DISCASレビュー

カッツ
2025/11/21 07:31

あんのこと

2024年公開、ダメダメ家庭に生まれ、虐待の末にドラッグに溺れた少女が、刑事や更生施設のスタッフ、そして正義感を持つ週刊誌記者との出会いを通して、少しずつ生きる希望を見出していくはずが。再生への道は、新型コロナウイルスの流行という現実によって容赦なく阻まれてしまう。

昨年、非常に評価が高かったことを知り、レンタルして鑑賞した。物語は重く、登場人物たちの抱える闇が次々と明かされていく。どうしようもなく崩れていく人間関係や環境は、まるで“グズグズの連鎖”のようで、観ていて胸が痛む。唯一の救いの存在だと思っていた佐藤二朗演じる刑事も、結局は理想とは違う人物であり、希望が打ち砕かれるような感覚を覚えた。

それでも、作品全体を通して浮かび上がるのは、「それでも人は生きようとする」という切実な願いだった。救いがあるようでない、ないようである——そんな曖昧な余韻が、今の社会の空気を映しているように感じた。

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