「警察署長ジェッシイ・ストーン」シリーズ 根強いファンがいる理由
人気ハードボイルド作家、ロバート・B・パーカーの原作小説を映画化。
主演のトム・セレック(1945.01.29 ~ / 米・ミシガン州,デトロイト生まれ)の人間的魅力が浮き彫りにされていて、全体的にスローなテンポで展開する流れに観入ってしまう。
「警察署長ジェッシイ・ストーン 影に潜む」(2005年、87分)
*「ストーン・コールド 影に潜む」のタイトル作品と同じ。
監督はすべてロバート・ハーモンが務めている。
事件解決に挑む警察署長、ジェッシー・ストーンの活躍を描いた記念すべきシリーズの第1作。
マサチューセッツ州はボストン近郊の田舎町、パラダイス。
朝もやのかかった早朝の海岸線で、ルーサー・シンプソン巡査(コール・サダス)は男の射殺死体を発見する。平和なこの町で事件発生は珍しく、地元警察の署長ジェッシー・ストーン(トム・セレック)自らが捜査の指揮を執ることになる。
ジェッシーは都会で刑事をしていたが、妻と離婚して酒浸りとなり、失職してこの町にやってきていた。やがて同様の事件が続発、ジェッシーは町に滞在している若い夫婦に目をつける。
一方、管内では別の事件が発生。16歳の少女が3人組の同級生に暴行され、両親に付き添われて署にやってくる。ジェッシーは部下の婦人警官モリー(ヴィオラ・デイヴィス)に捜査を命じる...
あえて事件を複雑化させず、視聴者に非常に分かりやすい流れとなっている。
犯人も早くから実像を現すが、かといってサスペンス性が損なわれることはない。
ジェッシー・ストーンは武骨で正義感が強く、多くを語らない寡黙な男だが、友達と称する恋人との会話もウィットに富んでいる。
派手なアクション・シーンがあるわけではなく、全体的にスローなテンポだが、それが味わい深くてこの映画の雰囲気にうまくマッチしている。
「警察署長ジェッシイ・ストーン 暗夜を渉る」(2006年、89分)
シリーズ第2作。
ロス市警の殺人課刑事だったジェッシイ・ストーン(トム・セレック)は、妻と離婚して以来アルコール中毒となり、勤務中に飲酒したことで免職となった。そして今、マサチューセッツ州の小さな町パラダイス警察署長を務めている。彼は、接近禁止命令を無視して元妻のキャロル(リサ・レポ・マーテル)に会いに来た暴力夫のジョー(スティーブン・ボールドウィン)の股間を一撃するが、地元の女性弁護士アビー(ポリー・シャノン)が署を訪れ、ジェッシイに苦言を呈す。
そんなある日、前任署長のルー(マイク・スター)が車ごと崖から落ちて死亡する。ジェッシイは部下の警官モリー(ヴィオラ・デイヴィス)や、シンプソン巡査(コール・サダス)と共に調査を進めるうち、ルーが、銀行家であり町の行政委員長であるヘイスティ(ソウル・ルビネック)から賄賂を受け取っていたことを突き止める。さらに、ヘイスティは不正資金の洗浄役に、なんとジョーを利用していた...
