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私の好きな映画

かこ
2025/04/02 00:56

一人の脚本家が死んだ

女性脚本家・カオルをめぐる一癖も二癖もある人々。通夜の晩、それぞれの感情が弾け飛ぶ!!
従来の葬式映画を覆す不謹慎エンターテインメント『カオルの葬式』
 

この度、公式様よりお声掛けいただき、オンライン試写会に参加させていただきました。

(c)PKFP PARTNERS LLC. 2023

【あらすじ】
カオルという名の女性が亡くなった。
彼女が残した遺言には、10年前に離婚した元夫・横谷がカオルの葬式の喪主になるようにと、記されていた。
横谷が東京からカオルの故郷・岡山に到着すると、そこに居たのはカオルが遺した9才の一人娘・薫。カオルの通夜、葬儀に集まる様々な人々。脚本家であった彼女のマネージャー、ドラマプロデューサーや先輩や親友や、葬儀を取り仕切る婦人会、地主一家など腹にイチモツありそうな故郷の人々。そして嵐の夜、事件が起きる!
『カオルの葬式』公式より引用

【目次】
1.カオルの人物像
2.クセ強めの人々
3. 喪主を経験して変化する元夫・横谷
4. 死ぬことは、生きること


1.カオルの人物像


脚本家・鷲巣カオル、交通事故で急逝。
作中でカオルは、棺の中、回想シーンで登場する。その葬儀の場で彼女の人物像が徐々に明らかになっていく状況が興味深い設定。
脚本家として、恋人として、母として、彼女の多面的な人物像が、参列者たちの会話や行動を通して浮かび上がってくる様子は、好奇心を掻き立てられる。

(c)PKFP PARTNERS LLC. 2023

2. クセ強めの人々


カオルの通夜と葬儀は、参列者たちの感情が露わになる劇場と化す。ドラマプロデューサー、カオルのマネージャー、自称親友、娘の薫が、日頃隠していた感情を爆発させる。中には負の感情もあるが、その人間臭さが笑いを誘う。
故人より参列者の感情が際立つ斬新な脚本だ。

(c)PKFP PARTNERS LLC. 2023

3. 喪主を経験して変化する元夫・横谷


元夫の横合は、カオルの遺言によって喪主という予期せぬ役割を担うことになる。
葬儀という非日常的な空間で、彼はカオルとの過去、そして自身の人生と向き合い、変化を遂げていく。喪主という立場が、彼の内面にどのような変化があったのか、心の機微を追うことで、物語に深みを感じることができる。

(c)PKFP PARTNERS LLC. 2023

4. 死ぬことは、生きること


大海原と横谷と薫を乗せた小さな船。その対比が、人間の存在の儚さと、それでも力強く生きる姿を印象づける。広い範囲で見ればイザコザは小さなことかもしれない。騒がしかった葬儀が終わり、静寂の中で二人は生きることを実感し、新たな一歩を踏み出す。

(c)PKFP PARTNERS LLC. 2023


【コラム】
映画『カオルの葬式』は、一見、重いテーマを扱いながらも、笑いと涙、そして人生の機微を描き出した人間ドラマだ。
舞台は岡山県。脚本家カオルの死と葬式をきっかけに、彼女と親交のあった人物が一堂に会することから始まる。

カオルの遺言によって喪主を務めることになった元夫・横谷。彼は、カオルの死を通して、否応なく過去と向き合い、自身の人生を再考することに。参列者たちもまた、カオルとの思い出や、それぞれが抱える事情を通して感情を露わにしていく。
 

特筆すべき点が二つ。一つは、従来の葬式映画が故人を偲び、静かに別れを惜しむ様子を描くことが多いのに対し、本作は、通夜、葬式という儀式の場で、遺体を前にして繰り広げられる人間模様にフォーカスしている点だ。葬式映画のイメージを覆し、とても面白い。
それに故人を美化しないところも意外性がある。カオルがことが好きでも嫌いでも、皆の心の中にいたことは事実、死亡したことでカオルの輪郭が鮮明になる点も面白い。
 

二つ目は「死」を単なる終わりとしてではなく、残された人々の「生」を映し出す鏡として捉えている点だ。カオルの死は、参列者たちに変化をもたらし、新たな一歩を踏み出すきっかけとなる。それは、生と死について深く考えさせると同時に、人生の素晴らしさを教えてくれる感動的な瞬間だ。
 

また、国際的なスタッフが共同で制作した点も魅力の一つだ。日本の伝統的な葬式や岡山の風景と、おどろおどろしい太鼓のリズムがマッチしており、何かが起こりそうな予感に惹きつけられる。
 

不謹慎エンターテインメント『カオルの葬式』は笑いと涙、そして様々な人間ドラマを通して、私たちの心を暖かくしてくれる作品だ。ぜひお近くの劇場へ!
 

公式サイト
https://yuasan1203.wixsite.com/pkfppartners
 

上映スケジュールは以下の通りです。
3月22日(土)鏡野町特別上映会(岡山)※1日限定
3月28日(金)~ 倉吉シネマエポック(鳥取)
4月4日(金)~ 福山駅前シネマモード(広島)
4月12日(土)~ シネマスコーレ(愛知)
4月18日(金)~ 宇都宮ヒカリ座(栃木)
4月25日(金)~ シネマソレイユ(香川)
5月24日(土)~ 桜坂劇場(沖縄)
 

監督・共同脚本:湯浅典子
出演:関幸治
   一木香乃
   新津ちせ
             滝沢めぐみ
             川島潤哉
             蔵本康文
             木村知貴
             大岩主弥
             錫木うり
   黒沢あすか
   原田大二郎
 

製作年:2023年
製作国:日本・スペイン・シンガポール合作
配給:ムービー・アクト・プロジェクト、PKFP PARTNERS
劇場公開日:2024年11月22日
上映時間:100分
映倫区分:G



 


 

 

 

 

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1 件の返信 (新着順)
桃田享造
2025/04/02 10:55

観たくなりました!ありがとうございます♪


かこ
2025/04/02 16:22

お読みいただきありがとうございました😊登場人物の個性が際立ってました😅不謹慎エンターテインメントだけど、ほっこり心が暖かくなる作品です✨