DISCASレビュー

k.a
2025/08/07 19:17

ホワイト・サバイバル 越境者たち

『ホワイト・サバイバル 越境者たち』(2022年、フランス・イタリア、原題:Les Engagés)は、ギョーム・レヌソン監督の長編デビュー作で、フランス=イタリア国境の雪山を舞台にしたサスペンス・スリラー。妻を事故で失い休職中のサミュエル(ドゥニ・メノーシェ)が、娘を預けて山小屋で過ごす中、アフガニスタン難民のチェレー(ザーラ・アミール・エブラヒミ)と出会い、彼女をフランスの難民施設へ導く危険な逃避行を描く。極寒のアルプスの映像が凍えるような緊張感を生み、ドゥニ・メノーシェとザーラ・アミール・エブラヒミの演技が感情的な重みを加える。難民問題を背景にした人間ドラマは心を打ち、自警団の追跡がサスペンスを高めるが、ストーリーはやや直線的で、過去の掘り下げが薄い。

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