またレジェンドが逝く・・・ロバート・レッドフォード
R・レッドフォードの訃報、これであの時代のハリウッド・スターはC・イーストウッドだけかな?
少々、メディアに取り上げられていますが、代表作は「明日に向かって撃て」と「スティング」が中心。それに異論はないですが、レッドフォード作品で好きなのは「追憶」です。
有名な作品ながら当時あったプライムタイムの洋画劇場では放映されず、深夜放送でした。われが見たのは大学の自主上映会。なんともフツーのメロドラマ、ロマンスものではなく社会性の高い作品でした。

かつて行っていたシナリオ教室の先生が、たとえに出す映画、よく考えてみるとほぼレッドフォード作品ではないか!先生に聞いたところ、レッドフォード大ファンで、あんな美しい俳優はいないと~
レッドフォードは当時、異質な俳優でした。かつてのハリウッドスターはもちろん男前でマッチョマンが多く、正義味方がメインでした。ベトナム戦争前後にそういうハリウッドスター像は崩れ、不況になり、アメリカンニューシネマの到来で映画も俳優像が変化していきました。
J・ハックマン、J・ニコルソンとか男前だけで背丈が低いA・パチーノ、D・ホフマンなど演技重視になっていきました。そんなかにかつてのハリウッドスターの面影も残し演技派でもあったのがレッドフォードでした。
この人の作品は社会派が多く見られます。「大統領の陰謀」、「コンドル」「候補者ビルマッケイ」など、アメリカ社会の問題定義をする作品でした。
さてこの「追憶」も第二次世界大戦前後が背景で、社会主義、共産主義がアメリカの学生たちに広まっていき、ハリウッドにも流布して、反アメリカイズムがはびこっていた時代を描いています。いわゆるハリウッド10という、赤狩りをうっすら背景にしてB・ストライサンドとの学生時代から、戦後に再会して夫婦になり、そして別れるまでにお話です。
ふたりの関係性はオープニングタイトルで見事に描かれています。バックに流れるのはバーブラが歌う「 THE WAY WE WERE」。このシーンが劇中、ふたりの思い出として8ミリで映写されます。そこも見事な演出です。バーブラは政治信条を断ち切れない闘争家で、レッドフォードはコンサバ、かつ家庭、仕事を守る、赤狩りにおびえている男を演じました。バーブラの勢いは当時のウーマンリブ運動にのって、男女格差、男尊女子を挑む代表格です。今までの古い恋愛ドラマの男女を入れ替えたところが、新鮮だったんですね。
冒頭に話した先生の話で、この「追憶」のラストシーンで、ふたりの関係性を表現した名シーンがあると言われました。わては見ていたのだけど、そのシーンは憶えていませんでした。再放送などで確認したところ、これっか!っていう描写でした。バーブラの信条に反対していたレッドフォードが初めて理解するシーンが挟み込まれてました。ボーっと見ていたら見逃しますよ、さあーご覧になってください。

尚2001年アカデミー名誉賞のプレゼンターはバーブラでした
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投稿を表示「J・ハックマン」ではなく「G・ハックマン」ですよ。
「明日に向かって撃て」ではなく「明日に向って撃て!」
「候補者ビルマッケイ」ではなく「候補者ビル・マッケイ」ですよ。