三国志 完結編 遙なる大地
三国志 完結編 遙なる大地
1994年 日本
スタッフ
監 督:勝間田具治
脚 本:笠原和夫
プロデューサー:荻野豊太郎、勝間田具治
製 作:吉成孝昌、岡田 裕介
企 画:吉成孝昌、湯沢正二
監 修:舛田 利雄
音 楽:横山 菁児
作 画 監 督:角田 紘一
美 術 監 督:椋尾 篁、窪田 忠雄
撮 影 監 督:相磯嘉雄
キャスト
渡瀬恒彦(曹操孟徳)、あおい輝彦(劉備玄徳)、青野武(関羽雲長)、石田太郎(張飛翼徳)、
山口崇(諸葛孔明)、鶴 ひろみ(鳳姫 関羽の娘、関 銀屏)、大塚 周夫(司馬懿仲達)、
柴田秀勝(孫権)、池水 通洋(陸遜)、田中 秀幸(馬謖)、田中 康郎(馬良)、
橋本 晃一(馬超)、家弓 家正(魯粛)、神山 卓三(周倉)、阪 脩(呂蒙)、石原 良(張昭)、
中田 浩二(張遼)、堀秀行(趙雲)、出口博文(龐統)、杉山佳寿子(小猿 )、
八奈見 乗児(華佗)、野本 礼三(左慈)ほか

赤壁の戦いで孫権軍を動かし曹操を破った孔明は、戦後の混乱に乗じて荊州を奪い返す。
「天下三分の計」の地歩を固め、鳳雛こと龐統士元をも配下に加えた劉備のもとへ、今度は蜀
を治める劉璋から援軍要請が届く。漢中の張魯
が攻めてきたという。劉備は荊州の守りを孔明

に任せ、龐統を軍師として自ら援軍に赴くが、
途中、関羽の娘と名乗る鳳姫から、劉璋の臣下
には劉備を敵視する者もあるので注意をするようにとの忠告を受ける。

一方で、一日でも早く劉備に蜀を取らせたい龐統は、密かに劉璋を暗殺しようと企てるが、気づいた劉備に阻まれる。劉備は張魯軍を防ぐべく、自ら進んで葭萌関へ赴くも、臣下の讒言を信じた劉璋に裏切られ、砦に孤立してしまう。やむなく劉璋との開戦に踏み切った劉備だが、涪城を落とし、雒城に迫る途中、落鳳坡を進軍

中に伏兵に遭い、龐統を失ってしまう。龐統死すの報を受けた荊州の孔明は、急ぎ諸将を呼び
集め、関羽に「北は曹操に当り、東は孫権と和す」との方針を授けて荊州の守りを託すと、張飛、趙雲らを先行させ、自らも急ぎ救援に向かった。

しかし、雒城へ向かう途上、張魯の命を受けた馬超に襲われ、絶体絶命の危機に陥る。
あわやというところで鳳姫に救われた孔明は、誰もが疑い失笑する中、ただ一人その言葉を信じ、礼を尽くす。鳳姫は感涙し、共に戦うことを誓った。雒城攻略の後、張魯を見限った馬超

も臣下に加え、成都へ無血入城した劉備は、孔
明から鳳姫を紹介され、さっそく関羽のもとへ戦勝報告の使いを命じる。喜びに沸く劉備たちだったが、同じ頃、孔明不在の荊州を狙い、呉の孫権は虎視眈々罠を仕掛けていた。関羽の身に生涯最大の危機が迫る。

本三部作は一般的な娯楽映画とは一線を画すという認識でいるので、どこを切り取ってもヤマ場なためかえって平坦に見えてしまうとしても、製作意図には合致していたはずだと思います。

ところが、完結篇のみ、何故か急に関羽の娘という設定のオリジナルキャラクター鳳姫が登場し、主役級の扱いで物語の重要な役割を担っていました。

第一部、第二部とも、原典の逸話を一つでも多く取り入れようと工夫を凝らしていたように見えたのに、突然の方針転換に面食らった思いです。

完結篇の中心人物の諸葛亮孔明は、学ぶことの大切さ「それ用兵の道は、人の和にあり」と「人の和」と言うのは、響く言葉だと思いますね。孔明は戦場においても、兵法にみられる陣
立てにおいても、どれも一手工夫を入れていたといわれています。これは、人を一人でも傷つ

けたくないからの証です。でも勝敗は時の運。負けるときはある。引くべき時は引いたり、引き方にも相手方を恐れさせ退却してゆく。そん
な場面も三国志演技にはよく出てきます。

そして、三国志演技を読んで諸葛孔明の心に響く名言として二つあります。

一つは「ほかにすることはないのですか?」これって考えてしまう言葉だけど、孔明の人柄、人生観よくでてますよね。

一つは「才能とは生まれつきのものではなく、
学習の結果として身に付くものと考えております」これは劉備から才を愛でられた時に孔明が謙虚に返した言葉です。人の生には限りがあることを知りながら、不可能と思えるようなことでも精一杯尽くしぬく人生。まさしく賢人ですね。
この完結篇には道術を操る仙人(左慈)とかも登場するのでファンタジー要素まで注入してい

ます。個人的には孔明の南蛮平定なども面白いと思うけど、そこはなし。三国志を最後まで描こうとすると5本以上はかかると思います。
余談ですが、監督の勝間田具治は「中国ロケに行った際、天安門事件に遭遇し、ストーリー変
更を行った」というコメントを残していて、この中国ロケで撮影した映像は第一部のスタッフロールが流れるエンディングに使用されています。
ネタバレ全開ですみません。

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投稿を表示三国志、最近見てないですね。