ストーリー

k.a
2025/07/14 07:03

勝手に逃げろ/人生 / サントラ 洋画オリジナル

「勝手に逃げろ/人生」(1979年)のサウンドトラックは、ジャン=リュック・ゴダール監督の商業映画復帰作を彩るガブリエル・ヤレドのデビュー作。スイスを舞台に、ジャック・デュトロン、ナタリー・バイ、イザベル・ユペール演じる3人の男女の交錯する人生を、ヤレドのミニマルなシンセサイザーと鍵盤楽器の旋律が繊細に表現。「想像界」「不安」「商売」「音楽」の4楽章で構成され、ポンキエッリのオペラ「ラ・ジョコンダ」のアリア「自殺」が物語の死への衝動を象徴するモチーフとして断片的に響く。スローモーションやストップモーションの映像と連動し、ゴダールのヌーヴェルヴァーグ的な美学を強調。特にナタリー・バイの自転車シーンや対立シーンでの音楽は、不思議な時間感覚を醸し出す。全体として、映画の哲学的で断片的なテーマを音で深化させた一枚だが、単体ではやや抽象的で映画の文脈に依存。ゴダールファンや実験的なサウンドトラックを求める人に推薦。

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