DISCASレビュー

京介 バッジ画像
2025/09/11 16:57

怪獣ウラン

怪獣ウラン

 1956年 イギリス 劇場公開:1956年8月10日

スタッフ 監督: レスリー・ノーマン 脚本: ジミー・サングスター 製作: アンソニー・ハインズ

     撮影: ジェラルド・ギブス 音楽: ジェイムズ・バーナード 

キャスト ディーン・ジャガー、エドワード・チャップマン、レオ・マッカーン、ジョン・ハーヴェイ

     、ウィリアム・ルーカス、ピーター・ハモンド、マイケル・リッパー ほか

スコットランドの荒地で軍隊がガイガー計数管の使用訓練を受けていると、不思議な爆発によって荒地に裂け目が出来、そこに一番近い兵隊が放射能火傷を受けるという事件がおこった。依頼を受けて原子力研究所のアダム・ロイストン博士(ディーン・ジャガー)と、ピーター(エドワード・チャップマン)が調査したが原因は判らなかった。その夜も、不思議な現象をみた少年のうちの一人が、放射能火傷で死亡した。事の重大さに、特別警察のマッギイル警部(レオ・マッカーン)もやって来たが、怪物は今度は病院の放射能室を襲い、医師を殺し、ラジューム貯蔵庫も荒して行った。アダムは、その怪物とは或る放射能が形をとっているのでないかと考え、ピーターが正体を見極めに裂け目に降りて危く殺されかかった。その怪物とは放射能を吸収するもので、ウランを吸収のため地上に出て来る事が判明したので、アダムは研究所のコバルト壜を安全に処置しようとしたが、怪物はいち早くコバルトを吸収して引上げて行った。

『フランケンシュタインの逆襲』や『吸血鬼ドラキュラ』でお馴染みの英国ハマー・フィルム・プロダクションが、怪奇映画路線でブレイクする前に制作していたSF映画の一本。1作目『原子人間(1955)』に続く『怪獣ウラン(1956)』です。ウランという怪獣の名は日本公開時に付けられたもので、原題は『X THE UNNOWN』劇中でも怪獣は「ウラン」ではなくて「X」としか呼ばれていません。

コメントする
1 件の返信 (新着順)
さっちゃん
2025/09/11 20:39

 これ、良かったですよ。掘り出し物といったところで、ハマー・フィルムものちの煽情的な路線になる前というか、英国らしい地味だけど、人間ドラマと特撮とが絶妙に融合したドキュメンタリーに近い緊迫感のある映像が見られます。
 「ウラン」という名前は多分、この怪獣というか生物が放射性物質を吸収して成長することから日本で有名な放射性物質の名前をつけたんでしょうね。
 不定形の生物というのは表情がないので怖く、それが本作のように放射能を持っていて人間に危害を加えたり、人間を食ったり(『マックィーンの絶対の危機』とか『美女と液体人間』とか)すると危険な存在として、それと戦うという展開になる訳ですね。


京介 バッジ画像
2025/09/12 20:22

コメントありがとうございます。
日本で「怪獣ウラン」などと言うタイトルをつけるので一般的な個体の怪獣を連想してしまいます。
それにしてもさっちゃんが言う通り「英国らしい地味だけど、人間ドラマと特撮とが絶妙に融合したドキュメンタリーに近い緊迫感のある映像が見られます。」
映画「原子人間」も良いですね。