バンブルビー
宇宙の彼方にあるサイバトロン星。反乱軍ディセプコンの仕掛けた戦争で大混乱の中、オプティマスの指示で脱出し、オートボットの新天地を求めて地球にやってきた「B-127」。しかし、追ってきたブリッツウイングとの戦いによって声と記憶を失い、瀕死の中で黄色いフォルクスワーゲン・ビートルをスキャンして姿を変え、身を隠していた。


サンフランシスコ郊外にある海沿いの町で、思春期の少女チャーリー・ワトソン(ヘイリー・スタインフェルド)は鬱屈とした毎日を過ごしていました。最愛の父を亡くし、深い悲しみから立ち直ることができずにいるチャーリーは、毎日ガレージで父お気に入りの音楽を聴きながら父親のコルベットの修理をすることで癒しを求めていました。


いつものようにハンクおじさん(レン・キャリオー)の廃品屋へ行き、修理中のコルベットに合う部品を物色していると、廃車寸前の黄色いオンボロな車、フォルクスワーゲン・ビートルを見つけます。埃をかぶってボロボロな状態でしたが、 丸っこいフォルムのビートルを一目で気に入ったチャーリーは、自分の誕生日にハンクおじさんに無理を言って譲ってもらうことにしました。
早速修理して乗って帰り、ガレージで点検していると、ビートルに異変が起こります。チャーリーが不思議に思ったのも束の間、ビートルは瞬く間に変形し、立ち上がったのです。チャーリーは言葉を失い唖然としましたが、ビートルから変形した大きな黄色い生命体「B-127」は怯えて隠れようとします。その姿に愛しさを感じたチャーリーは「B-127」に「バンブルビー<マルハナ蜂>」と名付け、かくまうことにしました。


バンブルビーは他の惑星から理由があって地球へやってきましたが、記憶と声を失っているため詳細は不明です。唯一のコミュニケーション方法は、内臓のカーステレオから流れるラジオの音楽と音声をつなぎ合わせて行う感情表現。バンブルビーはまるで好奇心旺盛の子供のように無邪気にチャーリーとじゃれ合います。

この作品は、少女と最初の車の出会いが物語を進めていきます。
そんなメランコリックな雰囲気を漂わせつつ、明快なストーリーと大爆発、そして異種同士が交わす絆。見終わった後、爽やかな気分になれました。
チャーリーが父親のレコードを流すシーンで流れた曲は、 サム・クックの『Unchained Melody』と言う曲です。
サム・クックは、アメリカのソウル歌手、ゴスペル歌手、ミュージシャン。 1960年にリリースされ、映画「ゴースト/ニューヨークの幻」で使用された有名曲です。
この曲は自分もよく聞いていた曲でチャーリーが、突然死したお父さんへの想いを語るシーン。それをバンブルビーが慰めます。硬いボディなのに、チャーリーを抱きしめるその胸や手はなんだか柔らかそうですね。思わずグっと来てしまう場面でした。