DISCASレビュー

カッツ
2025/12/09 09:01

バウンティフルへの旅

アメリカ合衆国のドラマ映画で、テレビ放映された際に鑑賞した。小品ながら、心に残る作品だった。物語は嫁と姑の関係を描いており、アメリカでも日本でも「嫁姑問題」は普遍的なのだと感じさせられる。

本作はブロードウェイで上演された舞台を、同じキャストで映画化したものである。そのため物語の構成はこなれており、ストーリーの流れが自然でわかりやすい。姑は嫁に虐げられ、息子夫婦の家を出て、今は失われた故郷バウンティフルへバスで帰ろうとする――ただそれだけの筋立てである。しかし、その旅路の中で、息子・嫁・姑それぞれの愛情や葛藤が丁寧に描かれ、観る者の心に静かな感動を呼び起こす。

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