよだつ」感覚を抱きながら見たホラー映画っていうのはあまりないんです・・。

それに、ひとくちに「ホラー映画」と言っても広義の意味では、色んなものがホラー映画ととらえることができますよね。「うわっ、怖っ!」という感情が得られれば『セブン』のようなサスペンス映画でもホラー映画と捉えることもできる。極端なこと言っちゃえば『イコライザーFINAL』でのデンゼル・ワシントン演じるマッコールの存在やグロい殺し方を見るにつけ「こりゃホラーだろっ」とも思えます。
 

昔は日本では「怪奇映画」「恐怖映画」と呼ばれていたジャンル。どちらかというと、怪物や悪魔といった存在が登場する映画が、それでした。やがて、悪魔をメインに据えられた怪奇映画を「オカルト映画」と呼称しだしたのが70年代。80年代のレンタルビデオブームにより「ホラー映画」という言葉が定着して、その言葉が指し示す映画のジャンルも幅が広がりました。
ついでに言ってしまうと(記憶違いだったら申し訳ありません)「血まみれ映画」の意味である「スプラッター映画」は『死霊のはらわた』公開時、またはその近辺で使われだされた言葉で、今では映画を観ない人でも「スプラッター」という言葉は知っているくらいに認知されました。(アメリカでも使われだしたのは80年代からなので、比較的新しい言葉ですね⇒でもないか・・・)

 

前置きが長くなりましたが(いつもの事!?)
そこで、今日ご紹介するのは、椿が、おっ、これは怖っ!ゾッとした!と感じた映画をご紹介したいと思います。どうも、椿が紹介するのは古めの映画が多いので、今に比べると刺激が少なかったり、説明不足だったり、ゴア描写がチープだったり、というのもありますし、人に寄って「怖さ」のポイントが違いますので、その辺をご考慮いただいた上でお読みいただけますと助かります。

(C)MCMLXXIV BY VORTEX, INC.

今回は洋画編として15本紹介します。
ざっと紹介する作品を挙げますと・・・。

 

1 ホラー映画の古典
   『吸血鬼ノスフェラトゥ』

2 迫りくる恐怖の存在

 『恐怖の足跡』

 『地下室の魔物』

 『THE 4TH KIND フォースカインド』 

3 殺人鬼の恐怖

 『悪魔のいけにえ』

 『サスペリアPART2』

4 怖いゾンビ映画

 『悪魔の墓場』

 『サンゲリア』

5 恐ろしい世界観

 『メサイア・オブ・ザ・デッド』

 『ゾンゲリア』

 『ザ・ヴォイド 変異世界』

6 ムシ、無視??、虫~

 『スクワーム』

 『ザ・ベイ』

7 怖い怪獣

 『リバイアサン』

 『クローバーフィールド HAKAISHA』 

 

ではっ、始めますっ

 

1 ホラー映画の古典

 ①『吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)』~最も怖い吸血鬼映画~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★

グロゴア度 -

カルトだ度 ★★★

【あらすじ】

 不動産屋に勤めるハーカーは、上司レンフィールドの命により、トランシルバニアの居城に棲むオルロック伯爵のもとへ行き、ハーカーの隣にできた新居への入居契約へ向かう。途中立ち寄った酒場で伯爵の話をすると、人々は恐れおののき、城へ向かわないよう忠告し、吸血鬼の伝説が書いてある本を渡す。それを無視し向かうハーカー。
 城では禿げ頭に極端な鉤鼻、恐ろしい風貌の伯爵が出迎える。契約をすませ、一晩城に泊まり目を覚ましたハーカーの首元には何かに噛まれたような傷。体が思うように動かないハーカーは、村人が言っていた吸血鬼伝説を思い出し、伯爵が吸血鬼だと疑い始めるが、時すでに遅く、伯爵はハーカーの住む町へ船を利用し移動していた。船の中では、船員が原因不明の病気で次々命を落とし、船の積み荷にあった棺桶を疑った航海士が棺桶を開けたところ、大量のネズミと伯爵が飛び出てくる。恐れをなした航海士は自殺。船長は舵に体を縛り付け絶命。
船が町に着いたと同時に町には伝染病が蔓延。多数の死者が出る。やっとの思いで家にたどり着いたハーカーは妻ミナに事の顛末を打ち明ける。しかし、伯爵の魔の手はミナにも向けられていた・・


【かいせつ】

1922年、ドイツの映画監督フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウによって制作された、モノクロ・サイレントのホラー映画です。原作はブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』。著作権者の許可をとらずに作られた為訴えられて敗訴。フィルムはすべて焼却処分されましたが、すでに世界中に配給されていたため、残ったフィルムから修正されて現存するという、貴重な作品でもあります。

暗く、不気味な雰囲気と、シルエットをうまく使って、得体のしれない存在が近づいてくる恐怖を、まさに映像だけで作り上げました。
中でも特筆すべきは、オルロック伯爵を演じたマックス・シュレックの存在感で、不気味な動き、佇んでいるだけで他者を怯ませる圧がものすごく、まるで本物の吸血鬼かと見まごうようです。第一、この役者の名前自体、「最大の恐怖」を意味するので、この役にうってつけといえましょう。

本作と、ベラ・ルゴシが演じたドラキュラ伯爵のイメージにより、吸血鬼は、紳士然として、黒マントを付けたイメージと、禿げ頭、鉤爪の恐ろしい形相のイメージに2分されました。ちなみにノスフェラトゥ型はスティーブン・キング原作の『死霊伝説』や昨年公開された『ドラキュラ/デメテル号最後の航海』などが挙げられます。


【関連作品】

『ノスフェラトゥ』(1978)

ヴェルナー・ヘルツォーク監督、クラウス・キンスキー、ブルーノ・ガンツ、イザベル・アジャーニ出演でリメイク。キンスキーもかなり不気味ですが、やはりマックス・シュレックのそれには敵いません。

『シャドウ・オブ・バンパイア』(2000)

実はマックス・シュレックは本物の吸血鬼だった!!という、意外なアプローチで映画の舞台裏を描いた本作。奇抜なアイデアですが、さもありなん、とも言えます。

後に『レンフィールド』という爆笑吸血鬼映画で吸血鬼を演じるニコラス・ケイジが製作。ムルナウ監督にジョン・マルコヴィッチ、シュレックにウィレム・デフォー、ほかにウド・キアと、曲者ぞろいの出演者も見ものです。

 

【朗報】

このノスフェラトゥ、2024年クリスマスに、更なるリメイク版が公開となります!その予告版がこちら!

『ウィッチ』のロバート・エガース監督により、『IT/イット。それが見えたら、終わり』でペニー・ワイズを演じたビル・スカルスガルドがオルロック伯爵を演じるほか、吸血鬼コメディ『レンフィールド』で主人公を演じたニコラス・ホルト、『オーメン・ザ・ファースト』のラルフ・アイネソン、そして『シャドウ・オブ・バンパイア』でマックス・シュレックを演じたウィリアム・デフォーが出演と、ホラー映画、吸血鬼映画のスタッフ、キャストで製作されます!これは期待大!!
 

