DISCASレビュー

たった一週間しかなかった昭和64年。最後の昭和に起きた少女誘拐殺人事件。刑事部では「ロクヨン」と呼ばれ未解決のまま14年の歳月が過ぎ時効を迎えようとしていた。当時、刑事で「ロクヨン」の捜査を担当していた主人公の三上は現在、広報官に異動。警察の隠蔽、記者クラブとの対立、未解決事件と複雑な警察の内部抗争も描いたサスペンスミステリー

隅々まで豪華な俳優陣を揃えているのだが、どうもいまいち。よくあるTVドラマの後にやる映画化のような感じがした。「ロクヨン」もNHKでTVドラマ化されているが、TBS制作の本作とは別物のようだ。未解決事件と複雑な人間関係や警察組織の内幕を丁寧に描こうとしすぎて、全体的にバランスが悪くなっている印象。

本編を見ていると中だるみしてくるが今回、前情報も予備知識もないまっさらな状態で鑑賞した自分は、豪華な俳優陣が出てくるたびに「あっ！この人出てる！」「おっ？この人も出てる！」みたいに発見していく新鮮な面白味があったり、有名な役者を起用しているおかげで誰がどの役か覚えやすいという所があったので最後まで眠くならずに見れたという点は良かった。しかし豪華な役者たちを揃えすぎた結果、変に悪目立ちだけして素晴らしい俳優たちが持っている個性がアピール出来ず中途半端な出来になってしまったのが残念。豪華な役者を揃えれば映画の質が決して良くなるわけではない。