シネマニストインタビュー『すたみな』後篇
すたみなさんといえば北野武。
後篇では、特に北野武さんとの繋がりについてのインタビュー記事を掲載致します。
【登場人物】
すたみなさん(シネマニスト)
はじめ・ひろき(インタビュワー)
【目次】
1. 幼少期から現在に至るまでの北野武との繋がり
2. シネマニスト「すたみな」になった経緯とは?
3. 北野作品の魅力について
1. 北野武さんとの繋がりは小学生時代に遡り、Q&Aで見えてきた幼少期から現在までのすたみなさんをご紹介
はじめ:どんな子供時代でしたか?
ー子供時代はですね、とにかくお笑い番組がすごい好きな子で、クラスの男の子たちにどう笑ってもらうかを常に考えてて、男の子には好かれてましたが女子から全く無視されてましたね(笑)
ひろき:ビートたけしを知ったきっかけは?
ー小学校高学年に新聞のラテ欄に、『ビートたけしのオールナイト日本』という番組がやってたんです。その時ネットとかないじゃないですか、「ビートたけしって何者?ビートってことはもしかしてツービート?」と思って聞いたら、衝撃的であまりにも面白くて。その放送木曜日の夜1時なんですよ。でも聞きたくて、ちょっと夜早めに寝て目覚まし時計で1時にセットして起きて、ラジオを聞いてその内容をみんなで喋ってました。(笑)
それが、小学校5年生、6年生。男の子もツービートが好きな人もいたので、「ビートたけし…ビートたけしって名前…なるほど。」って感じで、ツービートでは知ってるんですけど、ビートたけし・ビートきよし知らなかった時代だったんで、そんな番組あるんだって言って、私がその内容を聞いて喋ってみんなに教えてました。
ひろき:どういう内容でしたか?
ーたけしさんの身の回りの出来事や面白かったことを、放送作家の高田文夫って方にぶつけるっていう。たけし軍団とのやり取りとか、あとはがきのコーナーがあったり、そういうので約2時間の番組でしたね。
テレビでは当時はひょうきん族とドリフが争っていて、クラスは大体そのときドリフが人気だったんですけど、自分はひょうきん族派を増やすっていう作戦を持っちゃって布教してました。最終的には6:4でひょうきん族が勝ったんですよ。ドリフ最近飽きたよね同じようなことしちゃってるしみたいな、それでみんなひょうきん族見てくれて。
ひろき:番組はいつぐらいまで聞いてたんですか?
ー大学入る前までなので約9年くらいですかね。毎週聞いてました。テープ取っといてるんですよ。あの西島さんっていらっしゃるんですか、西島秀俊さん。あの人もだいぶあの番組のファンで、テープ取っといてるみたいなんですよ。同じ世代です。
今回ね、『首』で明智光秀役やってますけど、ビートたけし大好きな人ですよ、あれ。ビートたけしフリークっていうか。
で、大学で入るぐらいまで聞いてて、その番組が終わると同時に『その男、凶暴につき』の制作に入る中で映画監督になっていって。その後もテレビで『北野ファンクラブ』ってのがあって、それももちろん見てたんですけど、そっから自分も「ビートたけしって映画撮るんだ」って思ったんです。それで実際映画を見たときに、あまりにも何か真逆のイメージだったので、「コント映画とかやるもかな」って思ったら全然違う暴力の映画で(笑)
どうしてもやっぱショック…ショックっていうかすごいなと思ったら、白竜って犯人役がいて、その人がこう打つんですけど、外れて、通行人に当たるっていうリアルさとかがあって、こういうことってあるだろうなっていう、ちょっと衝撃を受けて。
今じゃほんと、映画監督とか文化人みたいな、絵も描いてたりしてて、ひょうきん族で馬鹿やってる人じゃないですよね。でも元はそういう人なんで、夜中にキンタマ引っ張ったりしてて。
まあそんな感じで、小学校5年生ってことは40年以上、、追っかけてますね。
もう半世紀くらいのビートたけしファンです。
2.シネマニスト「すたみな」になるまでの経緯とは?
はじめ:最初はお笑い芸人としてビートたけしが好きで、北野作品を見るようになり、映画が好きなったのですか?
ー北野作品の前は本当に誰もが見る『ロッキー』とか好きだったんですけど、でもそうですね、映画がまた違う見方はできるようになった、北野作品見てからかもしれませんね。
だいぶなんか北野武っていうのがイメージつかれてる、、お爺さんから「『首』見ましたけどすたみなさん思い出しました」とか言われて、嬉しいですけど。
ひろき:Discover usでコラムを書くきっかけは?
ー元々北野武さんの作品をブログで書いてんですよ。それで、コラムニストになりませんかって声をかけていただいたときに、「俺は北野武しか知らないけどいいのかな」と思ったんですけど、今こうしてさせていただいて、ある意味こう、なんだろう。自分の書いてたものをまた引っ張り出してきたり、また変えたり、そういう作業ができたんでまとめられてるっていうか、今回もレビューを書かせてもらったりして。
作品のレビューっていうか何か、その作品にまつわるエピソード的なこととか、今回は衣装についてでしたね。黒澤和子さんていう黒沢監督の娘さんなんですけど、その方が色彩とか全部デザインして綺麗なんですよね。
色分けして、信長は暖色系だとか、ちゃんとそれが映えてるんですよね。やっぱり結構北野監督って何だかんだ言ってますけど、色とか背景の撮り方はやっぱり申し訳ないけどリドリー・スコットも上手いなと思いますよ。だからそういう意味で、映画の見方っていうのは、北野武っていう人にちょっと教えられたというか、何か影響を受けすぎちゃってるってのはあるんですけど、軸ですよね。うん。軸です。
3. 映画を見るにあたって北野作品は自分の軸だと語るすたみなさん。
彼の考える「北野作品の魅力とは?」
オススメ映画とともに深掘り
はじめ:おすすめ作品は?