2 迫りくる恐怖の存在

 『恐怖の足跡(1962)』~つきまとう不気味な影~

    ※ 画像をクリックすると、アマゾンプライムの配信先へリンクします

 

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★★

びっくり度 ★★★

グロゴア度 -

カルトだ度 ★★★★★

【あらすじ】

オルガン奏者のメリーは自動車事故に合い、一命をとりとめる。心機一転、別の町へ転居し、教会のオルガン奏者の職も得た彼女だったが、とある廃遊園地で、自分の方を見つめる、生気のない黒服の男の存在が気になってからというもの、その男が幾度となく自分の周囲に現れ始める。はじめは何気に気になっていただけだったが、男は着実に自分に、何らかの意図をもって近づいてきていることに気づき、恐怖を感じるようになる。恋人や理解者もできた彼女だったが、その男のせいで精神が錯乱し、人々がどんどん去ってゆく。やがて、彼女の周りには、黒服の男だけでなく、何人もの生気のない老若男女たちが彼女を追ってやって来る・・。

【かいせつ】

ハーク・ハーヴェィ監督、製作、出演とマルチに携わった、低予算ながら、この後のホラー映画に大きな影響を及ぼした、カルト的人気の誇る名作。
とにかくメリーをつけ狙う、白い顔に黒い服の男のビジュアルが怖い!何もせず、ニタァっと彼女を見つめてるだけの男。でも、見るたびにだんだんと彼女との距離を詰めてきている。襲い掛かってくるわけでもない、ただただニヤついているだけの存在。これが怖い。そして、男が距離を詰めてくるだけでなく、どんどん、そいつらが増えてきて、やがて追いかけてくる。
ジョージ・A・ロメロ監督がモダンゾンビの始祖『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』に出てくるゾンビのビジュアルは本作を参考したものです。モノクロの画面に、白い顔と黒い服のコントラストを際立たせているだけなんだけど、これが非常に効果的。男を演じているのは、ハーヴェィ監督本人。女性につきまとってニヤニヤして喜んでいる姿想像しちゃうとなんだかおかしい(笑)
ゾンビではないので、男の存在はメリーにしか見えていないので、彼女の言動に理解をしめしてくれる人はでてこず、だんだんと孤立してゆく恐怖もあります。とにかく、この男が一体何者なのか?なぜ、メリーにつきまとうのか?そういった謎が一切解明されない怖さもあります。
そして、今では定番ともいえるようなラストですが、それでもなかなかに衝撃的。幽霊などの表現方法として、おそらくJホラーの作り手たちにも影響をおよぼしている、そんな作品です。なので、Jホラー好きの人には、より、楽しんでいただけると思います。

 

  ③『地下室の魔物(1973)』~廃炉を開けるな!~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★★★

グロゴア度 -

カルトだ度 ★★★★★

【あらすじ】

サリーは亡くなった祖母の家を相続するため、夫のアレックスと移り住む。その家の地下室には暖炉があったが、炉はしっかりと塞がれている。この家に古くから仕えていたハリスに、炉を開けるよう要求するが、頑なに拒否され、「絶対に開けてはならない」と警告される。腹を立てたサリーは自分でなんとか開けてしまう。その日から、サリーの周りで不可思議なことが起き始め、それが、何者かの仕業であると思うようになる。夫に相談するも信じてもらえない。その何物か?はだんだんとサリーに牙をむき始める。そしてとうとう犠牲者まで・・。夫の居ない夜。ついに何物か達はある目的を果たすため、サリーに襲い掛かる。

【かいせつ】

1973年制作のテレビムービーで、当時のアメリカの子供を震え上がらせたことで有名。実は本作、日本でも、今のテレビ東京「2時のロードショー」と同じ枠で放送されていた洋画劇場で幾度となくオンエアされ、私を含む、当時の子供達に激しいトラウマを植え付けた作品なのです。テレビ公開タイトルは『地下室にうごめく魔物』。こちらのタイトルの方がこの作品の本質をついているようで好きなんだけどっ!

とにかく、この魔物たちのビジュアルが怖い。体は20センチくらいの小人。毛むくじゃらの体に、クコの実のようなしわくちゃな頭。そこに死人を思わせる真っ黒い瞳と、しわか口か区別つかないようなおちょぼ口。「サリ~っ、さりぃぃぃぃぃ(魔法使いっ、サリィィって、それは違う!)」と三匹の魔物がつぶやきながら、サリーに罠をしかけ、彼女の精神を錯乱させていくのです。こびとのアクターの方々が演じているのですが、不気味さを見事に演じているだけでなく、演者に合わせて、スケールを大きくして文具などのセットを巧みに作っており、「ちいさいオジサン」のごとく、家の中を縦横無尽に動き回る様が実にリアル。
そして何故、この魔物どもがサリーを襲うのか、終盤になって明らかになるのですが、衝撃的なラストも含め、子供の頃、本作に打ちのめされました。

【関連作品】

本作を今見るのは、かなり難しいです。配信がなく、残念ながらTSUTAYA DISCUSにも置いておりません。そこで、本作がどんな作品かお知りになりたい方は、やはり子供の頃、本作をテレビで見てトラウマを植え付けられてしまった、ギレルモ・デル・トロ監督によるリメイク作品をご覧ください。

『ダークフェアリー』(2011)

ケイティ・ホームズ、ガイ・ピアース主演。魔物たちはCGで細いマッチ棒のお化けのような感じで描かれ、トラウマ部分が半減しているものの、魔物たち出現の理由が語られていたり、デル・トロ作品らしい、子供を主人公にしたファンタジーホラーとして仕上がっています。

 

 ④ 『THE 4TH KIND フォース・カインド(2009)』~第四種接近遭遇~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 -

カルトだ度 ★★★★

【ものがたり】

アラスカ州ノームでは1960年代から行方不明事件が多発。FBIも絶えず捜査に入っているものの事件は解決をみないでいる。この地で心療科の医師を勤めるアビゲイルは、複数の不眠症患者にある共通点があることに気づく。皆、同時間帯に謎のフクロウの夢を見るというのだ。その患者のうちの一人がフクロウの正体が分かったと発狂し、家族を銃殺し自分も死ぬ。彼の診察中や自殺を図ったときに録画されていた映像には、人間の物とは思えない、謎の声が録音されていた。
その声を探ってゆくうち、何者かによって殺害された自分の夫も、ノームで起こっている謎を追っていたことを知ったアビゲイル。そして患者たちはみな、宇宙人に攫われた経験(第四次接近遭遇)を持つものだったことを突き止める。しかし、彼女の患者が次々、発狂し謎の死や負傷したため、警察は彼女が患者を被験者にして何か行っていると思いマークする。そんな折、突如博士の自宅の上に未確認飛行物体が現れたかと思うと、博士の娘が行方不明になる。娘を探し出すため、もしやと思った博士は自身が催眠療法にかかる。自身のフォースカインド経験があるのか確かめるため・・。
果たして娘を救い出すことはできるのか・・。

MOTION PICTURE COPYRIGHT (C)2009 GOLD CIRCLE FILMS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【かいせつ】

2000年10月、アラスカ州ノームで実際に起こった事件についてある可能性をもとに追っていた心理学者のアビゲイル博士に、事件の真相を探るべく、映画監督のオラントゥンデ・オスサンミが取材。アビゲイルの証言をもとに、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演により再現。

実話を映画化!!!

