フュリオサの復讐心とハイテンションなディメンタスが生み出した砂漠のマッドマックス『マッドマックス:フュリオサ』
・2024年9月18日よりTSUTAYAにてレンタル開始!
■マッドマックス:フュリオサ
《作品データ》
2015年に公開された「マッド・マックス」シリーズの4作目にして、世界中で高評価となった『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』に登場した、女戦士「フュリオサ」の前日譚を描いた物語。監督は引き続きシリーズの創始者ジョージ・ミラーが務め、主演は『デス・ロード』のシャーリーズ・セロンに代わって、アニャ・テイラー=ジョイが若き日のフュリオサを演じる。
核戦争で荒廃したオーストラリアを舞台に、「緑の地」から誘拐され、母を殺されたフュリオサの復讐を描く。宿敵ディメンタス将軍をクリス・ヘムズワースが演じ、その他、イモータン・ジョー役のヒュー・キース・バーン、ジョーの息子リクタス役のネイサン・ジョーンズなど続投キャストも多数。
・2024年9月4日よりTSUTAYAにてレンタル開始!【PG12】
・配給:ワーナー・ブラザース映画
・公式HP: https://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuriosa/
《『マッドマックス:フュリオサ』レビュー》
シリーズ前作『マッドマックス 怒りのデスロード』2015年に公開してから9年のブランクがあっての公開となった『マッドマックス:フュリオサ』。いや〜、『マッドマックス』シリーズは『マッドマックス』シリーズ。シリーズ前作の前日譚で、
主要キャラの一人のフュリオサにスポットを当てたスピンオフ作品でありながらも紛れもない『マッドマックス』シリーズだった!!
ストーリーは5章構成で、フュリオサの少女時代からシタデルの女性大隊長になるまでを追いながら、彼女の成長譚とシタデルを治めるイモータン・ジョー周辺の様子、砦のシタデルとガスタウン、バレット・ファームを己の手中に収めようとするディメンタス&彼のバイカー集団「バイカー・ホード」らの奔走ぶりを描いているが、世界観は『マッドマックス 怒りのデスロード』とほぼ同じで、いわば『マッドマックス 怒りのデスロード』パート2と言っても過言ではない。
広大な砂漠の風景と暴力と集団の統率力、バイクやメカの知識がものを言う荒廃した世界観は漫画「北斗の拳」に近く、この世界観を保ちつつ若干脚本を変えれば十分に『マッドマックス』シリーズを作れ、肝になるバッドランズでのバイクやマシンでのチェイスやバトルも健在。そんな中で本作を支えたのはアニャ・テイラー=ジョイが演じたフュリオサとクリス・ヘムズワースが演じるディメンタスの好演による所が大きい。中でも常にテンションが高くて己の欲に忠実に動くディメンタスのインパクトとバイタリティーは強烈無比。
一方で荒廃した世界で生き抜くフュリオサの15年も良い。ディメンタスへの復讐心を常に心に持ちつつも、警護隊長ジャックとの一時にはこれまでにない意外な一面を見せたりする。
前作の延長線上の作品ながら、若き日のフュリオサとディメンタスを描いた本作は脚本のまとまりが良く、スピンオフ作品ながら『マッドマックス』シリーズの世界観を存分に堪能できる。さらに前作以上に流砂や砂嵐など、より砂漠を有効活用した分、前作よりもさらに面白さが増したようにも思える。
前日譚かつスピンオフ作品なのにしっかりと『マッドマックス』第5章と言える『マッドマックス:フュリオサ』。