DISCASレビュー

ラッセル・クロウ主演の映画『ビューティフル・マインド』は、実在の天才数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた感動的な作品である。
物語は1947年、ナッシュがプリンストン大学大学院の数学科に入学するところから始まる。彼はその天才的な頭脳で「ゲーム理論」を打ち立て、やがてその功績が認められ、マサチューセッツ工科大学の研究所に迎えられる。研究に没頭する日々の中で、彼は一人の女性と出会い、幸せな時間を過ごす。
しかし、国防総省から暗号解読の極秘任務を依頼されたことをきっかけに、彼の精神は次第に不安定になっていく。幻覚や妄想に苦しむ彼の姿は、統合失調症という病の過酷さをリアルに描き出しており、観ていて胸が締めつけられる。
それでもナッシュは、病と共に生きながら研究を続け、やがてノーベル経済学賞の受賞対象となる。本作は、天才の栄光と苦悩、そして支える家族の愛を描いた、実話に基づく深い人間ドラマである。