と、言いたいところですが、実話だけに、実は・・・
非常によくできたモキュメンタリー作品なのです(;^_^A
実際の地名や、巧みな演出、「これは実話である・・・」といった宣伝が功を奏して、一時「本物の事件を描いた作品」と信じ込んだ人も続出。ですが、ちょっとやりすぎ、宣伝に捏造した事件などをもちこんでしまったため、宣伝したマスコミなどにも非難が続出。映画会社が非を認め、マスコミに賠償したなんていうオマケつき(笑)
しかし、それほど問題になるほどに、この作品はリアルですし、怖い作品です。宇宙人が関わっているのでは?とされる都市伝説的な事件をモキュメンタリーとして描く作品は比較的数は多いのですが、本作は頭一つ抜きんでるリアルさと怖さがあります。

アビゲイルを演じるミラ・ジョヴォヴィッチのまさに宇宙人級の美しさもさることながら、実際のアビゲイルの証言映像、とされるものに映るアビゲイルは目がくぼみ、頬がコケて心ここにあらずな表情をしているのですが、それからしてめっちゃ怖いのです・・・。
静かに町が宇宙人により侵食されてゆく様、娘は本当に宇宙人に連れ去られたのか、それとも博士の妄想なのか・・・物語が進むにつれ、怖さ度が増してくる映画です。

MOTION PICTURE COPYRIGHT (C)2009 GOLD CIRCLE FILMS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

3 殺人鬼の恐怖

 ⑤『悪魔のいけにえ(1974)』~説明無用の伝説級映画~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 ★★★★

カルトだ度 ★★★★

【ものがたり】

サリーを含む男女5人組は、テキサスにある彼女の実家跡へ向かう。道中、不気味なヒッチハイカーを拾う。なぜかヒッチハイカーは発狂したかと思うと、いきなりナイフで切り付けてくる。ヒッチハイカーを車から引きずり下ろし目的地へ到着。男女はそれぞれカップルに別れて思い思い楽しんでいる。と、一組のカップルが、とある民家へ。ガソリンを分けてもらえるか交渉に向かったところ、突然現れた、不気味なマスクをかぶった大男が、いきなり男性の頭を巨大なハンマーで殴りつぶし、女性を抱えあげ、屠殺した動物の肉をつるすための巨大な鉤に背中から突き刺さられる。一向に戻ってこない仲間を心配しているサリーの前にも、突如あの大男がチェーンソーをもって現れて、ほかの仲間も殺されてしまう。

絶叫をあげ逃げ惑うサリー。そこへ一軒のガソリンスタンドが。そこに居住していた初老の男性に助けを求めるが、いまいち要領の得ない態度の男性。まさか、ここから更にサリーを恐怖のどん底に陥れるような出来事が起こるとは!!

【かいせつ】

もはや、説明のいらないホラー映画の金字塔。荒廃したテキサスの田舎町。ひりひりとひりつくぐらいに乾ききった土地や空気の感覚を、極めて乾いて粗い映像が、観る者を冒頭から不安の渦に引きずり込んできます。ただのテキサスの風景だけでも張りつめた緊張感を感じるのに、ヒッチハイカーがだんだんとおかしい言動を見せるところで、嫌な感じが増幅され・・・
そして登場の

レザーフェイス!!

(C)MCMLXXIV BY VORTEX, INC.

人間の顔の皮からはぎ取って作ったマスクをかぶり、精肉処理用のビニルのエプロンをして、うめき声をあげながら巨体を動かし、ハンマーやチェーンソーをもって襲ってくる姿。あまりの強烈なスタイルに、『13日の金曜日』シリーズのジェイソン・ボーヒーズや『ハロウィン』シリーズのマイケル・マイヤーズと並ぶ、狂暴な連続殺人鬼のイコンとして、ホラー映画ファンの心に強い印象を与えています。こんな恐ろしい奴に執念深く追いかけられてきたら、それだけでもうトラウマものなのですが、このレザーフェイスには家族がいて、そいつら全員ヤバい、レザーフェイス以上の狂人たちというのは輪をかけて怖い。

(C)MCMLXXIV BY VORTEX, INC.


そして、そんなレザーフェイス一家に執拗に追いかけられるのを、絶叫をあげながら逃げまくるサリー役のマリリン・バーンズの、本当におかしくなってしまったのではないか?と思えるほどの超絶熱演と、彼女の目や口のドアップが、恐怖のあまりギラついている様をこれまた執拗にフィルムに収める監督のキツい演出力が怖さを増幅。
さらに、この映画、これだけ血なまぐさい映画のはずなのに、流血度合いは少な目、というか、ほぼありません。なのに、映像は観るだけで痛々しく、頭を潰される者、巨大な鈎針に体を貫かれる者、チェーンソーで体を刻み込まれる者の痛みがダイレクトに伝わってくるのです。下手に切り株シーンを見せるよりも、観客のイメージを喚起させて痛みを伝わらせる方法は、並大抵の演出力ではできないと思います。
監督のトビー・フーパーはこの作品1作で、マスター・オブ・ホラーと呼ばれ、後々ホラー映画ばかり撮る(撮らされる)監督となりますが、残念ながら本作を超える作品は作ることができませんでした。まさにこの作品は神がかりホラーと呼んで差し支えないと思います。

ちなみに、本作。同じくマスター・オブ・ホラーの称号を与えられているジョージ・A・ロメロ監督のモダンゾンビ映画の始祖『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』とともに、ニューヨーク近代美術館(MoMA)にマスターフィルムが永久保存されています

【関連作品】

この『悪魔のいけにえ(原題 The Texas Chain Saw Massacre)キャラ高のレザーフェイスの存在感もあり、トビー・フーパー自身が監督した『悪魔のいけにえ2』をはじめ、今現在に至るまで、何本もの続編、リブートが作られています。目新しい所ではNetflixで『悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ』が独占公開されました。何十年ぶりかに、あの追いかけまわされたマリリン・バーンズ演じるサリーが登場。レザーフェイスに復讐する老女をカッコよく演じています。景気よく人を殺しまくるのも今的です。
一度DVDが発売されてから、なかなか再販されず一時はプレミアがつくほどに円盤化待望論がありましたが、今はまだ時折劇場にもかかる作品であり、普通にサブスクでも見られるようになって、実にいい時代になったものです・・。

(「説明無用の」と言っときながら長々説明してしまった・・(;^_^A)

 ⑥『サスペリアPART2(1975)』~衝撃のトリック!~ 

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★★★★★

グロゴア度 ★★★★★

カルトだ度 ★★★

【ものがたり】

欧州超心理学学会の会場にて、女性霊能者の講演会が行われていたが、突然彼女が「この会場の中に人殺しがいる!」と怯えだす。霊能力で何かを感じ取った彼女。しかし、彼女は、帰宅後何者かによって襲撃される。偶然、彼女の家の近くを通りがかった作曲家のマークが、その現場を目撃してしまう。マークは彼女を助けようと部屋に入るが時すでに遅し。彼女は絶命していた。その際、コートを着た男の後ろ姿を目撃。
殺害現場を警察と検証中に、記者のジャンナに写真を撮られ新聞に掲載されてしまったことで、彼は命を狙われる。ジャンナと共に犯人捜しを始めるマーク。しかし、糸口を見つけたかと思うとその関係者は次々と惨忍な方法で殺されてゆく。親友のカルロからも事件にかかわるなと忠告を受けるが、聞かないマーク。やがてジャンナも襲われ、確信を掴んだマークにも殺人鬼の魔の手が迫る・・・

