カッツ
2026/01/07 07:39
島の女(Boy on a Dolphin)
1957年公開、ソフィア・ローレンとアラン・ラッド主演の本作は、日本題の「島の女」よりも、原題どおりの「イルカに乗った少年」の方が作品の雰囲気にふさわしいと感じる。先日ブリジット・バルドーが91歳で亡くなったが、同い年のソフィア・ローレンはいまも健在であり、その長いキャリアを思うと感慨深い。
物語は、ギリシャ・エーゲ海を舞台にしたロマンティックな冒険ドラマである。ギリシャの小島で海女として暮らすフェードラ(ソフィア・ローレン)が、海中で「イルカに乗った少年」のブロンズ像を発見したことから、考古学者や美術商が絡む宝探しの騒動へと発展していく。
映画には、ギリシャの古代文化財が外国に無断で持ち出される問題への批判が盛り込まれており、単なる冒険活劇にとどまらない深みを与えている点が印象的だ。
若き日のソフィア・ローレンが、素朴でたくましい海女として登場する姿は非常に魅力的で、彼女の健康的な美しさと存在感が作品全体に生命力を吹き込んでいる。エーゲ海のまばゆい陽光、青い海、白い家々といった風景も、物語に詩情と清々しさを添えている。
そして何より、主題歌「イルカに乗った少年(Boy on a Dolphin)」の哀愁を帯びた旋律が、ギリシャの海と人々の暮らし、そしてフェードラの揺れる心情を優しく包み込み、映画の情感を一層高めている。
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