犬神家の一族(1976)
犬神家の一族(1976)
1976年 東宝 劇場公開:1976年11月13日
スタッフ 監督:市川崑 脚本:市川崑 長田紀生 日高真也 原作:横溝正史 製作:市川喜一
キャスト 石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、高峰三枝子、草笛光子、坂口良子、地井武男、原泉、
三條美紀、川口晶、岸田今日子、三木のり平、小沢栄太郎、川口恒、金田龍之介、加藤武
、小林昭二、大滝秀治、寺田稔、三谷昇、辻萬長、佳那晃子、横溝正史、三國連太郎 他
日本の製薬王といわれた信州・犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛は、自分の死後の血で血を洗う葛藤を予期したかのような不可解な遺言状を残して他界した。犬神家の顧問弁護士、古館恭三の助手、若林は、莫大な遺産相続にまつわる一族の不吉な争いを予期して、金田一耕肋に助力を得るための手紙を送ったが、那須に着いた金田一と顔を合わさぬまま、何者かに毒入り煙草で殺害された。奇怪な連続殺人事件は、若林の死からその第一幕が切って落された。佐兵衛は生涯妻子を持たず、松子、竹子、梅子という腹違いの三人の娘があり、松子には佐清、竹子には佐武と小夜子、梅子には佐智という子供がいる。そして、犬神家には佐兵衛が今日の地盤を築いた大恩人である野々宮大式の孫娘、珠世も住んでいた。問題の遺言状は佐清の復員を待って公開されることになっていたが、戦争で顔を負傷した佐清は、仮面をかぶって一族の前に現われた。ところで遺言状の内容は、「犬神家の全財産と全事業の相続権を意味する三種の家宝、斧(よき)、琴、菊を佐清、佐武、佐智のいずれかと結婚することを条件に、珠世に譲渡する」というものだった。

製作者の角川春樹は、『八つ墓村』を映画化するべく動いていたが配給を想定していた松竹に出資を断られてしまう。新たな配給先に東宝を選ぶと、『犬神家の一族』を映画化するべく奔走する。『犬神家の一族』を選んだ理由は、当時、『オリエント急行殺人事件』や『刑事コロンボ』などの探偵推理モノが注目され、さらに山崎豊子原作の『華麗なる一族』がベストセラーになって、縦社会を生きる日本人に受ける、普遍的なテーマだと思ったからだという。
脚本は当初、長田紀生が執筆したが、オカルト的な展開に角川春樹が不満を抱き、市川崑に監督・脚本の打診をした。市川崑を監督に決めた理由として、「久里子亭」の共同ペンネームで脚本を書くほどミステリーが好きで、また「色彩の魔術師」と呼ばれ評価も高く日本の習俗を美しく撮ることを挙げている。キャスティングにおいて市川は、自身が手掛ける映画の金田一耕助には現代性な透明感があり、しかも二枚目でなく二枚目半な役者が良いと考え石坂浩二を抜擢したが、角川春樹や市川喜一は「二枚目過ぎる」と反対したが市川崑は押し通し、「犬神松子」役も高峰三枝子を抜擢した。
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投稿を表示尾上菊之助と富司純子の実際の親子演技も見所ありました。