DISCASレビュー

カッツ
2025/11/18 07:45

サニー永遠の仲間たち

2011年公開の韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』、カン・ヒョンチョル監督による感動のヒューマンドラマ。物語は、42歳の専業主婦ナミが、入院中の高校時代の親友チュナと再会するところから始まります。チュナは末期がんに侵されており、「死ぬ前にもう一度、仲間たちに会いたい」と願い、ナミはかつての仲良しグループ“サニー”のメンバーを探し始めます。

物語は現在と過去を行き来しながら、1980年代の韓国を舞台にした高校時代のエピソードが描かれます。懐かしの洋楽や韓国ポップスが随所に流れ、観る者の記憶と感情を呼び起こす演出が秀逸です。制服姿で街を駆け回る少女たちの姿は、笑いと涙、そして少しの切なさを伴って、観る者の心に深く残ります。

登場人物たちはそれぞれ個性的で、現在の姿と過去の姿が見事に重なり合い、「あの頃の自分」と「今の自分」を見つめ直すきっかけを与えてくれます。友情の美しさだけでなく、時の流れによって変わってしまった現実も丁寧に描かれており、単なるノスタルジーにとどまらない深みがあります。

ラストでは、仲間たちが再び集まり、かつてのように笑い合う姿が描かれます。「サニー」というグループ名が象徴するように、彼女たちの青春は今も心の中で輝き続けている。観終えた後、誰かに会いたくなるような、そんな温かい余韻を残す作品です。

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