警察署長ジェッシイ・ストーン 4番目の真実
【良心を失くしたジェッシイ】
(2015年・米・88分・TV映画)
監督:ロバート・ハーモン
原題:JESSE STONE: LOST IN PARADISE
「決別の海(2007年)」の後に何が起こったのか不明だけれど、今やジェッシイ・ストーン(トム・セレック)はパラダイス署の署長ではなく、マサチューセッツ州警察殺人課のコンサルタントとして、シドニー・グリーンストリート警部補(レスリー・ホープ)の下で働いていた。
相変わらずスコッチ(ジョニーウォーカーの瓶だと思う)を飲むのを止められないらしく、ドクター・ディックス(ウィリアム・ディヴェイン)のカウンセルを受けているが、ディックスの口ぶりでは2年間の間隔をあけて今回ひょっこり顔を出したようだ。
ドクター・ディックスは複数の質問を投げかけて、空白の期間を経て今回再びカウンセルを受けに来た理由を訊ねる。ジェッシイは「良心を失くしたから」としか答えない。
ジェッシイは過去の未解決事件を調べたいと言って、グリーンストリート警部補から複数のファイルを預かる。ジェッシイが関心を示したのは、「ボストンの切裂き魔」の事件だった。それは、生きたまま被害者を切り裂き、内臓をえぐり出すという残忍な事件で、4人の被害者を出した連続殺人事件だ。リチャード・スティール(ルーク・ペリー)が犯人として逮捕されていたが、3件目までは犯行を認めたが、4人目は自分ではないと主張していた。
ジェッシイは4人目の被害者メイビス・デイヴィス(タラ・イェランド)の夫ブルース・デイヴィス(アル・サピエンザ)に会いに行くが、デイヴィスは再捜査に協力するつもりはないと言う。ジェッシイは犯罪現場の写真に写っている犬について質問すると、それは「スティーブ」という名で、殺された妻の犬だと言う。そのスティーブが食事を拒否したので動物保護施設に引き渡したと話す。
ジェッシイが保護施設に行くと、スティーブは安楽死させられる寸前だった。ジェッシイは「自分の良心だった」愛犬のレジ―が死亡して寂しい日々を過ごしていたので、スティーブを引き取って自宅に連れ帰ったのである。
さらに捜査を進めて行くと、事件のファイルの一部や検死の報告書が紛失していることにジェッシイは気づく。事件の詳細(犯行方法)は公にはしていないので、犯人は警察内部にいると考えたジェッシイは、殺害されたメイビスの友人アメリア(アメリア・ローズ・ブレア)を訪ね、思いもしなかった新事実を得るのだった。
一方、ジェッシイは公園でマリファナを吸っている13歳の少女ジェニー(マッケンジー・フォイ)に出会う。彼女の母親はアルコール依存症でジェニーに手を上げていることを突き止め、ジェニーに内緒で母親を訪ねる。そして、自分も同じなので気持ちはよく分かるが、このままだとジェニーを失うと忠告し、ディックス医師を紹介した。結果、母親は依存症の更生施設に入ることになった。ジェニーは母親が戻るまで保護施設に入ることになった。
原作者のロバート・B・パーカーは2010年に亡くなったため、第5作目からはトム・セレックとマイケル・ブランドマンが脚本を書いている。
このシリーズでは、ジェッシイの愛犬が存在感を示していた。ロサンゼルス市警からパラダイス署に移って来た時に連れて来たブーマーは癌に罹って安楽死させ、次のレジ―は犯行現場で飼い主の遺体に寄り添っていたのをジェッシイが引き取っていた。今作でもやはり飼い主の遺体に寄り添っていたスティーブがジェッシイの心の拠り所となっている。
これまで見てきた限りでは、ジェッシイは犯人たちを悉く射殺してきている。このように職務に当っては非情になれる男が、妻のことに関してはいつまでも引きずっているのだ。まさしく「優しさと冷酷」の二面性を持ったジェッシイが
その狭間で悩む様は人間臭い。
部下であり同僚であり、友人でもあるスーツ(コール・サダス)とは、まだ親交があるのは良かったと思う。医師のディックスは元警官の立場からのアドバイスも与え、医療面以外でもジェッシイに助言を与え支えてくれている。
第1作目から10年の年月が流れ、その間にモリ―が去り、デアンジェロも去ったようだし、何よりもジェッシイが老けたようだ。パラダイスは小さな町なので隠し事など出来ない町ではあるが、被害者女性や少女たちとの約束どおり、秘密裏に事件を解決した例もあり、ジェッシイに感謝をしている人は思ったよりも多そうだ。ジェッシイにもいつか心の平安が訪れるようにと願う。
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本作が、このシリーズの最終話です
全部で9話あるそうなので、ディスカスで取り扱いのない作品も含めて整理しておきます。
「影に潜む(2005年)」「暗夜を渉る(2006年)」「湖水に消える(2006年)」「決別の海(2007年)」・・・ここまでディスカスでの取り扱い有り。
「薄氷を漂う(2009年)」「非情の影(2010年)」「奪われた純真(2011年)」「消された疑惑(2012年)」・・・この4作品についてはディスカスで取り扱い無し。
そして、9作目が本作「4番目の真実(2015年)」です。
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投稿を表示かずぽんさん
「警察署長ジェッシイ・ストーン」シリーズ、5作品の鑑賞おつかれさまでした。
ボクは鑑賞から数年経過していて、内容が忘却の部分多々ありますが、印象的なシーンの記憶が呼び覚まされて、懐かしく感じました。
>ジェッシイにもいつか心の平安が訪れるようにと願う。
最良のお言葉で締めくくっていただきましたね。
全9話のタイトルも整理していただき、ありがとうございます。