ハウス・ジャック・ビルド
ラース・フォン・トリアー監督の「インフォマニアック」から5年ぶりの新作がこの作品。
本作は、マッド・ディロンが演じる強迫神経症を抱えながら建築家を目指すシリアルキラーの主人公ジャックという男をメインに置き、彼が芸術アート作品のように殺人を繰り広げながら目標の''ジャックの家""を建築させるまでの12年間の出来事を5つのエピソードに分けて展開していく。
まるで実在していたかのような作りなので、これは、"ハウス・ジャック・ビルド"という男の架空ので?で?伝記映画!?のようだった。
トリアー監督といえば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「ドッグウィル」など後味悪い映画ばかり撮ることで有名。監督自身も長年色々な精神疾患に悩まされているそうで、その内に秘めた思いを映画という芸術で具現化して吐き出しているのだろうか?
しかしシリアルキラーと言っても殺人だけが目的に思えない。
イラついて激怒して殺したりと何か理由があって殺してるのかと思えば、別の殺人シーンでは、殺そうとしておきながら、飲み物を飲ませて助けようとしたり、でも結局殺したりとわけがわからず、
鑑賞しているこっちは情緒が追い付かないが、主人公はその何億倍も追いついていないのだろう。
その追いつかない情緒不安定さや意味不明な思考回路が頭の中でぐるぐる高速回転して落ち着かず、本作の主人公のような殺人鬼や現実の世の中のシリアルキラーや快楽殺人鬼などが誕生していくのだろうか?
不快で気分が悪くなるシーンの中に散りばめられたトリアー流のグロギャグシーンや
終盤で完成されていくまったく理解できない建築アート作品は、まさにトリアーワールドそのもの。
もはやここまで来るとトリアー流コメディ映画と言っても過言ではない。
カテゴリ的にもガクガク震えるほど恐ろしくて怖いのか、常軌を逸し過ぎていてとにかく笑えるのか奇天烈過ぎるアートに感動するのか考えさせられるのか何が何だかどこに属するのか分かりません。
目を覆いたくなるような胸糞悪い殺人シーンも多いので、苦手な人はおすすめできませんが
トリアー慣れしてる人は、客観的にこの病んだ監督の作品は観れると思います。
まあ興味のある方は観てみてください。
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投稿を表示トリアーの映画を制覇しようとしています。
この作品は、なんとか付いていけました。