無愛想なタクシー運転手の小戸川を主人公とし、その他にも色んな登場人物が大きな事件に少しずつ関わっていく群像劇です。とある事情で登場人物が全員動物として描かれていますが、人間の代わりに動物が繁栄した世界ではなく、その為それぞれの登場人物が現実的な悩みや不満を抱えており、いわゆる裏社会など現代社会の闇がクローズアップされている部分があります。
オッドタクシーの続編……ではなく総集編のような内容なので、今まで観ていませんでしたが、ただの総集編ではなく前半は事件を振り返るような形になっており、TV本編とは別の楽しみ方ができる映画になっていました。また、子供の頃の田中が一方的にライバル視していた佐藤がまさかの役割で登場するなど、本編を観た人だからこそより楽しめる要素もあり、映画を観てから本編を観てもいいし、本編を観てから映画を観てもいい作品になっていると思います。
とはいえ、TV版で不穏な終わり方だったのが映画版で解消されているので、個人的にはTV→映画の順番で観ることをオススメします。