軍人である前に人であれ『潜水艦コマンデ 誇り高き決断』
こんにちは。
潜水艦に一度は乗ってみたいDomです。
潜水艦ってなぜかロマンを感じますよね。
今回は、一足お先に観させていただいたコチラについて書いていきます。
『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』
~あらすじ~
第二次世界大戦が始まったころ、サルヴァトーレ・トーダロはイタリア国王海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニに艦長として潜航していた。1940年10月、大西洋航行中のこと、ライトを消した貿易船のシルエットが夜の暗闇の中迫ってきた。後ほどわかることだが、それはベルギー船カバロ号で、イギリス軍の武器と軍需品を積んでおり、突如潜水艦に向けて攻撃を仕掛けてきた。短くも激しい衝突が起こり、潜水艦コマンダンテが貿易船を大砲で沈めた。その時艦長は、放っておけばそのまま海で溺れ死んだであろう26名の生き残ったベルギー人たちを、国際海洋法に従い救助して近くの安全な港に降ろしに行くという歴史的決断をした。すべての生き残りを乗艦させることで、3日間敵から視認されてしまう海面上を航行しなくてはならなくなり、それは自らの命と船員たちの命を危険にさらすことであった。カバロ号の船長は、アゾレス諸島のサンタ・マリア島で下船した際、なぜ自らの命令で危険を冒してまで救助してくれたのか尋ねた。サルヴァトーレ・トーダロ艦長はこう答えた。その言葉はのちに伝説として語られることになる。
「私の中には2000年の歴史が血肉となって流れている」
今作は本当に人間の温かさが伝わってくるお話なのですが、世界や人物の背景が分かるとより楽しめるのかと思い、少し調べてみました。
〇当時の状況
本作は実話を基にしたお話で、舞台は第二次世界大戦中。
第二次世界大戦は1939年にドイツがポーランドを侵攻したことから始まりました。当時、ポーランドはイギリス・フランスと国境保障を結んでいたため、この侵攻に対してイギリス・フランスがドイツに宣戦布告しました。
イタリアが参戦したのは翌年の1940年6月。
この時、フランスが降伏し、イギリス兵はフランスからの撤退を余儀なくされます。これがかの有名な"ダンケルク"の物語です。
今作は参戦して、数ヶ月後。ドイツ・イタリア・日本が三国同盟に調印した後にあたります。
イギリスは本土の防衛に必死なため、イタリアはイギリスへの物資供給を断つことでイギリスの耐力を落とそうと企てているところです。
〇トーダロ艦長とは…?
実は、彼がすごい軍人なのかというとそういう訳ではありません。彼が沈没させた敵戦はわずか3隻だけらしいです。
それでも、イタリア潜水艦司令官として有名なのは、やはり彼の大胆で勇敢な人柄にあります。
海上飛行機の事故で障害を負った彼は、魚雷よりも銃での攻撃を好んでいたそうです。また、今作のように貨物船を沈めた後、漂流者たちを救ったことが2度もあるそうです。
今回のカバロ号では、乗組員43人中42人が生存。もう1つの事例では42人中22人の命を救ったそうです。
また、彼の名前が由来になった潜水艦も存在しています。
いかがでしたでしょうか。
今回は少し歴史の勉強のようなコラムになってしまいました。
戦争はとても冷たく悲しいですが、人としての行動が素晴らしい作品です。
『潜水艦コマンデ 誇り高き決断』は、2024年7月5日公開予定です。
キャスト:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、マッシミリアーノ・ロッシ、ヨハン・ヘルデンベルグ、アルトゥーロ・ムセッリ、パオロ・ボナチェリ、シルヴィア・ダミーコ
監督:エドアルド・デ・アンジェリス
プロデューサー:ミハウ・クフィェチンスキ、パトリック・ペリディス
脚本:サンドロ・ヴェロネージ、エドアルド・デ・アンジェリス
撮影:フェラン・パレデス・ルビオ
音楽:ロバート・デル・ナジャ(3D)
2023/イタリア・ベルギー/イタリア語・オランダ語/シネマスコープ/121分/ 原題:Comandante
配給: 彩プロ ©2023 INDIGO FILM-O’GROOVE-TRAMP LTD-VGROOVE-WISE PICTURES
それでは、よい映画ライフを。
✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂
Dom
93年生まれ。埼玉育ち
元俳優の新米シネマニスト
私の𝕝𝕟𝕤𝕥𝕒𝕘𝕣𝕒𝕞