トム・セレックの渋さ、モノトーンの映像、登場人物の内面を鋭くあぶり出す演出、等々、すべてが調和して見事なサスペンス・ドラマに仕上がっている。
「警察署長ジェッシイ・ストーン 湖水に消える」(2006年、87分)
シリーズ第3作。
前2作と異なり、本作は犯人を伏せたままストーリーが進行していく。
勿論、最後に明らかになるのだが、どんでん返しに近い一ひねりもあって面白い。
マサチューセッツ州郊外の町パラダイスの湖水で、少女の腐乱死体が発見される。
警察署長のジェッシイ・ストーン(トム・セレック)は、部下のルーサー・シンプソン巡査(コール・サダス)と共に捜査を開始。状況から死体は殺害後数週間が経過しており、犯行は素人の仕業であると予測。ジェッシイらは被害者の家族に会い、少女が学校を中退したまま家出していたこと、そして妊娠していた事実を突き止める。
そんな折、夫婦喧嘩による夫の暴力で、署に助けを求めにきた女性(デブラ・クリストファーソン)がいた。手一杯のジェッシイは、夫婦の話を聞くよう、部下のモリー巡査(ヴィオラ・デイヴィス)に指示する...。
トム・セレックのGパン姿、愛犬、ウイスキーをこよなく愛し、別れた妻との電話の会話、署の部下との会話など、すべてワンパターンなのが心地よい。
本作では、トム・セレックがラストに短時間ながら小気味良いアクションを披露、さすがと思わせる。
「警察署長ジェッシイ・ストーン 訣別の海」(2007年、89分)
シリーズ第4作。
ジェッシイの部下ルーサー(コール・サダス)は銃撃戦で負傷し、意識が戻らない。
女性警官モリー(ヴィオラ・デイヴィス)は産休中である。直面する事件もなく、ジェッシイ(トム・セレック)は着任前の未解決事件を調べることに。
1992年の銀行強盗の時、女性職員が人質となって殺された事件があった。その銀行とは、ヘイスティ(ソウル・ルビネック)がマネーロンダリングをしていた銀行であり、盗まれたのはボストンのギャング、ジノ・フィッシュ(ウィリアム・サドラー)の運営資金だった。
ジェッシイは職員殺害現場に手がかりを求め、遺体が埋められていた場所を掘った。すると、強盗犯が着ていたと思われる服が出てきて、その服には2つの穴があるのだが...。
‘ブラームス’を聴きながら、スコッチを手に、心身疲れた躰を横たえるジェッシイ・ストーン。
別れた妻を想っているのか...
意識の戻らぬ部下の警官ルーサー思いやっているのか...
隣で心配そうにジェッシイをのぞき込む、愛犬のなんといじらしい表情...
懐かしいキャシー・ベイカー、ショーン・ヤングといった名女優が出演している。
特にショーン・ヤングは「ブレード・ランナー」(82年)のレプリカント役が印象的だが、当時23歳だった彼女も、本作出演時は48歳。だが、美貌衰えることなく、堂々の水着姿も披露している。
「警察署長ジェッシイ・ストーン 4番目の真実」(2015年、88分)
シリーズ第9作。(DISCASさんの取扱いは全5作品です)
‘納得できない時は、前提を疑え’...この言葉を信条に、ジェッシイ・ストーンは真犯人に迫っていく。
ジェッシイ・ストーン(トム・セレック)は、州警察が抱える未解決事件を担当していた。
上司のシドニー(レスリー・ホープ)から渡された未解決事件の中から選んだのは、4人の娼婦を殺した ‘ボストン切り裂き魔事件’ だった。
この残忍な連続猟奇殺人の犯人として逮捕されているリチャード・スティール(ルーク・ペリー)に接見したジェッシイは、4人目の殺害を断固否定したリチャードの言葉を重視する。
その4人目の犠牲者とは、町の大物デイヴィース氏(アル・サピエンザ)の妻メイヴィスで、ジェッシイは彼女の友人アメリア(アメリア・ローズ・ブレア)に会う。
そしてアメリアから思いもよらない話を聞くことになる...。
トム・セレックが、やたらスコッチ・ウィスキーを飲みながら、自身の境遇と事件捜査に苦悩する孤独な男を上手く演じ切っている。
そして、彼に言わせれば、 ‘アイリッシュ・セッターのスティーヴ’ という名の犬が登場する。
愛嬌があり、まるで演技しているかのよう。
この犬も映画のエンディングではちゃんとクレジットされている。
「Ned The Dog」として。
以上5作品をご紹介しましたが、鑑賞順はともかく、まず1本観て下さい。
ジェッシイ・ストーンという警察署長の魅力にハマること請け合いです。
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投稿を表示私も未見です。
きっと私好みな気がするのですが、中々手を出せずにいます。
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投稿を表示実は見たことないのです、このシリーズ。
前々から気にはなっておりましたが。。。
見てみたいと思います!
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