地球爆破作戦
地球爆破作戦
1970年製作/アメリカ/劇場公開日:1971年2月16日
監督 ジョセフ・サージェント
原作 D・F・ジョーンズ
脚色 ジェームズ・ブリッジス
製作 スタンリー・チェイス
撮影 ジーンポリト
音楽 ミシェル・コロンビエ
美術 アレクサンダー・ゴリッツェン
出演 エリック・ブリーデン、 スーザン・クラーク、 ゴードン・ピンセント、
ウィリアム・シャラート、 アレックス・ローディン、 他


原水爆による危険な国際均衡を保っていた世界に、突然、恒久的平和が約束されることになった。
ロッキー山脈地下深くアメリカ科学者の英知を集めたコンピューター・センターが完成、これさえあれば地球を滅ぼすような戦争はありえないと、アメリカ大統領(ゴードン・ピンセント)がTVで演説したのだ。
この“コロサス・システム”は判断力は人間よりはるかに優れ、感情を持たず、恐怖も憎悪もなく、あらゆる電波をモニターし、人間のいかなる破壊工作も受けつけず、自給自足が可能なものであると生みの親で、コンピューターの操作を許されている数少ないひとりフォービン博士(エリック・ブリーデン)も保証した。

しかし、祝賀パーティも終わらぬうちにコロサスの電光板が重大ニュースを知らせる。ソ連もそっくりのシステム“ガーディアン”を完成したというのだ。右往左往する人間たちにコロサスは、ソ連のシステムと交信したいから通信回路を作れと要求する。
世界平和維持のため、2つのコンピューターは同じ周波数のもとにおかれるのだが、何を連絡しあっているのかはフォービンたちにも分からなくなってしまった。

そして米ソの機密は解読することによって、互いに漏洩するようになり、困惑した両国首脳は相談して、交信回路を撤回することにした。
しかし撤回と同時に、両コンピューター同士は人間たちに抗議し、対抗措置を取ったのだ。そして互いの国に向け、ミサイルの発射を決意した。


回路の復元が命ぜられた。あわてた両国首脳は両国の科学者を1人ずつローマに派遣して、対策を協議させることにした。
しかし、それもたちまちコンピューターに感づかれ、ソ連の科学者クプリン博士(アレックス・ローデン)は、コンピューターの指令によって殺される。
フォービンが助かったのは、彼がコロサスにとって必要だと思われたためだったが、その代わり彼は、コロサスの命令通り行動するしかなくなってしまった。
そこで彼は言葉巧みにコロサスを説得して、彼の助手で恋人のクレオ(スーザン・クラーク)との逢引きの時間だけはプライベートな行動として許してもらう。無論、コンピューターのカメラの前でであった。ベッドの中で耳と口を頼りに彼はクレオとコロサス破壊計画を伝えた。


CIAの秘密情報局員グローバー(ウィリアム・シャラート)に命じ、コロサスに気づかれぬように、ミサイルの弾頭をニセモノと取り替え、武器を完全に奪おうというのだ、
しかし、ドタン場でそれもバレてしまう。
そしてコロサスから最後通告が全世界に発せられる。“これは世界支配の声だ。私は、皆に平和を贈る。それは繁栄と満足の平和か、生きる屍の平和か、諸君が選べ、私に従うか、反抗して死ぬか。諸君の考えている自由は今や幻想にすぎない…”。
人間が作り出した機械が謀叛を起こし、逆に人間を支配するというSF恐怖映画ですが、この映画を観ていると、米ソ冷戦時代の当時よりも、世界がネットで結ばれた現代のほうが、より不気味さを増してくるような気がする。
この「地球爆破作戦」は、SFファンなら観ておいて損のない映画です。
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投稿を表示京介さん、また私のお気に入りの作品です。
これって最初、日曜洋画劇場で観たんですけど、米ソの戦略兵器を管理するコンピュータが平和のために結束して人間を支配するという、着想の非凡さと皮肉が効いた佳作でした。
結局、人間たちが自らの手に核兵器を取り戻すことはできず、コロッサス(とガーディアンの複合体)の世界平和を告げる声が流れるラストの皮肉さにぞっとしました。子供だったんですけど怖さは分かりました。
余談ですが、フォービン博士を演じたエリック・ブリーデンはその昔『ラットパトロール』で毎回、主人公のトロイ軍曹(クリストファー・ジョージ)率いるラットパトロールの敵役ドイツ軍のディートリッヒ大尉を演じておりました。何度、ラットパトロールの連中に酷い目にあわされても一向に降格されないのは不思議でした。あ、そのときはハンス・グッデガストと名乗ってましたが、映画に出るときに名前を変えたんでしょうね。