グラウンドブレイク 都市壊滅
グラウンドブレイク 都市壊滅
2016年アルメニア・ロシア合作
スタッフ
監督:サリク・アンドレアシアン
脚本:セルゲイ・ユダコフ、アレクセイ・グラヴィツキー
製作:ゲヴォンド・アンドレアシアン、サリク・アンドレアシアン、ほか
撮影:ユーリ・コロベイニコフ
キャスト
コンスタンチン・ラヴロネンコ(コンスタンティン・ベレズノイ)、
ヴィクター・ステパニヤン(ローベルト)、タイトフ・オーヴァキミヤン(リリット)、
マリア・マイノロヴァ(アンナ)、 ほか

レニアカンの町を襲った大地震により、瓦礫の町となった中、それぞれの家族が、助け合い救出する様子と、家族の別れと再会、人と人との絆が重点的に描かれている人間ドラマです。1988年に実際に起ったアルメニア直下型大地震を題材にした作品で、一瞬にして崩壊した街で必死に生き延びようとする人々の姿を群像劇として描くディザスタームービーとして紹介されている。
1988年12月のアルメニア。石造りの建物が立ち並ぶレニナカンの街を突然大地震が襲う。石畳には亀裂が走り、崩れた建物が石の固まりとなって人々を襲う。街は一瞬にして崩壊、市民はパニック状態に陥った。そんな中、青年ローベルトら難を逃れた人々が人命救助に動き出す。やがてローベルトはがれきの下敷きになって身動きの取れない女性を発見、通りがかった刑務所帰りの男ベレズノイらと彼女を救おうとするが……。

普段の生活から一転地震、崩壊する街の場面が凄まじく恐ろしく被害にあった人々の様子が実際の写真や映像を元にしているのでかなりリアルです。
茫然自失、生存者救出、復興気運へ。内容的にはズッシリ重い中に希望を見出だすような話だが、瓦礫の町の作り込みがなかなか凄く異様な迫力がある。綺麗事だけではなく大勢が亡くなっていくのが随所にあってドキッとする。
「あっちへ逃げろ!」と大勢を誘導した先がドカーンと崩れたりして、その後の生き残った誘導した人の贖罪のような行動が痛々しい。発生から4日までを描き、悲惨な状況から悲しみを乗り越え、強く生きていこうと決心した人々の話に感動しないはずはない。生存の可能性が低くなる地震後4日目にして赤ちゃん生存の鳴き声を聞き今まさに救出しようとする場面でエンドという〆方もいい感じでしたね。
最後に字幕で地震のエネルギーは「広島に落とされた原爆の10倍に相当する」と解説されている。地震、台風、津波、噴火、放射能汚染、と様々な苦難を乗り越えてきた日本の防災対策、国民の意識は、国際的に高い評価を受けており、また災害派遣やPKO活動など自衛隊の活躍も海外では高く評価されていて、「三年間延べ二千人の自衛官が駐留して、一人の脱走兵もなく、一人の婦女暴行もなく、一人の無銭飲食もなかった。こんな軍隊は世界のどこにもない」と現地にいた外国の高官が言ったそうです。