DISCASレビュー

k.a
2025/08/12 19:22

台北アフタースクール

『台北アフタースクール』(2023年、台湾、原題:成功補習班、英題:After School)は、ラン・ジェンロン監督による青春ドラマ。1994年の台北の予備校「成功補習班」を舞台に、問題児の「成功三剣士」—チャン・ジェンハン(ジャン・ファイユン)、チェン・シャン(チウ・イータイ)、ワン・シャンハー(ウー・ジエンハー)—が、型破りな代理講師シャオジー先生(ホウ・イェンシー)との出会いを通じて、恋愛、友情、LGBTQ+の自己肯定感を探る物語。監督の実体験と、LGBTQ+運動の先駆者ミッキー・チェンをモデルにした実話ベースの作品で、2023年東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映。前半は『スーパーバッド』風のバカ騒ぎコメディで、飯島愛やスラムダンクのポスター、レスリー・チャンの「モニカ」(吉川晃司のカバー)が90年代の懐かしさを醸し、日本人には親しみやすい。後半はLGBTQ+の葛藤や親子関係に踏み込み、チャン・ジェンハンの片思い、チェン・シャンの性的指向、ワン・シャンハーのトランスジェンダーの悩みが丁寧に描かれる。シャオジー先生の「愛せよ、今日が最後かのように生きろ」というメッセージが心に響くが、詰め込みすぎでやや散漫。

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