【かいせつ】

やはり「マスター・オブ・ホラー」の異名をもつイタリアホラーの牽引者、ダリオ・アルジェント監督による人気作。『サスペリア(1977)』の世界的大ヒットにより作られた続編!!かと思いきや、『サスペリアPART2』というタイトルをつけられたのは日本だけ。本当は『サスペリア』とは全く関係ない映画で、なんなら『サスペリアPART2』の方が『サスペリア』よりも先にイタリアでは公開されているという、まったくなんのつながりのない映画なのです。
原題は「PROFONDO ROSSO(赤い深淵)」。『サスペリア』魔女の恐怖を描いたオカルトホラー作品なのに対し、本作はイタリアホラーサスペンスの映画ジャンルである「ジャッロ」映画です。

「ジャ0~70年代初めにかけて流行ったジャンルで日本でも何本か紹介されています。「サスペリア」以前に日本で紹介されたアルジェント映画もほぼ、この「ジャッロ」映画です。

本作ではその「ジャッロ」加減に磨きがかかり、熱湯に顔を押し付けられたり、トラックにひきつぶされたり、エレベーターに引っかかったネックレスで首チョンパされたり、といった殺害シーンをねちっこくこれでもか、と表現し、そのどれもがスタイリッシュでかっこよいのです。
そして本作、「ジャッロ」映画ながら、次作『サスペリア』へ引き継がれるオカルトホラー的な要素も盛り込まれています。「降霊術」がそれですし、作中、突然襲ってくる人形などにも、そんな要素が含まれています。(この人形シーンはかなり怖いです)
そして、この作品の驚愕すべきところは、そのトリック!映画の作品としてのトリックも、まぁ、そうなのですが、私たち観客が、ものの見事に騙される、そのトリックには驚かされます。人間の、目の錯覚というものに挑戦する監督のセンスとそのトリックにまんまとひっかかってしまう自分自身に驚き、恐怖を感じてしまうのです。

また、アルジェント映画でおなじみとなる、イタリア プログレシップロックバンド「ゴブリン」が始めた参加したのも本作で、このサントラもファンの間で鉄板の人気曲です。

ちなみに、本作でヒロインを演じたダリア・ニコロディはこの後、公私ともにアルジェントのよきパートナーとなります。アルジェントが『サスペリア』を撮ったのは、彼女がオカルトに凝っていて、そういう映画を作るのを勧めたという話もあります。女優で、やはりアルジェントの映画でおなじみのアーシア・アルジェントは、アルジェントとニコロディの間にできた娘です。

 

4 怖いゾンビ映画

 ⑦『悪魔の墓場(1974)』~日本初登場の人肉を食らうゾンビ~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 ★★★★★

カルトだ度 ★★★

【ものがたり】

骨董商のジョージは、商談のためバイクで移動中、エドナの運転する車と接触事故。バイクが動かなくなったため、エドナの車に乗せるよう要求する。エドナはそれを飲むが、その前に様子のおかしい姉の見舞いを先に済ませたいと言ってきたため、姉の住む田舎町へ彼女と同行する。田舎町にたどり着いた二人だったがそこで、全身ずぶ濡れの不気味な男に襲われる。何とか逃げおおせた二人。一方、エドナの姉はノイローゼと薬物中毒で、外出できないよう夫に監禁されていた。が、と、その家にジョージ達を襲った男が乱入。妻は逃げ、趣味の写真撮影をしていた夫に助けを求めるが、夫は殺されてしまう。合流したジョージ達は姉からその話を聞かされ驚くが、警察は姉が殺したと決めつける。ジョージ達は、自分達を襲い、姉の夫を殺した男の特徴を言うと、なんと、数日前に溺れて死んだ男だと判明。ジョージ達おもが、警察の監視対象になってしまう。
ジョージ達は墓場に向かい、その死んだ男の亡骸を確かめに行く。後をおう警官。墓場には何体か安置された死体があったが、男の死体は無くなっていた。と、そこへ突然現れたあの男。その場に安置されていた死体も蘇り二人を襲う。なんとか逃げたものの、二人を追跡した警官は襲われ食い殺される。警察は、警官を残虐に殺したとしてジョージを追う。一方、薬物中毒で入院させられた姉のところでも、病院内の死体が蘇り、人々を襲い始めていた。

【かいせつ】

不肖、椿、小学校2年生の時に本作をテレビで見たとき、あまりの怖さに眠れなかった作品。この映画、日本では『悪魔のはらわた』『悪魔のいけにえ』と並んで「悪魔シリーズ三部作」として日本ヘラルド映画が勝手に結び付けて配給した作品。当然、実際は全く関係のない映画なのですが、当時のキャッチコピー「引っぱりだした臓物を(悪魔のはらわた)、切り刻んだ人肉を(悪魔のいけにえ)、今度は喰う!」はなかなか秀逸。
当時、日本では「ゾンビ」といえば、ブードゥ教で蘇らされた死体、という認知でしかありませんでした。蘇った死体が人肉を喰う、という今なら当たり前の定義は68年のジョージ・A・ロメロ監督による『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』で初めて作られたもので、以来、ゾンビ=人を喰うが映画界では定説となり、本作もその影響下に作られた作品です。日本では『ナイト~』が未公開でしたので、人を喰うゾンビを初めて日本に紹介したのがこの映画となります。
ゾンビが登場する際の、心臓の鼓動のようなBGM、人を襲う、喰らう、といっても、表情はうつろなまま、定まらまい視点、黄色く濁った瞳と、ゾンビの表現があまりに怖い・・。走って元気よく襲い掛かって来るゾンビより、生気ない死体がよろよろと近づいてくることの方が、どれほど怖いかが、より理解していただける映画です。また、死体が蘇る理由に、超音波で害虫を殺す超音波殺虫機が放つ音波によるもの、という、もっとも(らしい)リアルな設定を設けたことも「本当に起こるのでは?」という恐怖を、当時の観客に抱かせました。写真には襲ってきた死体が映っていない、とか、生き返った男が別の死体の瞼に手をかざすとその死体も生き返る、など、ちょっと今では笑える設定が無きにしもあらずですが、この作品が最大に怖いのは、イタリア特殊メイクアップ界の王様、ジャネット・デ・ロッシによる特殊メーキャップです。引きづりだされる臓物、抉り抜いた目玉や脳髄をムシャムシャと頬張るゾンビ・・。その描写がリアルかつ凄まじく、出てくるゾンビは10体にも満たないというのに、お腹一杯になります。

 ⑧『サンゲリア(1979)』~お腐乱ゾンビの真骨頂~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★★

びっくり度 ★★★★★

グロゴア度 ★★★★★

カルトだ度 ★★★

【ものがたり】

ニューヨーク湾内に正体不明のクルーザーが漂っている。湾岸警備の警官が踏み込んだところ、突然現れた腐乱した巨大な男に喉を食いちぎられ一人が殺され、もう一人が放った拳銃によって男は海へ。殺された警官は司法解剖へ。その時、警官の手指が動き出したことを誰も知らない・・・

新聞記者ピーターはその事件を調べていると、このクルーザーの持ち主の娘アンと出会う。彼女の父は謎の伝染病の研究のためカリブ海の小島 マツール島へ赴いていた。二人はマツール島へ向かうが、島までは誰もが嫌がって船をだしてくれない。と、たまたま知り合ったブライアンとスーザンというカップルがクルーザーに乗せて連れて行ってくれることになり4人で島へ。途中船が故障するも無事辿りつく。ある一軒の病院に着くと、メナードという医師がとある伝染病と闘っていた。島の人間のほとんどが、謎の奇病にかかり、一緒に研究していたアンの父親も病気により死亡していた。とりあえず、メナードは自分の自宅に行けば妻がもてなしてくれるといって、車を貸し、家へ行くよう促す。ところが家で一行を待っていたのは、不気味な人間達に食い殺されていたメナードの妻だった。逃げだす一行の前に次々現れる腐乱した人間達。車を木に激突させてしまい、負傷したピーター。休みながら逃げた先で、墓場から蘇り這い出してきた者にスーザンが食い殺される。なんとか必死に病院までたどり着くも、病院はすでに蘇った死者たちに取り囲まれていた・・・。

