DISCASレビュー

カッツ
2025/12/27 08:36

岬の兄妹

監督:片山慎三

自閉症の妹・真理子と二人で暮らす良夫が、仕事を解雇されたことをきっかけに生活に困窮し、ついには妹を売春に利用しようとするという、極めて重く残酷なテーマを扱った作品である。
物語は、社会の底辺に追い詰められた兄妹の姿を容赦なく描き出し、観る者に強烈な不快感と現実の厳しさを突きつける。映画という表現は本来、美しいものだけでなく“見たくない現実”を映し出す力を持つが、本作はまさにその最も痛烈な側面を突きつけてくる。
そうした意味で、この映画は“汚い”と感じるほど生々しく、観る側の心をざらつかせる。しかし、その“汚さ”こそが作品の狙いであり、社会の闇や弱者の孤立を直視させるための強烈な手段でもある。
決して気軽に観られる作品ではないが、片山監督の覚悟と問題意識がはっきりと刻まれた一本である。
 

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