DISCASレビュー

かずぽん
2025/05/30 11:45

ドリトル先生不思議な旅

【何と、ミュージカル映画でした】

 

(1967年・米・152分・カラー)
監督:リチャード・フライシャー
原題:DOCTOR DOLITTLE
原作:ヒュー・ロフティング『ドリトル先生』シリーズ
※ 第40回アカデミー賞視覚効果賞 歌曲賞の2部門受賞

エディ・マーフィ版とロバート・ダウニー・jr版の『ドクター・ドリトル』は以前に観たので、今回はディスカスにある中で一番古い『ドリトル先生不思議な旅』を観てみることにした。
『ドリトル先生』のシリーズには、第1巻から第12巻まであり、それに加えて番外編があるそうで、本作はその中のいくつかのエピソードがミックスされているらしい。

本作でドリトル先生を演じているのは、レックス・ハリソン。この名前で私が直ぐに思い浮かべるのは『アンナとシャム王(1946年)』のモンクット王の役と、『マイ・フェア・レディ』のヘンリー・ヒギンズ教授の役を演じた彼だ。
本作では、人間よりも動物たちに興味と共感を示し、好奇心と冒険心が旺盛なドリトル先生を演じている。
エディ・マーフィのようにはオチャラケていないけれど、動物との間に友情と信頼があるのは共通している。ロバート・ダウニー・jr版とは違って、動物たちが皆、本物だというのが良かった。ただし、「オシツオサレツ」と「海カタツムリ」「ルナモス」という巨大蛾だけは作り物だった。架空の動物だから当たり前か!

ジョン・ドリトル先生以外の登場人物では、猫や犬の餌用の屑肉を売っているマシュー(アンソニー・ニューリー)、後にドリトルの助手となるトミー少年(ウィリアム・ディックス)、ベローズ将軍の姪エマ(サマンサ・エッガー)らがいる。この登場人物たちがドリトル先生の「海カタツムリ」を探す航海に同行し、辿り着いた島で稀有な体験をするのだ。そもそもこの島というのが漂流島だというのだから奇想天外でオモシロイ。

あらすじは敢て書かないけれど、児童文学が原作なので童心にかえって楽しむことが出来ればOKだと思う。ただ、私自身の備忘録として、いくつかの動物たちについて記録しておきたい。

・ポリネシア・・・180歳という高齢で、あらゆる言語に堪能なオウム。ドリトル先生に動物のことばを教える。
・ジップ・・・番犬。動物の言葉を理解するドリトル先生とは信頼関係にある。
・チーチー・・・チンパンジー。元はドリトルの患者だった。
・ダブダブ・・・家事をこなすアヒル。
・オシツオサレツ・・・チベットから来た双頭のラマ。身体の前と後に頭が付いている。(中には人間が入っているのが一目瞭然。どちらかが前進すれば、もう片方は後ろ向きに歩いている。)
・海カタツムリ・・・海に棲む巨大なカタツムリ。渦巻き状の甲羅の中は3部屋に別れていて、水が入らない様になっている。
・ルナモス・・・モスラのように大きな蛾。月からの使者だとか…

そういえば、海カタツムリを探すための航海費用を作るために、オシツオサレツをサーカスで見世物にするシーンがあった。そのサーカス団のブロッサム団長を演じたのはリチャード・アッテンボローで、歌も歌っていた。
漂流する島を統治していたウィリアム・シェイクスピア10世を演じていたのは、ジェフリー・ホールダー。若々しくて精悍だった。

最後に本作の監督リチャード・フライシャーについて。
本作の監督がフライシャーだと知って、それが意外だったので少しだけ調べてみたら、『海底二万哩』の監督も彼であることを知った。私のイメージでは、フライシャーと言えば、『絞殺魔』『見えない恐怖』『10番街の殺人』が印象に残る作品だったので、本作のような冒険ものの監督をしていたとは、本当に意外だった。
更に監督作品を調べてみると、『ミクロの決死圏』『ゲバラ!』『トラ・トラ・トラ!』『ソイレント・グリーン』などがあった。
監督と作品を関連付けて観るようになったのはごく最近のことなので、これからも「この作品の監督はこの人だったのか!?」と再認識することが度々あると思う。それも、今後の楽しみにしていきたい。


 

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