【かいせつ】

イタリアの職人監督、ルチオ・フルチによるゾンビ映画の名作。ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)』の世界的大ヒットにより、雨後の筍のように生まれたゾンビ映画の1本ですが、ロメロが築いたゾンビルール三箇条である「人肉を食べる」「頭を破壊すると死ぬ」「噛まれると死にゾンビになってしまう」を忠実になぞりながらも、ゾンビが蘇る原因を、古典ゾンビのそれである、「ブードゥ教の呪術」により蘇った設定にしており、常に島に響き渡る呪術師たちのドラムの響きが、得体のしれない恐怖を倍加させています。先に紹介した『悪魔の墓場』同様、、いや、それ以上にゾンビ達の形相は腐臭が漂ってくるほどに腐敗し、表情も全く読み取れないほど呆然とした感じで、たまらなく怖いです。特殊メイクを担当したのは、ここでもイタリアの名手ジャネット・デ・ロッシ。『悪魔の墓場』以上の衝撃のメイクを量産し、一気に彼の名を世界中に広めます。眼球を貫く木片、腐れ崩れ落ちる肉片、ウジ虫が湧く肉塊など、強烈すぎるビジュアルは最早超えることのできない高み。

フルチ独特の編集技法やカメラワークが観る者に不安定な感覚を呼び起こし、それも怖さを高めます。そしてファビオ・フリッツィによる不気味なサントラは、この作品の得体のしれない恐怖を強烈に盛り上げてくれます。この音楽が有るか無いかで怖さの度合いも大分変って来るのではないか、音楽単体で聞いてもとても怖いものです。

ルチオ・フルチもこの映画の大ヒットでマスター・オブ・ホラーの称号を与えられますが、この後『地獄の門』『ビヨンド』『墓地裏の家』という、デ・ロッシと手を組んだ、不条理残虐ホラーの大傑作を連発しホラーの大家の地位を盤石なものとします。(ところが、その後、持病の悪化などにより精彩を欠き、ホラーを連発するものの顧みられることのない作品ばかりとなってしまいます)ちなみに、フルチは自身の映画にカメオ出演するのが好きで、本作ではピーターの勤める新聞社の編集長役で顔を出します。

『サンゲリア』というタイトルは日本独自のもので、本国イタリアではロメロのゾンビにあやかって『ZONBI2』これがイタリア以外では『ZOMBIE』のタイトルで公開されているという、名作なのにちょっと不当な扱いをされています。(日本の某飲料メーカーと混同しないようご注意のほどっ)

 

5 恐ろしい世界観―ラブクラフト的なもの―

私、こういうラブクラフト的な世界観の映画って大好きで、とても怖く感じてしまうのです。ラブクラフトとは、アメリカの怪奇小説家ハワード・フィリップ・ラブクラフト。彼の小説は人間界とは別の異世界のものを描いており、その異世界のものが現実の人間社会を侵食してゆく様をじわりじわりと書かれてゆく作品を多く執筆。後継の作家や映画作家、更にはゲーム作家等あらゆるジャンルに影響を与えた作家です。彼が作り上げた世界観はのちのちの作家たちを刺激して、その世界観に沿った作品が多く作られるようになります。それは『クトゥルフ(クトゥルー)神話』として今なお世界のファンい愛され、研究され続けています。これから紹介する3本は、まさにラブクラフトの世界観に影響された作品です。

 ⑨『メシア・オブ・ザ・デッド(1973)』~赤い月が出るとき~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★★

びっくり度 ★★★

グロゴア度 ★

カルトだ度 ★★★★★

【あらすじ】

港町ポイントデューンに、姿をくらました画家の父親を捜しにやってきたアルレッティ。意味不明な謎の手紙を残した父を探していると、酔っ払いから話を聞いている謎の男トムと出会う。彼も父を探していたようだったので何か知らないか聞くものの分からないとのこと。酔っぱらいはトムに、この港町に残る伝説について話をしていた。100年前に突如現れた「黒い男」の出現により島民たちが感化されおかしくなって町が存亡の危機に瀕したと・・。月が赤くなった時、人々は謎の怪物と化す。あれから100年、また同じことが起きようとしている・・。さらに、酔っ払いはアルレッティに「お前の父親もやつらの仲間になってしまった・・」と警告する。が、酔っ払いは何者かによって殺されてしまう。トムとアルレッティは意気投合し、父親捜しと、この港町に伝わる不気味な伝説を調べ始める。しかし、彼らの周りには「何者か」と化してしまった町民たちが取り囲みトムの連れの女性2人を殺してしまう。しすて、アルレッティの体にも徐々に変異が・・。体温が急激に下がり、痛みも感じなくなる、口から虫を吐き出す・・。自身の体の変化に驚愕する彼女のもとに、変貌してしまった父親が現れ、彼女にすぐこの町から去るよう忠告するが、突如狂ったように彼女を襲う・・。
逃げる決心をしたアルレッティとトムだが、時すでに遅し、町は変貌した人間達が溢れ、二人を追い詰める・・・。

【かいせつ】
本作は椿がお勧めの1本としてことあるごとに紹介して回っている映画です。

DVDのジャケットを見て分かる通り、本作はゾンビ映画として紹介されておりますが、確かに何者かの力によって変貌させられてしまった人間達は『ナイト・オブ・サ・リビングデッド』に出てくるゾンビのごとく、青白い顔をして、襲った人間を食べるし、人間じゃない生肉をあさったりもします。しかし、ここでの彼らは死体が蘇ったものではなく、なにか恐ろしい力によって化け物にされてしまった人々でこの変貌も、徐々に変わってしまうものもいれば、今隣に普通に居た人が突然、あちら側の化け物となってしまうこともあり、その変貌ぶりにもゾッとさせられます。次第にまともな人がいなくなりいよいよ追い詰められる・・。

アート映画のような難解さもつきまとってきますし、残念ながら現存しているフィルムが劣悪なのか、唯一見られる手段であるDVDの画質も非常によくありません。しかし、この映画の恐怖表現は是非一度味わっていただきたいです。スーパーマーケットや映画館でゾンビ達に取り囲まれるシーンはちょっとしたトラウマです。
本作の監督、脚本はジョージ・ルーカスの懐刀と言われたグロリア・カッツ、ウィラード・ハイク夫妻。『アメリカン・グラフィティ』『インディジョーンズ 魔宮の伝説』に脚本として参加、クレジットされていませんが『スター・ウォーズ帝国の逆襲』にも参加しており、その後、カルト化された珍作『ハワード・ザ・ダック 暗黒魔王の陰謀』を監督しています。予算不足で未完状態の本作を無理くりつなげ合わせてできた作品ですが、かえって不思議な印象を観る者に与える奇跡的な1本だ、と椿は思っております。
映画の冒頭、いきなり殺されてしまう男性役に、後に『ストリート・オブ・ファイア』や『48時間』といったアクション映画の名監督となるウォルター・ヒルが演じています。

