大魔神怒る
大魔神怒る
1966年 大映 劇場公開:1966年8月13日
スタッフ 監督:三隅研次(本編)、黒田義之(特撮) 脚本:吉田哲郎 製作:永田雅一
企画:奥田久司 音楽:伊福部昭 撮影:森田富士郎、田中省三 美術:内藤昭
キャスト 本郷功次郎、藤村志保、丸井太郎、内田朝雄、北城寿太郎、藤山浩二、神田隆、橋本力、
上野山功一、平泉征、水原浩一、神戸瓢介、寺島雄作、黒木英男、高杉玄、三木本賀代、
橘公子、加賀爪清和 、小柳圭子、松田剛武、浜田雄史、伊東義高、岩田正、伴勇太郎 他
戦国時代のころ。八雲の湖と呼ばれる美しい火口湖の岸に名越という一族と、その本家筋にあたる“千草”の一族が平和な日々を送っていた。湖の真中にある神ノ島には、一族の守護神、武神像がまつられていた。ある日のこと、千草城の若き城主千草十郎は、許嫁である名越の娘早百合と共に祖先の法要をいとなんでいた。そして、領内の平和を祈ろうと神ノ島に行った時、武神像の顔が真っ赤になっているのを見た。それは変事の前兆であった。やがて悪政をほしいままにしていた隣国の領主御子柴弾正が千草領に攻め入って来た。十郎は辛くも逃がれたが、弾正は早百合の父兵衛を殺し、兄の勝茂を人質として連れ去った。さらに弾正は、武神像をも粉々に砕いて湖に投げ捨てたが、その時、湖水は真赤に染まり、凄い雷鳴が起った。一方、十郎は傷ついていたが、早百合の看護で、身体も回復し、牢を脱出した勝茂と共に、弾正を討たんものとスキをうかがっていた。

魔神は本作では水の魔神として描かれており、物語終盤で水の中から現れて神罰を下した後、水となって消えていく。魔神が湖面を割って出現するシーンは映画『十戒』(1958年)に、ラストシーンで湖に沈んだ鐘が鳴る場面はゲアハルト・ハウプトマンの『沈鐘』に、それぞれ着想を得たものである。突風で瓦が飛ぶシーンの撮影では、「京都の八つ橋」煎餅を瓦の形に焼いたものが使われた。