DISCASレビュー

カッツ
2025/12/12 08:28

アメリカン・アニマルズ

本作は、2004年にケンタッキー州で実際に起きた事件を題材にしている。刺激を求めただけの理由で、大学生4人がトランスシルバニア大学の図書館から時価1200万ドルものヴィンテージ本を盗み出そうとしたのだ。映画はその顛末を、既に刑期を終えて出所した本人たちのインタビューと劇映画的な再現シーンを交錯させながら描いている。

ドキュメンタリーとフィクションを融合させた独特の構成は、観客に「事実」と「物語」の境界を意識させる。若者たちの軽率な衝動が、取り返しのつかない犯罪へと転じていく過程は、青春の危うさと社会の現実を鋭く浮き彫りにしている。

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