吸血鬼蘇る
吸血鬼蘇る
1943年 アメリカ 劇場未公開
スタッフ 監督:ルー・ランダース、カート・ニューマン 製作:サム・ホワイト 脚本:ランドー
ル・フェイ、グリフィン・ジェイ 撮影:ルイス・ウィリアム・オコンネル、ジョン・ス
チュマー 音楽監督:モリス・W・ストロフ
キャスト ベラ・ルゴシ、フリーダ・イネスコート、ニナ・フォック、ローランド・ヴァーノ、マイル
ズ・マンダー、マット・ウィリス、オットーラ・ネスミス、ギルバート・エメリー、レス
リー・デニソン、ウィリアム・オースティン、シャーリ・コリアー、ドナルド・デュワー、
オラフ・ヒッテン、ネルソン・リー ほか
1918年、ロンドン。キングス・カレッジのソーンダース博士とジェーン・エインズリーは入院中の女性患者の病の原因は吸血鬼の仕業と突き止める。吸血鬼の正体は200年前の科学者アルマン・テスラ。二人はテスラの墓をあばき、棺の中のテスラの心臓に杭を打つ。テスラに使役されていた狼男アンドレアスは呪いが解け人間に戻る。事件は解決したものの、ソーンダースは自身の幼い孫娘ニッキーの首筋に吸血鬼に噛まれたような痕が残っていたことが気にかかる。それから23年後、ロンドンはドイツ軍の空襲を受けていた。テスラの墓があった修道院墓地が空爆にあい、テスラの棺がむきだしになる。片付けにきた墓守たちは知らずにテスラの胸に刺さっていた杭を抜く。人間に戻ってからジェーンの助手を務めていたアンドレアスだが、蘇ったテスラに操られる。

本作はもともとは『魔人ドラキュラ』の続編として書かれたものである。ところが、ユニバーサルはこれを受け入れず、『女ドラキュラ』の方を採用した。腹を立てたグリフィン・ジェイはコロンビアに持ち込み、それで製作されたのが本作である。だから『魔人ドラキュラ』の本当の続編は本作なのである。(但し、訴訟を避けるためにテスラと改名されている)。だけど、ユニバーサルの『フランケンシュタイン対狼男』を意識して、急遽狼男を付け足したためにグダグダになったことは否めない。否めないが、今日では『女ドラキュラ』よりも高い評価を得ている。ルゴシのファンは必見である。第二次世界大戦という暗い時代背景と、ベラ・ルゴシという個性的な俳優の演技が織りなす、独特の雰囲気を持つホラー映画です。ベラ・ルゴシのファンはもちろん、第二次世界大戦期の社会情勢に関心のある方にも、興味深い作品と言えるでしょう。