S#1 すべては台本を読むことからはじまる
「さぁ、映画を作ろう!」となった時、まず何が必要でしょうか?
お金、機材、スタッフ、俳優さん、ノリと勢い、いろいろ思いつくとは思いますが、
本コラムでは映画の設計図と呼ばれる『台本』からスタートしてみます。
『台本』『脚本』『シナリオ』いろんな呼び方がありますけど、どれも指すものは同じです。
脚本というのが正式な呼び方だと僕は教わりました。
ただ、日本映画の現場では『台本』もしくは『ホン』と呼ばれることが多いです。
「台本ができた」「ホンが良いね!」と言った使い方をします。
まぁ、ホンと呼ぶのは、ずっと上の世代(50代以上)という印象ですけれども。
台本は、脚本家またはシナリオライターと呼ばれる人たちが書くのですが、
なぜか『台本家』とは言わないんですよね~、業界の七不思議です。
最近では、監督が自分で書いたり、古くはプロデューサーがペンネームで書いたりすることもありました。
とりあえず見た方が早いので、
これはとある短編の台本になります。
- S#(シーンナンバー)
- 柱書(はしらがき)
- ト書き(とがき)
- 台詞(せりふ)
などが書かれています。
台詞は、どなたでも分かると思います。
シーンナンバーは物語の通し番号、柱はその出来事が起こる場所です。
さらに(朝)とか(夜)とか時間帯が書かれているのがお分かりでしょうか。
記述がなければ日中です。
ト書きというのは、『典子が携帯を見ている』といった部分になります。
(台本の解説を始めると日が暮れてしまうので、とりあえず飲み込んで下さい!)
さて、次はハリウッド映画「エイリアン」の台本(シナリオ)です。
言語は違えど、おおよそ書かれていることは同じなんですね。
シーンナンバーと、いつ、どこで、誰か何をして、どんな台詞を言うか、ということです。
S#163、(ノストモロ号の)橋で、リプリーが、スイッチを押す。みたいなことです。
台本と小説の決定的な違いというのは、修飾語が無いということだと思います。
台詞に、「優しく」とか「怒って」とか感情はほとんど書かれませんし、
なぜそう思ったかとか、どう感じているのか、は書かれません。
もちろん、脚本家の意図はありますし、それを読んだ演出家の演出意図や、
または俳優が芝居でどう表現するか、そういう個々の思いは読み手に委ねられます。
そして、それらを戦わせる場所が「現場」なのです!!
とにもかくにも、まずはスタッフもキャストも、台本を読みます。
全ての仕事はここからはじまるんです。
そして、日本映画のスタッフはみな真面目なので、
こういった台本から得られる情報をひとつの「表」にまとめるんです。
それを『香盤表(こうばんひょう)』と呼んでいます。
さあ、香盤表についてS#2で見ていきましょう!
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投稿を表示勉強になりました。有難うございます。
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投稿を表示こういう記事、今までにないのでとても新鮮です✨
自分も俳優をやっていた過去がありますので
久々に台本を見ました(笑)S#2楽しみです!!