ワーナー・ブラザース映画といえば、これ!
「タワーリング・インフェルノ」
(1974年・アメリカ、カラー、165分)
監督:ジョン・ギラーミン
超高層ビルで発生した大火災の消火にあたる消防士たちの活躍と、そこから脱出しようとする人々の姿を描いたパニック・スペクタクル。
サンフランシスコにそびえ立つ138階建ての超高層ビル「グラス・タワー」で、完成披露パーティが行われようとしている。オーナーのジム・ダンカン(ウィリアム・ホールデン)は、ビル設計者のダグ・ロバーツ(ポール・ニューマン)と共に屋上に立ち、眼下に広がる光景を満足そうに眺めている。
その頃、81階の倉庫から出火したボヤが原因で、ビルは激しい炎に包まれた。135階のパーティ会場には、逃げ遅れた人々が取り残され、外からの救出を待っている。連絡を受けた消防隊は、隊長のマイケル・オハラハン(スティーヴ・マックィーン)統率のもと現場に急行、ダグ・ロバーツと設計図を検討し、79階に指令室を設置するが、ビル内は既に大混乱に陥っていた...。
火災の元々の原因は、グラス・タワーの地下室にある発電機の故障で、主任技師のキャラハン(ジョン・クロフォード)が予備の発電機を始動させたところ、ショートして81階の物置室の配線盤のヒューズが発火したのだ。
このあたりの描写も細かく描かれており、緊張感を増す伏線としては見事である。
前半部はビル火災に至る流れや、前述のビル・オーナーであるジム・ダンカン、設計者ダグ・ロバーツ、広報部長ダン・ビグロー(ロバート・ワグナー)、配線工事担当のロジャー・シモンズ(リチャード・チェンバレン)らの人間関係が中心に描かれる。
そしてパーティに招待されているラムゼイ市長(ジャック・コリンズ)や、パーカー上院議員(ロバート・ヴォーン)、詐欺師クレイボーン(フレッド・アステア)、富豪未亡人(ジェニファー・ジョーンズ)等、様々な人々の思惑や力関係が、人間の内面をえぐるように描かれる。
中盤から後半にかけては、まさにビル火災からの脱出劇、救出劇に集約される。
ここでは人間の醜さが遠慮なく描かれる。
女、子どもが優先されて救出されるところ、我れ先にと、人を押しのけて逃げようとするのは、自分勝手で傲慢な一握りの男どもだ。
とにかくハリウッド・オールキャストを揃えた。大物著名俳優だけで20名以上にのぼる。
ダグ・ロバーツの婚約者役でフェイ・ダナウェイ、ビルの保安主任役のO・J・シンプソン、ほかにはスーザン・ブレイクリー、スーザン・フラナリー、ダブニー・コールマン、ドン・ゴードン、ノーマン・バートンら中堅俳優が大挙出演。
ジョン・ギラーミンお得意の「スター俳優、大集合!」。
これだけの大物が出演しても、それぞれの役柄が実に俳優の個性とマッチしている。
巧みな演出と人間模様の表現...
これはまさに、ギラーミン監督の力量によるところ大である。
尚、オープニング・クレジットでは、スティーヴ・マックィーンとポール・ニューマンのスターとしての地位を尊重するため、画面の左下にマックィーン、右上にニューマンの名が配されている。
欧米式では左側が上位となるものの、縦位置ではニューマンを高くしているのだ。
つまり、クレジット順位として同時1位とする苦肉の策。
アカデミー賞では作品賞にノミネートされた。
この年、「ゴッドファーザーPARTⅡ」がなかったら、 オスカー受賞作となっていただろう。
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投稿を表示エンタメとしても、パニック映画としても超大作で最高に面白い映画でしたね。
それにしても豪華キャスト!ギャラがすごかったことでしょう。
マックイーンさんがカッコ良かったですね。一番印象に残っています。
また観たくなりました😄
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