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私の好きな映画

らくっぺ
2023/12/26 16:08

S#1 すべては台本を読むことからはじまる

「さぁ、映画を作ろう!」となった時、まず何が必要でしょうか?

お金、機材、スタッフ、俳優さん、ノリと勢い、いろいろ思いつくとは思いますが、

本コラムでは映画の設計図と呼ばれる『台本』からスタートしてみます。

 

台本』『脚本』『シナリオ』いろんな呼び方がありますけど、どれも指すものは同じです。

脚本というのが正式な呼び方だと僕は教わりました。

 

ただ、日本映画の現場では『台本』もしくは『ホン』と呼ばれることが多いです。

「台本ができた」「ホンが良いね!」と言った使い方をします。

まぁ、ホンと呼ぶのは、ずっと上の世代(50代以上)という印象ですけれども。

 

台本は、脚本家またはシナリオライターと呼ばれる人たちが書くのですが、

なぜか『台本家』とは言わないんですよね~、業界の七不思議です。

最近では、監督が自分で書いたり、古くはプロデューサーがペンネームで書いたりすることもありました。

 

とりあえず見た方が早いので、

これはとある短編の台本になります。

 


  •  S#(シーンナンバー)
  •  柱書(はしらがき)
  •  ト書き(とがき)
  •  台詞(せりふ)

などが書かれています。

台詞は、どなたでも分かると思います。

シーンナンバーは物語の通し番号、はその出来事が起こる場所です。

さらに(朝)とか(夜)とか時間帯が書かれているのがお分かりでしょうか。

記述がなければ日中です。

ト書きというのは、『典子が携帯を見ている』といった部分になります。

(台本の解説を始めると日が暮れてしまうので、とりあえず飲み込んで下さい!)

 

さて、次はハリウッド映画「エイリアン」の台本(シナリオ)です。

 

 

 

言語は違えど、おおよそ書かれていることは同じなんですね。

シーンナンバーと、いつ、どこで、誰か何をして、どんな台詞を言うか、ということです。

 

S#163、(ノストモロ号の)橋で、リプリーが、スイッチを押す。みたいなことです。

 

台本と小説の決定的な違いというのは、修飾語が無いということだと思います。

台詞に、「優しく」とか「怒って」とか感情はほとんど書かれませんし、

なぜそう思ったかとか、どう感じているのか、は書かれません。

 

もちろん、脚本家の意図はありますし、それを読んだ演出家の演出意図や、

または俳優が芝居でどう表現するか、そういう個々の思いは読み手に委ねられます。

そして、それらを戦わせる場所が「現場」なのです!!

 

とにもかくにも、まずはスタッフもキャストも、台本を読みます。

全ての仕事はここからはじまるんです。

 

そして、日本映画のスタッフはみな真面目なので、

こういった台本から得られる情報をひとつの「表」にまとめるんです。

それを『香盤表(こうばんひょう)』と呼んでいます。

 

さあ、香盤表についてS#2で見ていきましょう!

 

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2 件の返信 (新着順)
Stella
2024/04/03 23:57

勉強になりました。有難うございます。

はじめ バッジ画像
2023/12/27 15:53

こういう記事、今までにないのでとても新鮮です✨
自分も俳優をやっていた過去がありますので
久々に台本を見ました(笑)S#2楽しみです!!