オススメ教えて!

遅すぎる反省ーーオッペンハイマー

(c)Universal Pictures. All Rights Reserved.
(c)Universal Pictures. All Rights Reserved.

■大学院の社会人講座で量子コンピュータによる未来デザインの講義に参加しました。この先生は海洋工学の教授されて、現在は芸大で情報デザインの教鞭をとられています。量子コンピュータが未来にどう影響するのか、というのが趣旨でした。

そこで先生が語られたのは「アインシュタインやオッペンハイマーのような人間をつくらないことだ」と言われました。彼らは核爆弾をつくり甚大な殺人兵器を世に出した、それを一言、ごめんなさいとか作るべきではないとの発言だけで済ましたことは許せないと!その後、大学で戦争を考えるフェアでこの「オッペンハイマー」を鑑賞しました。

 

■映画は聴聞会で共産主義者との関係を問われることから始まり、大学時代の屈折と核開発に乗り出し「マンハッタン計画」を立ちあげていきます。また私生活も描かれます。

(c)Universal Pictures. All Rights Reserved.

■核兵器はナチスドイツに使おうとしてますが、早々降伏。また抗戦する日本にその兵器は向けられます。アメリカは徹底的に日本を粉砕すべく2発も発射するのです。日本は瀕死の状態ところにとどめを刺すわけです。その事情をオッペンハイマーは知って猛反省するのですが、「遅いんんじゃ!!」。この開発で英雄視されるものの、政府からは邪魔者扱いとされ弾劾されます。

それにましてこの核兵器はソ連も即開発されていきます。メンバーにスパイがいたのでした。

日本を破滅させてだけでなく大国にこの兵器が流布してしまうこととなるのです。

冒頭の教授のコメントにあるように、とんでもないものを開発したのです。

■C・ノーランは日本を被ばくしたことよりも世界に原爆、水爆が推進されていくことに警告をならしているところ重きをおいています。オッペンハイマーを悲しき科学者と描いてしまい、なぜそこをとどめなかったのか、アインシュタインは傍観者と描かれ、彼への批判はありません。

このふたりがいなければ核兵器はつくられなかった、開発は遅れていた・・・

いや、日本がもっと早く白旗をあげていればこんな大惨事に見舞われなかった、その期間は約2週間と言われています。

そんな日本は被爆国でありながら核の傘下にあり、核を否定しておりません。もう世界が核を手放せなくなってしまったのです。

(c)Universal Pictures. All Rights Reserved.

 

 

 

コメントする
1 件の返信 (新着順)
spy master
2025/11/30 21:21

映画館で二回鑑賞しました。我々が核兵器が存在する世界に生きていることを容赦なく突きつけられました。原爆投下によって失われるはずだったアメリカ兵士の命が救われた、とアメリカ人は評価しているそうです。一方で、一瞬にして世界を破滅させる兵器が産み出されてしまったことも事実です。核兵器発射ボタンを押す権力を持った指導者が現実の世界にいることを思うと背筋が凍ります。
Netflixで配信中の『ハウス・オブ・ダイナマイト』も核兵器が存在する世界に我々が生きていることを容赦なく突きつけてきました。
核兵器が存在することで戦争の抑止ができているという考えもあります。
科学の力が人類に幸福と繁栄をもたらす一方で、一瞬にして世界を破滅させる核兵器も産み出してしまったことも事実です。
オッペンハイマーの実の孫チャールズ・オッペンハイマー氏もこの映画を鑑賞したそうですが、何を思ったのか気になります。