DISCASレビュー

カッツ
2025/11/10 07:24

ロング・キス・グッドナイト

1996年公開の映画、ジーナ・デイヴィスとサミュエル・L・ジャクソンの共演による、記憶喪失の元CIA暗殺者が主人公のアクション・スリラー。後の『ボーン・アイデンティティ』を彷彿とさせる設定だが、むしろ本作の方が“元祖”とも言える先駆的な作品である。

物語は、平穏な生活を送る小学校教師サマンサ(ジーナ・デイヴィス)が、ある日突然殺し屋に襲撃されるところから始まる。何が起きているのか分からない彼女だが、体に染みついた戦闘技術で敵を撃退。やがて自分がかつてCIAの暗殺者だったことを知り、記憶を取り戻す旅に出る。

サミュエル・L・ジャクソン演じる私立探偵との掛け合いはテンポが良く、ユーモアと緊張感が絶妙に混ざり合う。殺し屋としての冷徹なスキルと、母親としての優しさが同居する主人公のギャップが、この作品の最大の魅力である。

記憶喪失というスリラー要素を軸に、家族愛と自己再生を描いた痛快なエンターテインメント。主婦と殺し屋という二重生活のギャップがユニークで、観終えた後に爽快感が残る一本だった。

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