カッツ
2025/11/12 07:35
幸せはパリで
1969年公開、カトリーヌ・ドヌーヴとジャック・レモンが共演したロマンス・コメディ。冴えない平凡なサラリーマンが、美しい社長夫人と恋に落ち、衝動的にパリへ駆け落ちするという、夢のような物語である。
設定は現実離れしているが、当時の観客にとっては“ありえないからこそ憧れる”ロマンチックな逃避行だった。日常に疲れた人々が、映画の中でだけは自由と恋に身を委ねることができる――そんな時代の空気が、この作品には漂っている。
カトリーヌ・ドヌーヴの洗練された美しさと、ジャック・レモンの哀愁漂う演技が絶妙に絡み合い、軽やかでありながらもどこか切ない雰囲気を醸し出している。パリという舞台も、恋と自由の象徴として、物語に華を添えている。
また、テーマ音楽も当時はよく知られており、今ではあまり耳にすることはないが、当時の流行と映画の雰囲気を象徴する重要な要素だった。音楽と映像が一体となって、観る者を“夢のパリ”へと誘ってくれる。
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