カッツ
2025/12/28 08:32
オフィサー・アンド・スパイ
2019年/監督:ロマン・ポランスキー
19世紀末のフランスで実際に起きた冤罪事件「ドレフュス事件」を題材にした歴史映画である。ロバート・ハリスの小説『An Officer and a Spy』を原作とし、ユダヤ人将校ドレフュスがスパイ容疑で不当に有罪とされる過程、そしてその裏に潜む差別と権力構造を描いている。
フランスでも根強いユダヤ人差別が存在し、ドレフュスは証拠が不十分なまま有罪判決を受ける。しかし、新たに諜報部長となったピカールは、真犯人がエステラジーであることを突き止め、事件の再調査に乗り出す。ところが軍上層部は冤罪を認めようとせず、ピカールの行動を妨害し続ける。再審が行われても判決は覆らず、正義が遠のく展開は実話ならではのもどかしさがある。
物語の後半では、弁護士の暗殺や偽証した少佐の自殺など、さまざまな出来事が次々と起こるが、それらが再審にどう影響したのかが分かりにくく、理解が追いつかない部分もあった。フランスでは誰もが知る歴史的事件であるため、前提知識がある観客には自然に理解できるのかもしれないが、日本で観ると後半の展開はやや複雑に感じられる。
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