カッツ
2025/11/08 07:36
レボリューショナルロード
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』は、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが主演を務めた、1950年代アメリカ郊外の“理想的な暮らし”の裏に潜む閉塞感と夫婦の葛藤を描いた重厚な人間ドラマである。
舞台はニューヨーク郊外、コネチカット州の「レボリューショナリー・ロード」という通りに面した庭付きの一軒家。都会の大企業への電車通勤、週末のリゾート旅行――まさに戦後アメリカの黄金期を象徴するライフスタイルを体現する夫婦が、静かに崩れていく様子が描かれる。
特に不仲というわけではない二人が、それぞれ異なる夢や理想を抱えているがゆえに、互いに理解しきれず、もがき苦しむ姿が痛々しいほどリアル。新しい生活への希望が、次第に現実との乖離を生み、絵に描いたような“幸福な家庭”は、やがて崩壊の瀬戸際に立たされる。
観ていて、胃が重たくなるような感覚に襲われるほど、感情の揺れが生々しく描かれている。ウィンスレット演じるエイプリルの焦燥と孤独、ディカプリオ演じるフランクの迷いと逃避――その演技は圧巻であり、観る者の心に深く突き刺さる。
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