【鬱・トラウマ・絶望映画マニア】『コメント部隊』
【鬱・トラウマ・絶望映画マニア】『コメント部隊』

《作品データ》
韓国の国家情報院の世論操作事件を題材にしたチャン・ガンミョンの原作小説を映画化した社会派スリラー映画。記者のイム・サンジンは大企業マンジョンが関わる入札妨害を告発した記事を書くが、ネット掲示板でそれがあたかも誤報と書かれ、炎上騒動を起こし、職を失ってしまう。そんな中でイムの元にある情報を提供したいという者からメールが届き、喫茶店で会うとネットの書き込みを元に情報操作をするコメント部隊「チームアレブ」の存在を知ることになる。主人公のイム・サンジン役をソン・ソックが演じ、他キム・ソンチョル、キム・ドンフィ、ホン・ギョンが出演。
・2月14日(金)よりシネマート新宿他全国ロードショー
・配給:クロックワークス
・上映時間:109分
【スタッフ】
監督・脚本:アン・グクジン
【キャスト】
ソン・ソック、キム・ソンチョル、キム・ドンフィ、ホン・ギョン
原題:Troll Factory/製作国:韓国/製作年:2024年
公式HP:https://klockworx.com/movies/comment/
《『コメント部隊』レビュー》
なにやらネットの炎上騒動を題材にした映画かなと思って見てみた韓国映画『コメント部隊』。いわゆる『新聞記者』のようなスクープを出したい記者目線の映画で、
そこに国を動かす大企業に対するリベンジも含まれ、盛り上げ所とその結末がお見事で、ボクも「コメント部隊」の巧妙さにやられた!

大企業の不正を暴きたい記者が一度は失墜しつつも、どうやら裏で巨大掲示板やSNSの書き込むチームがいるという話を持ちかけられてリベンジになるかどうかという展開。ちょっと考えれば、メール経由でアプローチしてくる人って怪しさ満点だし、自分だったら絶対そんな話には乗りたくないが、それに乗っかった末路を存分に、ノリノリで味わえる。

そこに日本の経団連に近いような大企業というかグループの存在とイム・ソンジン自身のネット通信黎明期からのそことの因縁、かつてはKCIAのような諜報機関があって大統領暗殺が起きた国というバックボーンもあるから、裏で暗躍する人がいてもおかしくない。そこにネット、SNSでの炎上という現代らしいトラブルを上手く溶け込ませている。

これ、話を持ちかけてくる「コメント部隊」の一員のトークの巧みさと、記者として一旗上げたいイム・ソンジンの野心が上手く作用している。
考えてみれば、イム・ソンジンが一人でズンズン進めたから起こった結果で、そこに自身のリベンジと記者としての出世欲が上手く絡みついたかな。終盤ありきの映画だけど、序盤の設定、主人公の失墜劇からのリベンジと流れは良いから、
サイバー犯罪とか好きな方なら見た方がいいかな。
