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2024/01/13 01:28

【ネタバレあり】ゴジラ-1.0/-C 『-C(マイナスカラー)』が最大限のゴジラらしさを引き出した

抗いました。

映画コラボレーターのはじめです。
「映画は人と人を繋ぐ」をモットーに記事を執筆しています🎬

Rottentomatoesでは批評家の97%、観客の98%が高評価し、「Forbes」のマーク・ヒューズの見出しは、「2023年で最高の映画のひとつだと表現した作品である。

※過去「Forbes」はゴジラを批評して書いてきたという。

~あらすじ~
生きて、抗え。

焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。ゴジラ七〇周年記念作品となる本作『ゴジラ −1.0』で監督・脚本・VFXを務めるのは、山崎貴。絶望の象徴が、いま令和に甦る。
 

そんな『ゴジラ-1.0』が高評価を受けて、まだ絶賛公開中の中『-C(マイナスカラー)』とした理由を、鑑賞した私が自分の言葉で綴ってみます。ポイントは大きく3つある。


1. 景色や建物、小道具などは目に入らない

2. 奥行きがない、だから”面”で来る

3. 温故知新に隠された技術に気がついたこと


(c)2023 TOHO CO., LTD.


1. 景色や建物、小道具などは目に入らない


(c)2023 TOHO CO., LTD.

「なんて否定的な表現だ」と受け取る人も多いしれませんが、むしろ私としては褒めた表現である。
 

『-C(マイナスカラー)』をすることは画面の中を白と黒で、どうにかこうにか表現するということです。色がない分、陰影を駆使したり、痛みや汚れなどが如何に酷いか、俳優さんに全て託された形になってしまう。
 

その反動にあるのが、「目に入らない」であると私は思う。瓦礫や布団、東京の建物や大戦艦など何一つどんな色をしているのか分からない。だから、「目に入らない≒細かい所に目が行かなくなる」とう現象が起こる。
 

それ故に最大の効果を発揮するのが「焦点」である。ゴジラが出てきたらゴジラだけに焦点が絞られ、飛行機が出てきたら飛行機の機能やフォルムなどにしか目がいかなくなるのです。そうすることで、今までにないほどの集中ができるようになる
 

『ベルファスト』や『フランシス・ハ』のように繊細さを残した『-C(マイナスカラー)』ではなく、若干荒めに表現されているところがミソ。”ここだけを今、感じて欲しいんだ!”と言わんばかりに焦点が絞られる感覚を味わった。
 

映画館内も、不思議なことに暗闇に白い光があるだけなので、同化して一体感が増すのは言うまでもない。それ故に家で観る、なんてことは勿体無い。周りの色とりどりの物が目に入ってきては、この映画の良さを120%味わうことができないでしょう。

 

2. 奥行きがない、だから”面”で来る


(c)2023 TOHO CO., LTD.

『-C(マイナスカラー)』には更なる効果が出てくる。それが「奥行きがない」だ。またまた否定的な表現をしているように見えるが、これも褒め言葉。「奥行きがない≒画面上が大きさの最大」だということに気がついた。
 

人の目はモノを立体的に感じ取れているため、遠くにあっても物の大小がなんとなく判断できてしまう。しかし、『-C(マイナスカラー)』とするとどうなるか。カラーがある時よりも、大きさや立体感が感じづらく、”画面上でどれだけ大きいのか、小さいのか”を判断せざるを得ない状況に陥る。
 

だから、ゴジラの恐ろしさを”面”で感じ取れるのではなかろうか。
 

この感じ方は人それぞれかもしれないが、私は今までの「カラー作品」と比較しても圧倒的に迫力があったように感じる。引きで映るシーンを見ると「意外と小さいのね」って感じて冷めてしまうところを極限に減らす効果が『-C(マイナスカラー)』には眠っているように思える。


3. 温故知新に隠された技術に気がついたこと


(c)2023 TOHO CO., LTD.

これは私の憶測でしかないが、本当に観て欲しかったのは『-C(マイナスカラー)』なのではないか?と感じてしまうほどだ。白黒映画は元々ある古い表現方法だが、3DやIMAXなどの最新技術のような1技術として『-C(マイナスカラー)』に気がついた山崎貴監督にあっぱれだと思う。
 

ゴジラが最もゴジラらしく表現できる方法は何か、を突き詰めた結果に『-C(マイナスカラー)』。
上記1.2の他に作品全体の哀愁やゴジラの神々しさ/隆々した、俳優さんの表現の陰影具合などカラーより、脳裏に焼きつくほど印象的な効果を表現できたことは間違いない。

映画館✖️『-C(マイナスカラー)』は素晴らしいコラボです。

昔の映画館で味わっていた作品は、こういう意味で記憶に残っていたのかもしれませんね。

映画コラボレーターはじめ

映画イベント:映画を観ない、映画交流会主催 / TSUTAYA DISCAS Discover us 公式アンバサダー

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3 件の返信 (新着順)
椿五十郎 バッジ画像
2024/01/13 16:52

くぅ〜っ、
マイナスカラーコラム先行かれてしまいましたァ!しかも、素晴らしい考察!さすがですっ。こういうコラムを書きたいのだけどなぁ😭
モノクロにしたことで、観客の焦点が絞られ、ゴジラの怖さが面で来る!まさに言い得て妙!観て言葉にできないと思った凄さを、端的に言葉にされて、まさにそれ!っという感じでした。
この後でコラム書けないよぅ😭


はじめ バッジ画像
2024/01/14 10:50

椿さん、社内のメンバーの中でも椿さんのオリジナリティが効いた記事がすごく評価高いんですよ😁月間シネマニスト大賞がその例で。
またゴジラにさほど詳しくない為に、技術面や直感のような書き方が多くなっていますが、リアタイで観てきた椿さんの「過去と現在のマイナスカラー」の感じ方は椿さんしか書けないと思いますよ♪

かこ
2024/01/13 12:37

まだ観てないけど、モノクロの方が好きかもしれないです😄奥行きがなくて、面でくる!すごくわかる🔥


はじめ バッジ画像
2024/01/14 10:46

かこさん、あまりこういう迫力のある映画でモノクロって少ない気がしていて。それを今回公開されたのですごく新鮮でした!😳かこさんが鑑賞されたら、その感想も楽しみにしています😁

じゅーん バッジ画像
2024/01/13 09:16

実は去年、ナナメにこのゴジラー1.0の盛り上がりを眺めていた1人です。だが、しかーし!!満を持してかどうかはわかりませんが、来週このマイナスカラーを観てきます!
そうは決めたものの、少し不安でした。だってモノクロって眠くなるし。でもはじめさんのコラム読んで自信が付きました(謎感情)思い切り面で迫力楽しんでくるわーーー!


はじめ バッジ画像
2024/01/14 10:44

じゅんさん、モノクロの眠たくなる感は理解できます。でも、この映画の構成としてもちゃんと作られていることが冒頭から理解できるかと思います🦖背景として技術が古いわけじゃなく、「最新がモノクロ?!」というこのギャップは堪能頂けたらと思います☺️