ストーリー

「大いなる遺産」（1998年、原題：Great Expectations）のオリジナル・スコア・アルバムは、アルフォンソ・キュアロン監督の映画を彩るパトリック・ドイルの音楽が特徴。チャールズ・ディケンズの小説を現代的に翻案し、イーサン・ホークとグウィネス・パルトロウ演じるフィンとエステラのロマンスと運命を、ドイルのオーケストラが情感豊かに表現。繊細なピアノと弦楽が、フロリダの田舎町やニューヨークの華やかなシーンを彩り、愛と喪失のテーマを強調。特に「Finn's Theme」は、主人公の純粋さと葛藤を捉えた切ないメロディで印象的。ロマンティックでありながら、ディケンズ原作のダークな運命論も反映。全体として、映画の官能的でスタイリッシュな雰囲気を音で深化させた一枚だが、単体ではやや映画の文脈に依存する印象も。ロマンスとドラマを愛するリスナーに響くサウンドトラック。