【朗報】

なんと、本作、本年8月30日よりキネカ大森などで開催される『ホラー秘宝祭り2024』にて劇場公開されることが決定されました!!もちろん日本劇場未公開だけに、こんな機会はこの先なかなか得られないかも!!
上映されるフィルもの状態が少しでも改善されていることを祈りますが、これは本当に快挙です!!
もし、ご興味持たれた方は劇場体験されてみてくださいっ
↓『ホラー秘宝祭り 公式サイト』

ホラー秘宝まつり 2024 (horror-hiho.com)


 ⑩『ゾンゲリア(1981)』~愛する〇もゾンビなのか⁉~

 

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 ★★★★★

カルトだ度 ★★★

【あらすじ】

寒村の港町ポッターズブラフ。写真家のルモインが浜辺で写真を撮影していると、金髪の美女が現れ、自分をモデルに写真を撮ってくれと頼む。美しい彼女に言われるがまま写真を撮っていたその時、大勢の人間に取り囲まれ、投網をかぶせられたかと思うと頭からガソリンをかぶせられてしまう。保安官のダンは黒焦げになった男の死体を発見するが、突如その死体が叫びだす。彼は生きていた。全身包帯を巻かれて入院したルモイン。なんとか意識を取り戻した彼の前に現れた看護婦。その看護婦は、あの浜辺の美女だった。注射器をもった彼女はその針を彼の目に・・・。
ポッターズブラフでは次々と町の人々による殺人が行われていくのだが、何故か、その現場には、以前の殺人事件で犠牲になった者もいた。ルモインもその一人となっていた・・。
ダンが不可解な事件を捜査中、人間を車でひいてしまう。そこにはもげてしまった腕がのこっていたのだが、それは4か月も前に死んでいる者の手だった・・。事件の調査に関わったりしたダンの周りの人間にも、町の人間の魔の手が迫る。残虐な方法で次々殺されてゆく・・。ダンはある確信のもと、葬儀屋を営むドップスのもとへ。そこで彼は驚愕の事実を知ることとなる。

【かいせつ】

『ゾンゲリア』という血も涙もないタイトル(『ゾンビ』と『サンゲリア』を合わせて作ったトンデモタイトル)のせいで、BC級映画扱いされてしまう本作ですが、寒々とした雰囲気の寒村を舞台にした、極めて怪奇な物語。ゾンビ映画とも言えますし、『フランケンシュタイン』のようなマッドサイエンティストものとも言えます。ですが、一つの町が、恐ろしい目的のもと怪物と化した人間達によって浸食されてしまう様は非常に怖いです。私は一体何者なのか?そんな問いかけをしてしまうかのような・・。
私がサブタイトルで付けた~愛する〇もゾンビなのか~は、当時のポスターのコピー。〇の中にはもちろん言葉が入りますが、ドネタバレコピーで、今では絶対あり得ないでしょうね(笑)
暗い雰囲気も怖い本作で、謎を追っていくごとに確信に迫ると、だんだんその恐ろしさが増してくるという脚本も見事。『エイリアン』の原案者でもあるダン・オバノンとロナルド・シャセットによる脚本は非常にミステリアスに物語を構築しており物語の謎を追っていく楽しみとそれが分かったときのゾッとする感情も楽しめる作品となっています。ただ、スタン・ウィンストンによる特殊メイクが怖く、グロ耐性の無い方はちょっと大変かも・・・(鈎針でぐすっ!注射針で眼球をぷすっ!ちろりーん!鼻から硫酸~っ!で顔どろっ!など・・・)

 ⑪『ザ・ヴォイド 変異世界(2016)』~異世界からの誘い~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 ★★★★★

カルトだ度 ★★★★

【あらすじ】

保安官のカーターはパトロール中、ケガを負った男を助け、妻アリソンの勤める病院へ連れてゆく。ところが、病院に入院させたはずの男を看護師がいきなり殺してしまう。カーターは看護師を射殺。殺された男は連続殺人犯であることが判明。応援を呼ぼうとパトカーに向かうと、外には白装束の不気味な集団が病院を取り囲み、病院を出ようとするカーターに襲い掛かる。急いで病院に入るカーターの前に、撃ち殺したはずの看護師が不気味な怪物の姿になりジェイムズという患者を襲う。と、そこへ、またそのジェイムズを渡せ!と猟銃を手にした親子が現れる。外には邪教集団、中には怪物と猟銃を持つ人間達。一触即発の事態に困惑するカーター。しかし、怪物をみた親子もただ事ではないことを悟り、怪物を射殺しようとするが、この騒ぎの巻き添えを喰らい、病院の院長が死んでしまう。何がどうなっているのか分からない・・。パニック状態の院内。さらに患者の女性が産気づき、院長である医師が不在の中、自身が分娩をしようと準備するが、その途中何者かに攫われてしまう・・。

院内には更なる怪物も現れ、逃げ出そうにも外は囲まれて出られない・・。いったい彼らの目的は何なのか・・。やがて邪教集団の驚愕の目的が判明する・・。

【かいせつ】

非常に圧倒的な描写で畳みかける、2000年以降のホラー映画の中ではかなりの秀作だと思う、椿の大好きな映画です。小さな病院内で次々起こる奇怪な出来事・・。謎の集団に取り囲まれ、院内では次々と犠牲者が増え、しかも、グチョグチョヌルヌルなクリーチャーに変異する・・。そして病院の地下室には、信じられないような異世界が広がっていた・・・。先にご紹介した2本は、ある町が異世界と化してしまう様を描いた作品でしたが、本作は何の変哲も無い小さな病院。この病院にどうして異世界が広まってしまったのか?外にいる連中は何者なのか?なぜ、猟銃を持った親子は、入院している患者の命を狙うのか?様々な謎が解明されていくうち、人知では計り知れない世界が広がってゆく・・・。
本作で凄いのは、クリーチャー描写等をCGに頼らず、プラティカルエフェクト、つまり、ちゃんとそこに実体している造形物で作られていることです。それこそ80年代の『遊星からの物体X』をはじめとした、立体的で実物感のある、極めて強い存在感のクリーチャーたちが登場します。世界観にクリーチャー。まさにラブクラフトの「クトゥルフ神話」が画面いっぱいに展開されるのです。
のっけから凄まじいクリーチャーが登場。緊迫感を増すドラマが展開されると、またもすごい数のクリーチャーが登場。そしてダメ押しには、引き込まれるほど神々しいクリーチャーが・・・。
これはもう、是非見ていただいて世界観に浸っていただきたいと思います。
後にホラーファンに非常に評価の高いホラーコメディ『サイコゴアマン』を撮るスティーヴン・コスタンスキ監督作品です。

6 ムシ、無視??虫~

 『スクワーム(1976)』~すげぇ数のゴカイ!そりゃ誤解ぃ~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 ★★★★

カルトだ度 ★★★★

【あらすじ】

田舎町フライクリークにものすごい大嵐が襲う。この嵐により、高圧線が切断され、地中に大量の電流が流れ込む・・・。
この町に住むジェリーは、都会に住む恋人のミックを迎えに行くために釣り餌用にゴカイを養殖している幼馴染のロジャーにトラックを借りる。ジェリーはミックをピックアップし骨董屋へ立ち寄ると、そこには誰の物かもわからない白骨死体が。警官を連れ再度確認した時には死体が消えていた。

