フッ飛び豪快映画の決定版
激突! (1971年・アメリカ、カラー、89分)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
日常に潜む悪夢のような恐怖、そしてラストの大迫力は尋常ではない。
まさに現在の「煽り運転」を想起させるが、乗用車が40トン・タンクローリーに挑まれたらひとたまりもない。
当時、無名の新人だったスピルバーグの本格的な映画デビュー作である。
カリフォルニア州を南に走っている1台の車がある。運転しているのは、知人に借金取り立てに向かうデヴィッド・マン(デニス・ウィーヴァー)という男。目の前を走る大型タンクローリーの排ガスに嫌気がさしたデヴィッドは、タンクローリーを追越した。この何気ない追越しは、デヴィッドを恐怖のどん底に陥れることになる。タンクローリーは轟音をたてて抜き返すと、デヴィッドの車の前を塞いだ。先の見えないカーブに差し掛かると、タンクローリーの運転手は手を振って追越しを促すが、デヴィッドが追い越すと、突然前方から対向車が猛スピードで迫ってくる。間一髪でかわすが、デヴィッドはタンクローリーの殺意を感じる。やがてデヴィッドが鉄道踏切で列車の通過待ちをしていると、そこへタンクローリーが体当たりをかけてくる。
一体、この結末は如何に...。
スピルバーグが25歳のときの作品だが、彼はこの年、本作を撮る前にTV映画「刑事コロンボ/構想の死角」(71年)を監督している。
タンクローリーの運転手は一切顔を見せず、それが擬人化されていく独特の恐怖は、ヒッチコックの手法をも連想させる。
主演のデニス・ウィーヴァーは、米TV「警部マクロード」(1970~1977)で有名になった俳優。
本作出演時は47歳だが、若い頃はラオール・ウォルシュの「決斗! 一対三」(52年)、マーク・ロブソンの「トコリの橋」(55年)、オーソン・ウェルズの「黒い罠」(58年)などで脇役として活躍した。
狩る側(タンクローリー)と狩られる側(乗用車)との息詰まるサスペンス、手に汗握ること間違いない。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示DISCASではよくコメントを書いたり、いただいたりしていますが、こちらではお久しぶりです。
本作は本国ではテレビ映画だったんですが、あまりの出来の良さに日本では劇場公開されたといういわくつきの作品です。しかし、スピルバーグ25歳のときの作品とは知りませんでした。才能恐るべし。
原作小説も読んだはずですが、まったく覚えておりません。映像作品では運転手の正体も顔も見せないということによるトレーラーそのものが悪意を持って主人公(デニス・ウィーヴァー)を追ってくるように感じて恐怖とハラハラドキドキが止まりませんね。
クライマックスの決闘(原題の「DUEL」です。)のあとの空虚さが漂うラストも余韻があって素晴らしい幕切れでした。多分、何度でも観ることができる映画だと思います。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示本作は実に面白かったですね。スピルバーグの才能が開花していました。
今観ても存分に楽しめそうです。また、観たくなりました!
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示