DISCASレビュー

カッツ
2026/01/28 13:04

Allied マリアンヌ

2017年公開、ブラッド・ピット主演の映画『マリアンヌ』。
原題の Allied をどう訳すべきか迷った末に「マリアンヌ」としたのだろうが、日本題の付け方としてはやや安易に感じる。Allied には「同盟した」「連合国側の」「結びついた」といった意味があり、主人公の二人の関係性を象徴する言葉でもある。しかし、これに相当する日本語タイトルを考えてみても、しっくりくるものはなかなか浮かばない。

物語の舞台は第二次世界大戦中のロンドン。イギリス空軍将校の夫婦には可愛い娘も生まれ、表向きは幸せに満ちている。しかし、二人にはかつて工作員として活動していた過去がある。
ある日、夫は軍上層部から突然呼び出され、「君の妻にはドイツのスパイ疑惑がある」と告げられる。彼は「そんなはずはない」と強く否定し、妻の潔白を証明しようと奔走する。観客もまた、「スパイ?まさか」と思いながらも、「本当はどうなのか」と揺さぶられ続ける。

物語の終盤、決定的な証拠として「本物のマリアンヌはピアノが弾ける」という証言が出る。夫は真実を確かめるため、妻にピアノを弾くよう促すが――。
戦争という極限状況の中で、夫婦の愛が疑念によって崩れていくのか。愛と戦争が交錯するこの物語は、静かな余韻を残す名作だと感じた。

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