一方、ジェリーに貸したトラックに積んであった10万匹ものゴカイは跡形も無く姿を消してしまったことで、ロジャーは雇い主にこっぴどく叱られる。
消えた死体やゴカイの行方が気になったミックは、トラックを調べたいため、ロジャーがジェリーに好意を持っていることを承知で、彼女にボート釣りを誘わせる。そこで、ミックは白骨死体を発見する。一方、ロジャーは欲情し、ジェリーに襲い掛かる。ジェリーが跳ね飛ばした拍子にロジャーは転倒し、顔を餌箱の中に。すると、餌のゴカイたちがロジャーの頬を喰い破り、顔面の中にずるずると入り込む。恐れをなしたロジャーは森へ姿をくらます。
ゴカイのせいで大変なことになっていることを悟ったミック。だが、地中にうごめいている何十万もの狂暴化したゴカイが、日が落ちるのを今か今かと待ち構えていた・・。

【かいせつ】

皆さんはゴカイ(実際はイソメ)っ、てご存知ですか?そう、釣り餌で使う、ミミズのような虫で、するどい牙のようなものを持ってはいますが、通常人を襲うことはありません。しかし、本作では、そのゴカイが高圧電流に巨大化、狂暴化し、人を喰い殺すというわかりやすい映画です。わかりやすいだけに、嫌悪感で勝負といったところでしょうが、あのミミズやゴカイが何十万と大量発生した状態で、その群れの中に人間が落ちてしまうような姿を想像してみてください(;^_^A
いかに気色悪いか・・。そして、そのゴカイが頬を喰い破って人体の中に入っていくのです・・。
これだけ虫を見せられたら、さすがに引きますよねぇ・・・
人がゴカイの津波に飲み込まれるようなシーンもあり、ゾゾッとさせられながらも、どうやって撮ったんだろう!と興味津々でもありました。頬を喰い破るシーンなどはハリウッドメーキャップアーティストの第一人者、リック・ベイカーのお仕事。

 ⑬『ザ・ベイ(2012)』~町を喰いつくすアレ~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 ★★★★★

カルトだ度 ★★★★

【あらすじ】

メリーランド州の小さな港町。2009年に壊滅したこの町の顛末が記録され、政府により隠蔽された映像データが流出。当時駆け出しのテレビレポーターとして現場にいた女性と、その映像を見ながら、当時の恐ろしい出来事を回想してゆく
独立記念日が近づく港町。ここは海の資源と、養鶏、その養鶏から出る汚水を浄化して、汽水域に流し、さらにそこから取水し生活用水として利用できることをうたい文句にした水の浄化システムを売りにしている。ところが、環境汚染を調査している海洋学者達が、その水から汚染物質が検出されている、と市長に忠告。が、彼はその忠告を無視。と、忠告した学者は海の中で死体となって発見される。死因はサメにでも食われたかのように、身体がボロボロになった状態で発見される。果たして、汽水域にそんなサメが居るのだろうか?

(c) 2012 ALLIANCE FILMS (UK) LIMITED

7月4日。祭りでにぎわっていた町は、体中に浮腫が湧き、そこから血が吹き出して、助けを求める女性の叫びににより一変して凍り付く。
その女性の叫びに呼応するかのように、あちこちで、似たような症状を示す人々であふれ、たちまち町はパニック状態に。パンク状態の病院では対応に追われ、新種の感染症と判断した医師はCDC(アメリカ疾病予防センター)と連絡をとる。未知の感染症に戸惑うCDCは町を完全封鎖。事実関係を突き詰めてゆく中で、市長がもみ消した、死亡した学者の公表したデータが発見されその原因は水の中に潜む寄生虫の仕業であると判明する。本来人に寄生しないはずの虫が、水質汚濁により狂暴に変化したものと断定。もはや手の打ちようがないと、CDCもさじを投げてしまう。そうこうする間にも、町は体の内から外から、肉を喰いやぶって這い出てくる虫によって、人々の死屍累々の山が築かれていったのだった・・・・

(c) 2012 ALLIANCE FILMS (UK) LIMITED

【かいせつ】

『レインマン』でアカデミー賞を受賞したバリー・レヴィンソン監督と『M3GAN ミーガン』等を製作したジェイソン・ブラムが手を組み、2000年代に流行した「ファウンドフッテージ」方式で撮ったモキュメンタリー作品。リアルさを追求しておきながら、ここまで流血、ゴア度マシマシで見せてしまうのは、卓越した監督の手腕でしょう。コロナ禍を経験した今の私たちから見るとパンデミックによって町が壊滅してゆく様を成すすべなくただただ状況を見守るしかなかったあの時の得体のしれない恐怖を思い起こさせます
椿がゾッとしたのは、もちろん、映画として良くできているから、、だけではなく、実際に起こりえないとも言えない事実があるからです。
この映画の舞台になるメリーランド州やノースカロライナ州においてある恐ろしい生物が発見されています。フィエステリアピシシーダという藻類がそれ。魚や海洋生物に寄生し、その血や肉を養分とする生物で、猛毒を持ち、その毒はエアロゾルとなって、人間すらも毒牙にかけることができる。すむ環境によってさまざまに形態変化を起こし、水のない乾燥した地中でも休眠状態で生き延びることができる、というものです。人間には寄生しないと言われていますが、実際に水につかって体に傷を負った者や、学者が研究室でこの生物を研究している際、空気中に吐き出された毒素により何人も倒れたという事実があります。そして、この生物。過去はこのような化け物では無かったにもかかわらず、水質汚染による富栄養化により、狂暴化したという説がもっぱらです。この映画のように、人間を喰いつくすような生物ではありませんが、今後の環境破壊が、何を生み出すのか・・。本当に分かったものではありません。
このような事実と、リアルな描写の映画から「バリー・レヴィンソンからの警告!」というコピーもあながち間違ってはいないなぁ、と感じる椿なのでありますっ。

7 怖い怪獣

 ⑭『リバイアサン(1989)』~深海にうごめく魔物~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★★★

グロゴア度 ★★★★

カルトだ度 ★★★★

【あらすじ】

海底4800メートルにある資源採掘基地のメンバーが、ソ連(ロシア)の沈没船「リヴァイアサン号」を発見する。その船から金庫を持ち帰り、中を開けると航海日誌や何かを録画したビデオテープが発見される。なんでも、船員は熱病に侵され、全員が死亡したとのこと。ビデオもそれに追随した内容であった。その金庫にしまわれてあったウォッカを基地のメンバーの一人がこっそり持ち帰り、仲間と飲んでしまう。数時間後、体調不良を訴えた二人は、強烈な苦しみと、自身の体が何者か気色の悪い化け物に変異しているることに気づき。一人は死亡、一人は自殺する。すると、その死体がグジョグジョと動き出し、姿をくらます。ところが何度となく現れては基地の人間を次から次へと毒牙にかける。そして襲われた人間は、その怪物の一部として吸収され怪物の体の一つとなって、生者に襲って来るのだった。「リヴァイアサン号」はソ連の研究船で、遺伝子操作の失敗により生まれてしまった怪物と実験データを葬るためソ連当局に沈められてしまった船だったのだ・・。

【かいせつ】

海洋版『エイリアン』と揶揄されることもしばしば、な海洋モンスタームービー。エイリアンと違うのは、不気味なモンスターをもったいぶらずにどーーーん!と見せてしまうところでしょうか。犠牲者を取り込み、どんどん巨大化していく化けもの。この化け物のデザインがなかなか秀逸で、深海魚を模した顔立ちに、犠牲になった人間の体がくっついた状態で動き回る姿は迫力があります。
『カサンドラ・クロス』『ランボー 怒りの脱出』のジョルジ・P・コスマトス監督作品。監督特有の小気味よいアクション描写もみもの。
本作、同じく海洋モンスターホラーとして人気の『ザ・グリード』ともに、海洋ホラー映画の人気作としてひと頃は、盛んにテレビで放送されていたのですが、今ではDVDの再販もなし、配信も無しで、中古DVDの市場に至っては数万円超えのプレミアがついて取引されていることも!