ーそうですね。結構バイオレンスじゃないですか、北野映画。バイオレンスがダメな人におすすめしてるのは「龍三と七人の子分たち」ですね。老人対…なんだろうな、半グレ。半グレの抗争を描いた、元ヤクザ対半グレのいざこざ劇。かなりコメディなんですよ。そこら辺をおすすめますしますかね。
ひろき:バイオレンスでいうと?
ーみんなバイオレンスなんすけど(笑)
ソフトで言うと『ソナチネ』ですね。4作目なんですけど。私が映画館で見たときはガラガラだったんですよ。それがカンヌで「ある視点」っていう部門に選ばれて注目されたら、ヨーロッパですげえ人気なっちゃって、それがまた日本に広がって、今もう名作になりましたね。北野作品をそんなに観てない方も『ソナチネ』は知ってるっていうくらいな作品で。
あと『HANA-BI』もそうですか。バイオレンスもあるんですけど、どちらかといえば夫婦愛というか、うん。まさに夫婦のお話で。夫婦の中って、そんなに会話がなくても表情とかでも伝わるんだなっていう。すごくそういう意味では、まあヨーロッパ人の心のひだを掴んだんでしょうね。多分ヨーロッパ型なんだと思うんですよ。北野作品ってアメリカじゃないんです。
アメリカはやっぱりドッカンがっちゃんじゃないすか。
ヨーロッパって心理描写とか人間関係性だとか、そこに視点を置くみたいな。多分芸術性とか絵の綺麗さっていうのがヨーロッパ人に受けて、意識しては撮ってないと思うんですけどそこがたまたま北野作品は受けたというか。ヨーロッパやロシアもなんですけど、『Dolls』って映画はロシアで2年間ずっとロードショーやったくらい人気があった。色が綺麗だとか?ああいうなんか、ヨーロッパの方が好きなんじゃないかな、描写は。
はじめ:カンヌやベネチアの巨匠ですからね。アカデミー賞とかではないですよね。
ーそう。商業ベースにとても載らないじゃないすか変な話。アメリカって商業ベース気にして、やっぱりいかに売り出さなきゃいけないっていう。ヒーローだとか色々あるけど、北野武って全然そっちないから、商業ベース乗らないんですよ。」
ーだからそこがやっぱりアート性が強いっていう見方をされて、ヨーロッパで受けたってじゃないかなって思いますよね。
絵にこだわってて、『ソナチネ』でも自決のシーンとかも”絵”ですよね、日本の桜のイメージでという感じで。そういうのも意識してはないとは思うんですけど、ヨーロッパ人が見たら「北野素晴らしい」みたいな感じだったと思うんです。
はじめ:今会えるなら誰に会いたいですか?
ーよく聞かれて、絶対北野武って言われるんですけど、会いたくないです。緊張しちゃって。憧れすぎちゃって。すごい質問いっぱいあるんですよ。聞きたいこと、、でもできないと思います。女性で言えば綾瀬はるかさん会いたいですね(笑)。でも本当は北野武さんにお会いしたいです。けども、、
ひろき:好きな場所は?
ー浅草と。吉祥寺。
「やっぱり自分は一応”北野武”っていうのバッジいただいてる手前、芸人としての北野武っていう人が出た浅草がいいな。」と思って、今日ここ…ここも入りたかったんすよ。前回入れなかったんで。
ひろき:すたみなさんにとって映画とは?
ーやっぱり他の人の人生が見られるのが、まあ映画かなと。
自分の人生ってなんだろう、そんなに大したことはないんですけど、いろんな物語があっていろんな人生の過程が見れるっていうのは映画だけだなと思ってて。そこは映画の魅力を感じますし、また他の方が考えてることを具現化して作品で出してこんなことになるんだっていうのも、映画っていうものがあるから見えるってことで。
映画を作るにしても音楽だとか、いろんな方々がいろんなその力を持って一つの作品するっていうものなので、映画って最高の芸術なんじゃないかな。
【シネマニスト】
すたみな
【SNS】
Instagram / X(旧:Twitter)
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投稿を表示たけしさんはアメリカではなくヨーロッパってのはすごく良く分かります!お金をかけなくても心の描写や芸術性に重きを置いて撮ってるイメージがあります。北野映画に通ずるとこありますよね😊
俺もたけしさんの昔のお笑い番組は全部ビデオに撮ってましたよ!でもソニーのベータだったのでもう観れない😭
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投稿を表示素晴らしいインタビュー!最後までじっくりと読ませていただきました。
芸人ビートたけしに始まり、北野監督がいかにすたみなさんの人生に影響を及ぼしているのか…。感慨深いですね〜!
すたみなさんのお人柄もとても良くて、心地よいインタビュー空間だったんじゃないかと勝手にイメージしております☺️✨
今後のご活躍も楽しみにしております!
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投稿を表示めちゃくちゃ素晴らしいインタビュー記事!ありがとうございます!
ひょうきん族派とドリフ派とかって、ほんと小学校の頃論争になって懐かしくなりました(笑)
インタビューの場所も浅草って最高ですね!
自分も東洋館には時々行くのですが、東京のお笑い、笑いの伝統に則した空気が残ってますよね。
毅作品に対する愛情、洞察力、その源泉を垣間見たような、そして、あのすたみなさんのすたみな力のわけがわかりました。こりゃちょっとやそっとでは太刀打ちできない、シン・キタニストであると感じました!今後のすたみなさんのご活躍に期待大です!!
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