DISCASレビュー

『エム 絶望の世界』（2023年、北マケドニア・クロアチア・フランス・コソボ・ルクセンブルク合作）は、パンデミックで荒廃した世界を舞台にしたサバイバル・パニック映画。森の奥で厳格な父親と暮らす少年マルコが、父の禁を破り同年代の少年ミコと出会い、友情を深めるが、過酷な現実と向き合う物語。美しい森の映像と少年マルコの純粋さが引き立つが、ゾンビパニック要素は控えめで説明不足が目立つ。マルコの成長やミコとの絆は心に響くものの、ストーリーの展開が曖昧で、感染者の描写や「M」の謎が中途半端に終わる。雰囲気は良いが、サバイバルホラーとしては物足りない。