【Foyer vol.1:Stranger】映画、人、文化が交差する——映画のその先へ誘うミニシアター
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映画の余韻そのままに——
観て、語って、繋がって
地域と共に育つ文化の発信拠点
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目次
1.カフェと一体になった映画館「Stranger」
2.多様な文化が息づくカフェスペース
3.こだわりのスクリーン内
4.映画を観た先を提供するイベント
5.日常を豊かにする映画体験を
1.カフェと一体になった映画館「Stranger」
新宿から20分。墨田区・菊川駅から徒歩1分の立地に佇む、座席数49席のミニシアター「Stranger」。
15席ほどのカフェスペースを併設しており、上映の前後にはこだわりのコーヒーや軽食を楽しみながら、映画の余韻にゆったりと浸ることができる。

その名前の由来は、クリント・イーストウッド監督の『荒野のストレンジャー』や、ジム・ジャームッシュ監督の『ストレンジャー・ザン・パラダイス』などから着想を得ている。どこか少しはみ出た存在感で、それでいて心に深く残る——そんな映画への敬意が込められているのかもしれない。こけら落としでは、ジャン=リュック・ゴダールの特集上映が行われ、『勝手に逃げろ/人生』『パッション』『ゴダールのマリア』『右側に気をつけろ』『JLG/自画像』『フォーエヴァー・モーツアルト』など6作品がスクリーンを飾った。
独自の作品選定と、エッジの効いた特集上映により、映画好きの間で話題の存在。一方で、映画に詳しくない方も楽しめる作品も上映している。一見カフェかと思う佇まいでふらっと寄っただけなのに、気づけばどんどん映画にハマっていた。そんな人が現れるのもこの映画館の魅力の一つである。

2.多様な文化が息づくカフェスペース

Strangerが一般的な映画館と一線を画すのは、やはりカフェスペースでの体験だ。そもそもオリジナルブレンド豆がある映画館が少ないのだが、ここまで巨大な本格エスプレッソマシンはまず見ない。コーヒー以外にもハンバーガーやチーズサンドなど、フードメニューも豊富である。また、期間限定のシーズナルドリンクや映画とのコラボメニューも人気で、最新情報が気になる方は公式インスタグラムを覗いてみよう。
普段ポスターを飾っているスペースに、映画『ヒプノシス ーレコードジャケットの美学ー』の特別展示で、インパクト大のジャケットが延べ44枚も壁一面に敷き詰められていた。時々、こうした展示をすることがあるという。ただ椅子を用意してコーヒーを提供するだけではなく、多様な文化に触れることができる空間をも提供している。


実際にStrangerに訪れた際に手に入れてほしいのは、オリジナルグッズ。ロゴが入ったTシャツやバッグなど日常的に利用したくなるアイテムが多数用意されている。また、不定期で発行されるStranger独自編集の雑誌「Stranger Magazine」では、評論家や俳優など幅広い書き手がバラエティ豊かな文章を執筆。装丁も洗練されており、感性を刺激する一冊となっている。オリジナルグッズは店頭でも、オンラインストアでも販売中。
3.こだわりのスクリーン内

鮮やかな紫のシートがずらりと並ぶ、全49席のコンパクトで落ち着いたスクリーン。
今はなき、新潟県・十日町シネマパラダイスから譲り受けた椅子は、柔らかく体を包み込み、自然と背筋がのびる心地よさ。段差設計も丁寧で、どの席からでも視界は良好。鶴岡まちなかキネマから受け継いだ音響機材は、通常はスクリーン横に配置されるスピーカーをあえて裏側に設置。映像への没入感が増す設計には、こだわりが光る。
4.映画を観た先を提供するイベント
「Stranger」では、ただ映画を上映するだけでは終わらない。むしろ、映画を入り口に、日常の中にちょっとした差異を生むようなイベントが次々と仕掛けられている。
たとえば、近所の老舗銭湯「電気湯」とのコラボイベントは、その最たるものだ。
映画好きならピンとくるかもしれない。そう、役所広司が第76回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞し話題になった映画『PERFECT DAYS』で役所が演じた平山が、1 日の疲れを流しに訪れる銭湯だ。Strangerのイメージカラーのブルーで湯船を染めた「Strangerの湯」で電気湯をジャックしたり、Strangerのカフェスペースで電気湯のPOP UPイベントを実施したり、コラボステッカーなどの販売も行なった。映画館と銭湯、それぞれのローカルが交差する粋な企画となった。
そして、上映後の余韻を音に変えてくれるDJイベントも定番の一つ。映画を観終わったあとの空気感や感情をそのまま引き連れて、音の流れる空間に身を委ねる──。そんな緩やかな場が用意されている。
さらに、「Tiny Space Theater」という名のイベントでは、短編作品の上映後に作り手と観客が自然と語り合う場がひらかれる。カフェスペースというほどよい距離感が、“話す”“共鳴する”体験を生み出す。作り手がその場にいるだけで、映画はもっとフラットで、生きたメディアになる。
こうした取り組みの数々は、“映画を観る”という行為の輪郭を広げようとしているように見える。作品と対峙するだけでなく、それをどう感じ、誰と共有するか、そのプロセスすら映画体験の一部であることをStrangerでは教えてくれる。

5.日常を豊かにする映画体験を
Strangerでは映画というレンズを通して多様な文化に触れ、新たな感性を育むためのハブの役割も担っている。併設されたカフェスペースでの語らい、DJイベント、クリエイターとの交流、そして地域とのユニークなコラボレーションなど、映画を起点に、無限に広がる文化体験を提供している。心ゆくまで作品世界に没入し、その余韻を分かち合う。そんな豊かな時間を過ごすことができるのがStrangerの魅力である。
Strangerがキュレーションする作品群は、どれも独自の視点で選ばれ、時に予想外の角度から私たちの心を揺さぶる。そして、それに付随するイベントは、映画体験を一層深く、多層的なものへと誘う。訪れるたびに、知的好奇心をくすぐる新しい発見があるだろう。ここでの時間は、きっとあなたの日常に、これまでにない彩りを与えてくれる。
料金体系にもStrangerのこだわりが垣間見える。墨田区または江東区に在住・在勤・在学の方向けの「ご近所さん割引」(1,500円)は地域への敬意を表し、そして次世代の映画ファンを育むための、粋な計らい「U25割引」(1,300円)も魅力的。
映画を観るという行為を超え、五感を刺激し、思考を深める特別な体験がここにはある。ぜひ一度、「Stranger」の扉を開いてみてほしい。その先にはきっと、あなただけの、新しい映画との出会いが待っている。
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投稿を表示東京に居たとき、気になっていました。
開業したんですね、機会あれば行ってみたいです~
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投稿を表示名前かえて再出発、いいですね!
Stranger、私も大好きなミニシアターなのでだいぶ前に記事にしたけど、こんなに濃い内容は書けなかった😅勉強になりました!
久しぶりにStrangerに行ってこよう✨
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投稿を表示Foyer、めちゃくちゃ素敵な企画!!
応援しとる😆✨
(ロゴも含めて今のうちに商標申請しといた方がいいで!笑)
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投稿を表示はじめまして、すたみなと申します。
以前より、StrangerさんでdiscoverUSのイベントができないかと思っております。
一度、お邪魔したいです。