ゾディアック

1968年頃から発生した実際に起きた連続殺人事件「ゾディアック事件」を元に犯人に翻弄されていく刑事たちの模様を描いた作品。

韓国映画「殺人の追憶」のレビューでも書いた内容と被るが、この作品も終始不気味な雰囲気を漂わせており、殺人事件を刑事たちが入念に捜査し色々な手がかりを見つけ、あと一歩と言う所まできても決定的な証拠まで辿り着かず犯人に振り回されていく。やがて精神状態が悪化して日常生活にまで影響が出ていく。犯人を追い詰める側が犯人に追い詰められていくような作品はとても重く考えさせられ、またとても面白い映画である。

それからゾディアックの殺害シーンが何箇所かあるが、とても生々しく目を塞ぎたくなるくらい怖い。

この作品は158分の劇場版と163分のディレクターズカット版が存在するが、どちらも2時間半以上あるのだが、なかなか解決しないストレスと上映時間の長さが刑事たちと我々見ている鑑賞者側が重なり追体験させられる気分になる。

デヴィッド・フィンチャーは大好きな監督で個人的にこの映画は上位に来るほど好きな作品なので、是非おすすめしたいです。