 ⑮『クローバーフィールドHAKAISHA(2008)』~一体何が!?~

【椿メーター】

ゾクッと度 ★★★★

びっくり度 ★★★★

グロゴア度 ★★★★

カルトだ度 ★★

【あらすじ】

(c)2008 Paramount Pictures. All rights reserved.

ニューヨークのあるマンションの一室。栄転で東京に赴任すこととなったロブのお別れパーティが開かれていた。その様子を友人のハッドがそれをビデオカメラに収めている。途中、ロブと仲たがいしてしまった彼の恋人のベスはほかの男子と仲良くなって出て行ってしまったり。
傷心のロブ。と、そんな楽しい時間を突如、ものすごい轟音と振動が彼らを襲う。またしてもテロ攻撃か!?屋上に出てみた彼らが観たものは、遠くから響き渡る轟音と立ち上る火の手。そして、何か分からないがちらりと見える巨大な何か・・。ロブ達はマンションから離れるが、そこへ突然飛んでくる自由の女神の頭。そして崩れる高層ビル群。そこから顔を出したのは、突如現れた、巨大な触手をもった怪物だった。数匹いるであろう怪物は、黒く小さな生き物をボトボトと地上に落としながら破壊の限りを尽くしている。陸・空から軍隊が投入され闘うもなすすべがない。地上からの一斉砲撃を眼前に見ながら懸命に逃げるロブたち。しかし、ロブのもとに、ベスから連絡が入る。「脚をケガしてしまい逃げることができない」というものだった。彼女のマンションは、まさに怪物が破壊の限りを尽くしている方だ。ロブは危険を顧みず、彼女を助けに向かう・・。

(c)2008 Paramount Pictures. All rights reserved.

【かいせつ】

制作のJ・J・エイブラムズが日本の怪獣映画、とりわけ『ゴジラ』へのオマージュたっぷりに作り上げた怪獣作品。映画の宣伝では「怪獣」というものは一切明かさず、「一体何が起こったのか?」と謎を喚起させるようなコピーを用いて、破壊されるNY、突然飛んでくる自由の女神像の頭、などをクローズアップさせ、9.11を彷彿とさせるようなテロによる攻撃を描いた作品なのか、と思わせておいて、いきなりの怪獣登場!その怪獣とて正体不明で、何かわからないまま襲われるわけですから、人々にとってはテロとさして変わらない恐怖の存在なわけです。これを、友人のハッドがビデオでずっと逃げまどう様子や、攻撃をする軍隊と怪獣の攻防を収めている、ファインダー越しからみる景色として、モキュメントチックに見せるので、かなりリアルに逃げ延びる様子が映しだされています。
そうか!怖い怪獣映画っていうのは、こうやって撮ればいいんだ!!と納得させられる演出方法に舌を巻きます。デカい怪獣もそうですが、その怪獣からボトボト零れ落ちる謎の小さい怪獣(小さいといっても人間大くらいはある)がこれまた怖く、襲われた人間にはホラーな結末が待っています。
エイブラムズが本作の着想を得たのは、来日時にキディランドに置いてあったゴジラ人形だったとのこと。オープニングの映画会社のロゴに怪獣の足跡らしき音をかぶせるのは『ゴジラ』へのオマージュだし、エンドロールの音楽は、伊福部昭のゴジラ音楽が大好きなマイケル・ジアッチーノが満を持して提供した曲で、『ゴジラ』へのオマージュが強く捧げられています。

本作の後、なんで、これが続編??と思うような『クローバーフィールド レーン』(らしさは最後に出てきます)、宇宙を舞台にした怪獣が登場するまでの物語『クローバーフィールド パラドックス』といった続編があります。

 

いかがだったでしょうか(;^_^A
椿のおすすめするゾッとするホラー映画洋画編15作でございました。
何度も申しますように、怖さ、怖いと思うポイントも人それぞれですので、参考程度にお読みいただけたらと思います。
あっ、でも、興味持ってもらえて、1作品でも見てもらえて、更に感想聞かせてもらえたら、もっと嬉しいですっ。

これから暑い日がつづきます。
お体ご自愛されて、楽しい映画ライフを過ごしましょう!

 

 

 

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3 件の返信 (新着順)
U子
2024/06/30 23:13

ゾンゲリアの看護婦さん美人ですよね😍


椿五十郎 バッジ画像
2024/07/02 19:46

そなんですよね!あんなパツキン美女がいきなりおっぱ✖丸出ししてたら、自分の周りに殺意もった連中が集まってきてるなんて気が付きませんよねぇ・・。自分もきっと燃やされて、目をぐさっと、やられちゃうなぁ・・

U子
2024/07/02 21:16

ウケる🤣
けど、綺麗に修復するなら、あんなにメチャクチャに顔面損壊しなくても…って思いましたw

かずし
2024/06/30 13:18

凄い濃いホラー記事ですね!確認したら9本観てました。サンゲリアとゾンゲリア大好きです🧟サンゲリアは眼に木片が👀ゾンゲリアは眼に注射器💉が👀自分も好きなホラー記事を後日投稿したいと思ってます。


椿五十郎 バッジ画像
2024/07/02 19:49

ありがとうございます!
サンゲリアとゾンゲリアお好きですか!!これは嬉しい!名作ですよねっ
9本ご覧になってらっしゃるのも嬉しいです!逆にまだご覧になられていない6本が何か気になるところですっ・・。
ぜひぜひ、かずしさんのお好きなホラー作品ご紹介くださいっ

かこ
2024/06/30 08:57

わー!!!出た、スクワーム🪱✨
かなり昔、はるか昔の地上波でOAされた記憶があります(私の勘違いかな?)、その時に観たと思いますが、鏡で自分の顔を見るたびに虫が這う様子を想像しては😱🤢←このようになる、を繰り返していました😂クローバーフィールドにゴジラ愛が詰まっているなんて初めて知りました!ゴジラ感じながら再鑑賞してみます😄


椿五十郎 バッジ画像
2024/07/02 19:54

わーっ!
かこさんから「スクワーム」のネタが出るなんて、なんだか信じられないですがめちゃくちゃ嬉しいです!そうですよね!「スクワーム」何度か地上波で放送されてました!自分もテレビで2回以上観て、そのあとビデオとかで見てました。今は流石に気持ち悪くて放送ないですかねぇ・・。でも、レンタルDVD店でもあまりおいている店を見たことが無かったので、多分、今見ようと思ったらDiscover usでレンタルですねっ(笑)
『クローバーフィールド』はリアタイで劇場で観たとき、いろんな意味でぶったまげましたが、エンディングの曲を聞いて「あれ?これゴジラぽくね??」と思って色々調べたら、やはりJJ・エイブラムズが『ゴジラ』を意識したと知りました。ゴジラの偉大さを改めて実感した作品でもありました(笑)